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ARKGの組み入れ上位銘柄について解説します

ARKGの組み入れ上位銘柄について解説します

どうもタルボットです。2020年も終わりに差し掛かってますが、みなさまどのようにお過ごしでしょうか?

今回ですが要望の多かったARK Genomic Revolution ETF(ARKG)の組み入れ銘柄上位10銘柄の概要について解説していきたいと思います。どうやら、ARKGに投資してみたいけどゲノム関連の企業が何をやっているのかさっぱり分からないという方が多いみたいですね。

私も財務などの分析は全然わかっていないものの、ゲノム関連についてはもともと研究を行っていたという背景もあり、少しはお役に立てるのかなと思っております。

この記事にはタルボット個人の見解が多数含まれます。内容に関して保証することはできません。本ブログの内容を利用する際にはご自身でも調べることをオススメいたします。

なるべく専門用語も噛み砕いて分かりやすく説明していきたいと思います!遺伝子治療などについては前回記事のリジェネクスバイオ(RGNX)でも解説していますので、こちらもよろしければ是非!

そもそも、ARKGとは?

ARKGの投資対象

私の理解ではARKGの投資対象は「ゲノムや遺伝子に関する技術をビジネスに取り入れ、人間のQOL(生活の質)を向上させることを目的とする企業」です。

このあたりはあまり難しく考えずに、「ゲノムとか遺伝子が関係するようなビジネスを行っている企業が組み入れられているのかな~」くらいで思っておけばいいと思います(実際は関係ない会社も入っていますw)。

混同しがちな「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」

ちなみに、「ゲノム」、「遺伝子」、「DNA」は似ていますが厳密には違うものですので、以下に定義を示しておきます(こんなこと言いながら私も混同しがちなので、適宜読み替えプリーズw。)

ゲノム・遺伝子・DNAの違い

DNA
化学物質の名前で、デオキシリボ核酸の略称、DNA自体は化学物質を指す

遺伝子
化学物質が意味のある順番で並んだ文字列で、それが生命を作る・起動するために必要な情報を含んでいるもの

ゲノム
その生物に含まれている、その生物を作るのに必要なすべてのDNAの情報

上記の定義で分かりにくいという方は以下のリンクをどうぞ!

ARKG組み入れ上位10銘柄(2020年12月24日時点)

今回はこちらの上位銘柄について解説していきますが、「MORGAN STANLEY GOVT INSTL 8035」については機関投資家向けのファンドでゲノムや遺伝子関係ないと思うので割愛します。

出典:ARK社HP

ARKGの直近1年の株価推移

ARKGのここ1年間、特にコロナショック後の成長率は目を見張るものがありますね。グロース株にとって優位な環境が続いているということは考慮に入れなくてはなりませんが、ゲノムや遺伝子を利用した分野は今後も発展していくことは間違いないので、期待はできますね!

出典:Google(ARKGの直近1年の株価)

パシフィック・バイオサイエンシズ(ティッカー:PACB)


パシフィック・バイオサイエンシズ(Pacific Biosciences)の事業とは?

では早速、組み入れ比率トップのパシフィック・バイオサイエンシズについて見ていきます。こちらの会社がやっていることはシンプルかと思います。簡単に言うと「ゲノム解析機器およびその消耗品の販売事業」です。

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

ゲノム解析とは?

ゲノム解析って何かというと、塩基配列を決定することです。みなさんを含め私たちヒトのDNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基から構成されています。こんなことを別に覚えなくても良いのですが、要するに

ATGGGTCTTTACGGGTAAGCTAGCTTTAGCAATGACAGACT・・・・・・・・・・・・・・・

などという並び方、つまり「A」「T」「G」「C」がどのように並んでいるのかを明らかにするのがゲノム解析というわけです(かなりざっくり説明)。

で、ヒトの場合この塩基が30億個(塩基は2つで1セットなので正確には30億塩基対)もあるのでめちゃくちゃ解析に時間がかかってしまうのです。その昔、ヒトゲノム計画などというヒトのゲノムの塩基配列を全て調べようという国家レベルのプロジェクトが存在し、莫大な予算が投じられていました。現在は解析技術の進歩により、解析にかかる時間は短く、お金は少なく、精度も格段に良くなっています

出典:パシフィック・バイオサイエンシズ投資家向け資料

ゲノム解析って何に活用できるの?

ここまで聞いて、「じゃあゲノム解析するとどんないいことがあるの?」という方もいると思いますので、以下に私の考えるゲノム解析の活用例を示します(私はヘルスケア領域が得意なので活用例がそちらに偏ってますが、実際にはヘルスケア領域以外でも農作物など色々な分野で活用できる可能性があります)。

ゲノム解析の活用例(ヘルスケア領域)

① 将来的にどんな病気になりやすいか予想することができる
太りやすい人や痩せやすい人がいるように、私たち1人1人が持つ遺伝子の違いにより、病気を発症するリスクも人によって大きく違います。現在の技術では正確に予想することができていませんが、AIなどの技術がこの分野が入ってくることで、今後精度が高まっていくことが考えられます(個人向けにゲノムの解析を行ってくれる会社はたくさんありますが、それぞれで病気のリスク表示はバラバラでまだまだ信用のおけるものではありません。論文などでも真逆の結論を出していることもある状態なので、仕方ないかなとは思います)。

② 薬の効きやすさや副作用が起こる可能性が事前にわかる
この分野もまだまだ発展途上ですが、薬の効き方が人によって異なる要因の1つは遺伝子であることは間違いありません。また、副作用についても同じことが言えます。

③ 遺伝子治療や再生医療に利用できる
次世代の医療である遺伝子治療や再生医療にゲノム情報が必要となってくるのは間違いありません。遺伝子治療のゲノム編集などは元のゲノムの配列が分かっていなければ編集することはできません。

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