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アーティストをロールモデルとする学習方法

9/20(月・祝)10:00~ アーティストトレースのイベントを開催します。

アーティストトレースは、アーティストのキャリアを読み解き、仕事や生活へのヒントを生み出すワークショップです。作品を対話しながら鑑賞し、フレームワークを用いてキャリアを読み解くワークをおこないます。ビジネスパーソンがアーティストから学ぶ、その接続回路をつくりだすことがこのプロジェクトの目的です。

アーティストは、日々の暮らしや興味の探求のなかから問いを見つけ、仕事を通して社会に投げかけていきます。私たちはたとえアーティストとして仕事をしていなかったとしても、アーティストのように問いをもった生き方/仕事の仕方ができるはずです。

「社会を揺るがすほどの大きな問いをつくる力こそが創造力」である、というわけではありません。また創造性は一部の天才だけが、天からの啓司によってふとひらめくものでもありません。日々の小さな探索・発見・驚きの積み重ねのなかから生み出されるものです。私たちも、アーティストをロールモデルに、小さな問いをもって探索し、何かを作ってみることを通じて、小さな創造性の芽をはぐくんでいけるはずです。

『創造するエキスパートたち アーティストと創作ビジョン』(横地早和子著)によれば、「興味」というものがアーティストの「創作ビジョン」(創作活動をオーガナイズする共通のテーマ)の萌芽的要素であるといいます。

興味とは、ある対象に特別な注意を向けたり、惹きつけられたりする状態のことです。アーティストが自然や生き物、あるいは社会現象や人の行動などに興味をひきつけられ、調べたり手を動かしたりしているうちに、新しい表現のアイデアやモチーフを発見するきっかけになることがあります。

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アーティストは、自分が属する「領域(美術・音楽・ファッション・映画など)」において、新たな作品を、その領域に根付いていた知をズラし、「変種」として作り出すことを目指します。その際、変種を生み出す誘因のひとつが、興味にもとづく探索です。

このとき、ビジネスパーソンにとって、自分が属する領域とは何でしょうか。ビジネスパーソンにとっての「作品」とは何でしょうか。その作品が、既存の知をズラした「変種」でありえるとき、その領域とは関係のない、興味・関心・趣味領域から影響を受けている場合があります。

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たとえば、ぼく自身はワークショップデザインという領域を自分が属するものと捉えています。そのなかで「メールによるワークショップ」という新しい作品をつくってみました。子育てに疲れ、ZOOMなどで同期することに疲弊していたぼくは、寺山修司について調べていた時に「書簡演劇」という方法に出会い、友達とのメッセージのやりとりに救われていた経験を思い出し、メールでワークショップをやってみようと考えました。これはワークショップデザインというドメインにおける小さな変種だったと思います。

寺山修司について探索していたことと、自分の本来の領域とが接続することで、何か新しいアイデアが芽生える。そのアイデアを実際に試してみることでイノベーションに近づいていくかもしれない。

アーティストトレースは、こうした新たな「興味」の対象としてアーティストのキャリアをトレースすることで、あなたのキャリアや仕事を新しくゆりうごかすことを目指しています。ワークショップに是非ご参加ください。

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