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アートの探索遠足#010:メールによる鑑賞ワークショップ

こんにちは、臼井隆志です。今日はアートの探索遠足のお知らせをします。

2020年1月より、毎月末の土曜日に、ある時間に集まって対話型鑑賞を行うイベントを開催してきました。今回は、年末になってしまうこともあり、ZOOMなどで同期しないオンラインワークショップの可能性を検討したいと思っています。手段として(本当は手紙を使いたいところですが)メールを使ってみます。名付けて「書簡工房」です。

12月から1月中旬にかけて、3回に分けてぼくからみなさんにメールを送ります。そのメールに書かれたワークをやってみてください。返信の期限を設けさせていただきますが、オーバーしても構いません。

パブロ・ピカソになっていくワークショップ

今回は、パブロ・ピカソの作品をつかったワークをつくってみました。MoMAの膨大なアーカイブのなかから、二つの作品を鑑賞します。

https://www.moma.org/artists/4609

活動は4つの段階に分かれます。

最初に申し込みメールを送ってください。

次に、「ディスクリプティング」のワークがあります。ある作品を鑑賞し、そこに書かれているものを具体的に書き出してみる、というワークをしてもらいます。このとき、参加者のみなさんには二種類の作品を送ります。二つの作品をみられる人がいない状態でワークをしていただきます。(2020/12/26(土)から一通目のメールをお送りします

次に、「虚体験」のワークを行います。みなさんから送っていただいた言葉をモチーフに、「ピカソになってみて、新しい作品を作ってみる」というシナリオの音声ガイドをぼくがつくります。その音声ガイドを聞いて思い浮かんだものを描いてみていただきたいと思っています。(2021/1/4(月)から二通目のメールをお送りします)

最後のワークは、リフレクションです。「ピカソになって何をしたのか」「そこでしたことを通じて、どんな気持ちになったのか?」といった感想を書いて送ってもらいます。(2021/1/11(月)から三通目のメールをお送りします)

最後のワークが終わったら、みなさんから送っていただいた「ディスクリプティング」のテキスト、虚体験を通じてつくった作品、リフレクションのコメントなどをレポートしたいと思います。

なぜメールによるワークショップか?

なぜ、メールでのワークショップをやってみたいと考えたかというと、「休日の同じ時間にZOOMにログインする」という振る舞いがハードルに感じられたからです。たとえば、ぼくもそうですが、子育て中の方は、パートナーに子どもを預けたりして時間を調整しなければなりません。他の予定との調整も工面しなければなりません。

しかし、メールや音声であれば、好きな時間にワークにログインすることができます。

ワークショップの形式として、学校のように一斉に始まって終わる「時間割型」と、公園のようにいつでも参加でき、自分の好きなタイミングで活動をやめていい「ドロップイン型」の大きく分けて二つの種類があります。オンラインでは「時間割型」が先行しており、「ドロップイン型」のワークがないと感じていました。

そこで、今回はメールと音声という、いつ見てもいいし、いつ聞いてもいいようなメディアを用いて、オンライン上で「ドロップイン型」のワークショップを実験したいと考えたのです。

参考:寺山修司『書簡演劇』、「触発のU理論」

また、今回やってみた一つの工夫として、寺山修司の「書簡演劇」を参考にし、ちょっとした演劇のようなかたちを意識してつくりました。ぼくが戯曲のようなものを書いています。初挑戦ではないですが、久々なので楽しくなっています。

同時に「触発のU理論モデル」の左側、「他者の作品を鑑賞し、模倣し、他者の世界に棲み込んでみる」という部分をワークショップとして経験可能なものにすることを試みています。

触発のU理論.001

参加方法

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