読書メモ「滅私」羽田圭介

この主人公、あんな事になってまで
「この方が良いはず」だって自分なりの
正論で突き進むのか..と思ったら..。

ミニマルも、持ちすぎることも
人それぞれの考え方、生き方。

自分にとって心地良い方を
選べば良いと思う。

物を減らす事が目的化している
登場人物たち。
そこで生じている歪み。
ぼんやりとした違和感。
それを的確に
言語化している部分が興味深かった。

客観的に見たら
なんでそんな事するの?と思うけれど。
人から見たら、自分にも少し
そんな部分があるのではないか。

減らした先に何がしたいのか?
実際には何もしないでしょう?
という
問い掛けにはギクリとさせられた。

整理整頓された部屋が好きな反面、
本が山積みになった机も
嫌いじゃない。
その相反する感覚は、どちらも大切にすれば
良いのだ、と思った。

結末に驚かされ、
最後まで読みきって良かった作品だった。

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