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「おちフルはえっちな番組じゃないから!違わないけど違うから!」アニメ『おちこぼれフルーツタルト』感想

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 歳をとると時間が早く感じるのは人生にときめきがなくなるから、と言ったのはどこの5歳児だろうか。
 相変わらずアニメは毎クールチェックしている。しかし確実に20代の頃より見る本数が減っており、第1話すらチェックできない作品も出始め、完走できる作品は1クールにつき10本程度になってしまった。
 自分に合わないものを取捨選択していけるようになったといえば聞こえはいいが、頭が新しいアニメを受け付けなくなっているのかもしれない。いまだに毎クールほとんどのアニメを全話鑑賞してそのほとんどに対し面白いと言える弟が羨ましい。

 そんな中2020年の秋クールは久々に精神年齢が実年齢の半分の15歳に戻った気がする1クールだった。
 ジャンプアニメ最新作の呪術廻戦ときららアニメのおちこぼれフルーツタルト、この2つを毎週楽しみにしている様はまるで思春期丸出しの中学生と変わらなかった。
 というわけでアニメ『おちこぼれフルーツタルト』のレビューを書きたいと思う。

終始コメディチックであるということ

 作者の浜弓場双先生が『アイカツ!』と『プリパラ』にハマって生まれたと語る通り、この作品は終始コメディチックである。
 一癖も二癖もある登場人物によって繰り広げられるテンポの良いギャグは、下ネタを含む点から多少人を選ぶ作風ではあるもののクスリとくる。
 この辺りはさすが数多くのコメディアニメを手がけてきた川口敬一郎監督だと言わざるを得ない。

 また、他のアイドルアニメでよくあるメンバー同士の衝突がほとんどなく(お好み焼きの論争はあったけど)、解散などの危機的状況には陥ることはあるがシリアスな展開に突入することがない。
 こういうメンバー同士の衝突から起こるシリアス展開が苦手な自分にとって、終始コメディチックなおちフルはとても居心地が良かった。
 奇しくも同クールに新シリーズが放送されていた『ラブライブ!』にハマっていたならばこうはならなかったであろう。

関野ロコ

 そんな中で物語の軸となっているのが元子役の関野ロコだ。
 彼女がブロ子ちゃんでなければイノも岡山から上京していないし、クリームあんみつも誕生していなかっただろうと言えるくらい重要なキャラである。

 かつては国民的に愛されていたが今ではパッとしない元子役である彼女に私は『バードマン』のリーガンを思い出してしまった。
 過去に縛られたリーガンはそのイメージを払拭しようと一世一代の大舞台に挑むが、同じく過去に縛られたロコは大舞台でファンに応えるため嫌々ながらも過去の代表作を演じる。
 マルモといいたらこといい、元子役は過去作からの呪縛からは逃れられない。
 ロコのかつてのファンの期待に応える様に少しグッときてしまった。

ライブシーン

 汚れていてもアイドルアニメなので、当然ライブシーンはある。
 CGでも遜色なく手描きと変わらないライブシーンを描けるこの時代にあえて手描きで挑んだライブシーンは止め絵こそあるもののよく動いている。

 特に第3話の初ライブは見ものである。
 結成したばかりで息が整っていない初々しいフルーツタルトのダンスはCGでは表現できないくらい素晴らしいものなので、初めて見る方は是非とも3話まで見てほしい。

でもえっちな番組ではある。

 とは言ってもこの記事のタイトルに書かれている通りえっちなアニメであるのは否定できない。
 女の子の可愛さに定評があるfeel.の作画は、可愛さを残しつつえっちさを兼ね備えており素晴らしい。
 勝負下着を買うエピソードや単行本のカラーページを再現したエンディング(原画は私の好きな川村幸祐さん)は、間違いなく『おちフル』がえっちな番組であることの証明とも言えるのだ。

是非とも2期が見たい。

 総じて原作と制作会社との相性が最高に噛み合っていたアニメだった。
 強いていうなら原作を先に読んでしまったせいか、少し汚さが物足りないなと思ったくらいで満足度は100%と言える。

 是非とも2期を作ってほしいし、2期では1期ではできなかった〇〇〇〇のシーンからやってほしい。

 といったところで2020年に間に合わせるようにタイプを終わりたいと思う。機会があれば随時加筆していく予定。

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