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父との思い出【#我が家の節分】

おにはーーーそとっ!
ふくはーーーーうちっ!

東京の住宅街。
そんなのお構いなしで響くのは
私たち子供の声じゃなくて

父の声。


お父さん、こんなに大きな声で出せたんだ。
って思うくらい、でっかい声で
窓を開けて豆を投げる。

父はあまり喋らないし
怒る時は怖かったけど怒鳴られた記憶なんてなくて
でもなんか、すごくいい声で「鬼は外」を言う。


えー!やめてよぉ。

とは言わなかったけど
えー!と思ったのはたしかで
多分それは
小学校高学年にさしかかった頃。

それより前の節分の記憶はないけれど
わたしが小さかったときは
まだ隣にはアパートはなくてひらけていたので
わたしが「恥ずかしい」と思う以前から
毎年行われていたのだろう。


そんなわたしも今や2児のかあさん。
月が作る影もしっかり見えちゃうくらい
物質的密度の少ない場所に住んでいるのをいいことに
毎年毎年近くに父を感じながら

おにはーーーそとっ!
ふくはーーーーうちっ!

をしています。
娘たちよりも元気よく。
子供たちよりも
はしゃいで。

今は小学生前の子供たち。
もう少ししたら
「おかあさん、やめてよ。恥ずかしい」
とか言われるのかもしれませぬ。


実家の両側にアパートが建ってしまって
もう投げるところもなくなってしまったし
今年も父の分もわたしは
声を張って投げますよ。

そして
今年も子供たちとの「節分」を動画に撮って
父に送ってあげようと思います。


#我が家の節分
#写真全然関係ない

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