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始めてる人たち。

2020年の1月18日にまるっと一日尼崎に用事があったので、夜は京都に宿泊して翌日は京都でゆっくりするという日曜日だったの。サラッと書いたけど、「京都でゆっくりする」って、大人っぽくない!!??

鴨川

というわけで晴天の大人っぽい鴨川を大人っぽくぷらぷら歩いて、それはもう気分が良かった。軽い用事ひとつのためのひとりのいちにち。何をいつ買い食いしてもいいし、イヤホンで何聴いてても聞き流しててもいいという日。

そんな日の軽い用事というのが『文学フリーマーケット』という、本を書くのが好きな人たちが作った本をフリマして、本を読むのが好きな人たちがウハウハ買いに来るみたいな催し。ずっとお会いしてみたかったお友達がこの日に出店してるっていうので、行ってきた。

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そのお友達のUNIさんはたいそう喜んでくれて、話も楽しげに聴いてくれたりして感じのいい人。本を読むのも書くのも好きで、書いたものをカタチにしてるのも普通に素敵なんだけど、読書会を主催して「場」を作ったりしてるのもカッコ良い。昨年『生理ちゃん』の劇場版公開の時期に、漫画『生理ちゃん』の読書会をして、漫画を切り口に生理についてオープンに語り合えたらいいねって企画をやってた。つってもご本人は別に“シャカイコーケン”とか“ケーモウカツドウ”とか、そういう大上段じゃあなくて、自分に無理なくできることをちょっとやってみて、それが人のちょっと役に立ってるみたいな。それくらいの温度感がいいなーと尊敬してる。

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そんなUNIさんたちの作品を買って読んでみた。面白いかどうかは正直よくわかんない。老眼になってから本読んでない「読書筋」のなさが情けないなぁ。僕は本を読む時、頭の中で音読しないと読めないのが読むの遅い理由でもあるんだけど、UNIさんの文章は頭の中で音読してると、話の筋はよくわかんないけど、文章が音楽になって聴こえるような文体だなって気がする。

文体といえば僕がいちばん好きな文章書きは森下くるみという人なんだけど、その人の低体温な切れ味のいい文体が僕は好き。カンフーに例えるとブルース・リー。じゃあUNIさんの文章をカンフーに例えると、ジャッキー・チェンになるんだな。そういう感じでそれもそれで好き。それでいくと僕はドニー・イェンのカンフーみたいな文章が書ける人になりたいな。どういう文章がドニー・イェンか知らんけど。

そういえば僕もこのたび初めて映画についての文章を仕事として書くことになった。小さな仕事の小さな一歩だけど、この歳になってからの新しい一歩って嬉しいものだ。それを喜べる余裕ができるのが歳をとることの良さなのかもしれない。

その仕事の取材というテイで前日の尼崎があったんだけど、そこで出会った演者さんのひとりに、コスプレイヤをやってる方がいた。アニメとかゲームもなのかな、そういうキャラクタのコスプレをして、それをちゃんと撮影して、またそれをちゃんと写真集にしてツイッタで販売してるって人だった。自分の「好き」をちゃんとカタチにしてて、話をしててもしっかりしてるというか、凛としていてカッコ良い人だった。

本を好きな人が本をたくさん読む。映画を好きな人が映画をたくさん観る。コスプレの好きな人が好きなキャラをコスプレする。「自分の中だけで完結する趣味」を楽しんだり追究するのはとっても素晴らしいこと。

でも、それらをもう少し外に進めて、好きをカタチにして何かを「始めてる人」を最近の僕はカッコ良いなぁと思って、憧れてる。




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