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ケアの世界に沈む ー「カイロス的時間」と「多孔的身体」

こんばんは、臼井隆志です。アートの探索マガジンを更新します。

今日は「ケアの経験」について、『ケアの倫理とエンパワメント』を参照しながら書きます。

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ケア理論を探究する、ということを誓って1ヶ月。

引っ越しもあってあまり本を読めていなかったが、思い立って『ケアの倫理とエンパワメント』を買った。パラパラとページを捲るなかで、とある経験と本に書かれていることが結びついた。それは息子の夜泣きに苛立っているときの経験だった。

火曜日の夜、引っ越してちょうど1週間が経った。千温が眠れない、といって、夜泣きを続けた。

耳をつんざくような泣き声、全身の皮膚がズル剥けそうな苛立ち

引っ越しの疲れと仕事の忙しさも相まってぼくの疲労もピークに達していたこともあり、その対応は過酷だった。眠れない苦しみから千温がおぞましい泣き声をあげるたびに、耳をつんざかれ、全身の皮膚がズルむけて逆立つほどに、猛烈に苛立った。

何分抱っこをしただろうか。むずがる息子に苛立ちながら、深呼吸をし、なぜ苛立っているのかを考えた。その背後には、やり残した仕事をさしおいて寝かしつけをしているのになぜ寝ないのか、いい加減にしてほしい、という気持ちがあった。

そう気づいたとき、ふいに、『マザリング 現代の母なる場所』で書かれていた「資本主義社会のクロノス的時間」「子どもとの、ぬるぬるした神話的な時間」という言葉を思い出した。

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