読書メモ「現代語訳 福翁自伝」福沢諭吉(齋藤孝 訳)
たいへん、面白かった。
福沢諭吉の堅固な知性を
嫌味に感じないのは、
自身の性質をよく理解した上での
信念と生き方、それを貫く姿勢によってだろう。
貧しい中でも勉学に徹底して取り組み、
自分の力で何事もこなせるように
物事と関わる姿勢の人だという印象を受けた。
後進の若者に対しても、
貴重な時間でお金を稼ぐのではなく
勉学することが大切だと考えていた。
福沢諭吉による自伝なので、
史実のポイントで福沢がどう感じ
考え捉えていたのかを知れて興味深い。
ただ真面目な話をしているだけではなく、
若い時の仲間との無茶にも思えるエピソードが
語られていて愉快だ。
福沢の人間像が見えて楽しく読み進められる。
福沢の自伝なので、ペリー来航の話などが
歴史上の出来事ではなく、
リアルタイムで経験した人の視点で
語られている部分も面白かった。
日頃の自分の振る舞いを点検する為に、
心に留め置きたい言葉が
たくさん残されている。
自分自身の心の持ち方、心掛けを
改めようと思わされた一冊だった。
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