読書メモ「〈あの絵〉の前で」原田マハ
自分の隣にいる様な普通の人達の人生が、
アートを介在して人生を開いていくさま。
それを自分と重ね合わせて
感動して心が震わされる。
小説を読み、
誰かの人生を追体験する面白さを
知らせてくれた作品だ。
作家を目指す女性の物語と、
衝動に駆られて
直島に向かった女性の物語が
特に良かった。
直島の物語には、この作品全体を
象徴していると思われるシーンがあり、
印象深かった。
直島に行ってみて、主人公と同じ景色を
実際に見てみたいと思った。
自分も、この主人公と同じような
感銘を受け取ることができるのだろうか。
作中に絵画作品が出てくるのだが、
その絵画の描写が細かく。
見たことのないその絵が
思い浮かぶようだった。
短編集で、一作品ごとの濃度が高く、
興味深く読み進められた。
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