読書メモ「現代語訳 福翁自伝」福沢諭吉(齋藤孝 訳)

たいへん、面白かった。

福沢諭吉の堅固な知性を 
嫌味に感じないのは、
自身の性質をよく理解した上での
信念と生き方、それを貫く姿勢によってだろう。

貧しい中でも勉学に徹底して取り組み、
自分の力で何事もこなせるように
物事と関わる姿勢の人だという印象を受けた。

後進の若者に対しても、
貴重な時間でお金を稼ぐのではなく
勉学することが大切だと考えていた。

福沢諭吉による自伝なので、
史実のポイントで福沢がどう感じ
考え捉えていたのかを知れて興味深い。

ただ真面目な話をしているだけではなく、
若い時の仲間との無茶にも思えるエピソードが
語られていて愉快だ。
福沢の人間像が見えて楽しく読み進められる。

福沢の自伝なので、ペリー来航の話などが
歴史上の出来事ではなく、
リアルタイムで経験した人の視点で
語られている部分も面白かった。

⚪︎人の空威張りは見苦しい
⚪︎人間が当たり前の事をしているのに、
 褒めるとか褒められないとは何のことだ
⭐︎貧富苦楽他人に頼らず自分自身で
 引き受ける
⭐︎一身の独立を重んじ、停滞しないように
 心の養生をする

日頃の自分の振る舞いを点検する為に、
心に留め置きたい言葉が
たくさん残されている。

自分自身の心の持ち方、心掛けを
改めようと思わされた一冊だった。


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