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Virtual Market 2023 WinterにおけるJIRA導入とタスク管理


はじめに

この記事は VR法人HIKKY Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。
前回は VketCloudSDKを触ってマニュアルを見てついでに加筆して欲しいというはなし でした。

初Note且つ初HIKKYアドカレということで

はじめまして、という方ははじめまして。
以前HIKKY社の開発者ブログで下記みたいなことを書いてました臼井です。

自分のNoteアカウントを立ち上げたタイミングと、ちょうどHIKKY社のアドベントカレンダーがはじまるぞ!っていうタイミングが重なったこともあって、今回VketWinterで行ったことについて、掲題のとおりに書いていこうと思っております。

JIRA導入のきっかけ

そもそもJIRAって?

Atlassian 社が開発・提供しているタスク管理サービスです。

※以降の記載の中で、JIRAの関連用語が出てきますがその説明は行いませんので予めご了承ください

導入の経緯

  • 各チーム(Webチーム、各ワールドの制作チーム、品質管理、ユーザーコミュニケーション、アート・クリエイティブえとせとら他にも色んなチームがいる)は「チームのリーダーがそれぞれの裁量でタスクを管理している」ため、チームごとに運用のルールが異なっていた。

  • それらを統括して管理するプロデューサーやPMが全容を把握するために、リーダー一人ひとりにヒアリングを行うなどの対応が求められていた。

  • ヒアリング結果と実態がちぐはぐになることなどが多々見受けられ、その度に問題解決に余計な工数がとられることが多かった。

  • これらの問題を解決するために、「タスク管理ツールをJIRAを用いる形で共通化しよう」「各チームのタスク管理」っていう鶴の一声があがった。ため、今回VketWinterでJIRAを導入することとなった。

導入のためにやってみたこと

Vketの規模感を再確認

  • こちらをご覧になっている皆様で、過去Vketに参加されたことがある方は、Webサイトにスタッフクレジットがあるのをご存知でしょうか?
    こちらをご覧いただければわかるとおりで、その数100名を超える大勢の人が関わっております。

    1. https://event.vket.com/2023Winter/credit

    2. これらの人たちが、ワールドを作り、ギミックを作り、Webサイトを作り、入稿のためのツールを作り、ユーザーコミュニティと協力してイベントを作り、企業・IP・アーティスト各所様からの出展をいただいたり、協力をいただいたり、それによるプロモーション活動が行われたりと、多種多様なタスクを抱えて、日々こなしているということが実情となります。

  • また、ワールドの一覧はこちら

    1. https://event.vket.com/2023Winter/world

  • 上記のような情報のうち、企画段階でわかっている部分をPM/プロデューサーからヒアリングしたり、前回・前々回のVketを踏まえてある程度の規模感を把握します。

チーム体制を再確認

基本的には、以下のような構成になります。
※イメージ図なので、厳密には違ったり割愛してたり足りていない部分もあったりします。

チーム体制とVketでやることのイメージ図

作業者/各チームリーダーの使用感を考慮して環境を整える

上記のように、Vketは複数のチームが各担当項目ごとに発足しています。
JIRAでタスクを管理するにあたって、以下のようなニーズがありました。

  • VketのPMや、複数チームのディレクターに設定されているスタッフが、複数チームの作業状況・タスクのステータスが見えるようにしたい。

  • 作業者は、Trelloライクなカンバンボードのような形で「自分のチームのタスク」のみ見えるようにしたい。

    • 作業者が自分の作業に集中できるようにしたい。

これらを実現するにあたり、今回以下のような構成でJIRAプロジェクトを運用してみました。

JIRAプロジェクトの構成図
  • これらの体制を実現するために準備したこと

    • ワールド名/作業種類名などのチームを識別するためのコンポーネントを用意する。

    • ボード単位のイニシアチブ(最上位タスク)を作る。

      • 作業者・チームのディレクターレベルはボードだけ見ればいいようにしたい。イニシアチブ=ボードのため、ボードを管理できればイニシアチブを意識して管理する必要はなくなる

    • イニシアチブ配下に、必要な作業を大別したエピック(中規模タスク)を作成する。

      • ワールド制作なら、例えばグレーモデル作成/プロップ作成/BGM作成などなど

    • ボードのフィルター機能を用いて、コンポーネントで絞り込みを行う。

      • この状態で各ボードのタイムラインからタスクを作成すると指定したコンポーネントが設定された状態になる。

      • 作業者が意図してコンポーネントを設定する必要が無くなる

作業者/各チームリーダー使用感を考慮して使い方を説明する

今回は、以下の部分の説明を中心に行いました。

作業者向け

  • 各タスクの進捗をステータスを変更することで管理する

    • 未着手:作業者がまだ作業対応を行っていないタスク

    • 対応待ち:作業者以外の別の要因で作業が止まってしまうタスク

    • 作業中:作業者がその日作業を行っているタスク

    • レビュー中:作業者目線で作業が完了しているタスク。作業者の上長ないし作業依頼者が内容をチェックするタスク。

    • 完了:レビューが終わって作業が完了しているタスク

  • (必要に応じて)自分の作業に見合うコンポーネントを設定する

  • (必要に応じて)自分の作業に見合う課題種別に変更する

  • (必要に応じて)タスクの進捗状況をコメント欄に記入する

リーダー/ディレクター向け

  • 週次定例などの場で、以下のことを確認する

    • 今週のタスクの進捗状況の振り返り

    • 来週対応予定のタスクの整頓(バックログからボードへ移動させるなど)

  • 依頼する作業のタスク化の徹底

    • (理想的には)そのタスクを見ることで、作業者がどういった作業を行えば良いのかわかる。

    • (必要に応じて)優先度や期日を設定する

振り返り

まだ完全に振り返りができているわけではないのですが、ここまでの段階で臼井が認識している問題点を列挙していきます。

問題点

  • 説明を行った上で、実際に触ってもらうことの難しさ

    • 別のタスク管理ツールを過去使ったことがある人もいれば、今まで全く触ったことが無い(スプレッドシートなどで管理してた)人もいる。あくまで作業者であって、管理をする目線で使ったことがないという人もいれば、タスクを作る/タスクに進捗を反映するという行為自体を行うなら作業をするべきだろう(そこに工数をとられたくない)という人もいて、慣れないツールを使いたくない人もいました。多種多様な考え方がありました。そのうえで、今回JIRAを使うことに対して、理解を求めることが一番大変でした。

    • その抵抗感を減らすために様々な準備や整備を行ったものの、それでもまだ足りなかったり、タスク管理の自動化などを駆使すればもっと便利にできただろうと反省する部分が多々ありました。

  • 社内のドキュメント化が追いついていない

    • ここまでの整備をしたものの、具体的にどう思想や意図でこれをつくったのか、とか、こうすれば同じようにできるだとか、そういったドキュメント化・資料化が進んでおりません。これは本当に課題なので、このnoteを書き上げた後改めて整備を進めたいと思います。

良かった点

  • 社内全体に「タスク管理」「JIRAの使い方」について、考えてもらう機会が得られたこと

    • VketWinterだけではなく、他プロジェクトや、チーム単位でタスクを管理する・チームに対して作業依頼を受けるなど、業務フローを再検討いただくきっかけになったりもしました。その事自体がかなり大きい良かった点だと思っております。

  • 各チームでの作業進行について、より良い方法を考えてもらうきっかけになったこと。

今後のこと

今回は、あくまで基本的なJIRAの使い方をスタッフに周知させるために導入した。という意味合いが大きいです。リリース機能やGit Hubとの連携、自動化などまだまだ使いこなせていないJIRAの機能があります。
これらを駆使して、より効率的かつ、無駄な作業や手戻りを減らせるように、プロジェクトを進行できるように努めていきたいと思います。

おまけ

VketWinterで作られたタスクは、なんと 7500 を超えるそうです。
今回初導入だったこともあり、一部重複したタスクが切られたりもしているとは思います。
とはいえ、Vket はそれだけ大きなプロジェクトなんだなと数字的な意味で改めて実感しました。

明日のアドカレは

Vket CloudのUIについて ということで、 ねこバタさんによる記事です!

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