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サングラスをかけたライオン 5/5 あとがき

あとがき

この作品を読んでいただきありがとうございます。
楽しんでいただけたならうれしいです。
多くの方から「このあとどうなるの?」「続編はないの?」と聞かれますが、今のところまだ続編はありません。いつか書けたらと思っています。

興味を持っていただいた方のために、この作品の背景について少し。
この物語は、私が14才のときに書いたものです。
「サングラスをかけたライオン」というタイトルだけ決めて、あとは何も考えずにいきなり書き始めました。そういう遊びを当時はよくしていました。
そして、当時から「ミステリ仕立ての、大人向けの童話」として書いていました。

それまでも長編を含めたくさんの物語を書き、クラブ誌に載せたりしていました。
しかし多くはわりと伝統的な起承転結の型に沿ったもので、そういうスタイルに限界を感じ始めていました。
それを打ち破りたいと思って、これまでにない実験的なスタイルで書いてみたものです。

直接のきっかけになったのは、ポール・オースターの「幽霊たち」を読んだことでした。
基本、本は図書館で借りる派でしたが、新聞の書評を読んで「これは面白そう!」と感じ、わざわざ電車に乗って買いにいきました。
読んでみると、スタイルの斬新さや、謎がさいごまで解明されずに終わってしまうカフカ的な不条理さが衝撃的で、「私もこういうの書いてみたい!」と思ったのです。

オースターの「幽霊たち」が、いわば縦糸として別の作品、ソローの<ウォールデン>を織り込んで書かれたように、私も<緋色の研究>を織り込みました。
シャーロック・ホームズ全集に夢中になっていたのは、9才の頃。
クラスメートの友達と、「どう思う、ワトソン君?」ってやっていたものです。

こうしてなんとか最後まで書き上げたものの、当時は自分であまりいいと思えませんでした。
「失敗だったかな」と思って引出しにしまい込み、そのままずっと忘れていました。
大人になってから、部屋の整理をしていて偶然見つけ、読み返してみたら「何これ面白い!」ってなりました。まわりの人たちにも好評でした。

それ以来、紙の本やブログにて発表してきました。
さらに多くの方に読んでいただけたらと思い、このたび挿絵も増やし、章立てもつけて、あらたにnoteにて発表することに。
小さなトザエモの物語が、どうぞ皆さんに愛されますように。

まだまだたくさんの物語や、その他の文筆作品がありますので、これから少しずつ発表していきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

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