飛距離と方向性

ゴルフに於いて常に討論の対象になる飛距離と方向性

飛ぶが有利か、安定が有利か。

先の全米オープンの結果からすると、デシャンボーの優勝によってフェアウェーキープよりも、誰よりも飛ばし、少しでもグリーンに近づけ、短い番手で打てることが勝利につながった様な印象になる。

2位のマシューウルフも飛距離は出るほうだ。

上位の選手を見ても比較的距離の出る選手が多い。

この様な傾向は以前から分かっていた事で、タイガーウッズがツアーに出て来た頃からタイガーの飛距離にその頃のコースが合って無く、ハザードを全て超えて行ってしまい、ハザードの意味を成さないと言われた。その為コース改造をせざるを得なくなった。

コースを難しくする事だけならいくらでも出来る。距離を長くし、フェアウェーを狭くし、ラフを長く、グリーンを硬く、13フィートぐらいまで早くしてしまえばどんなプロでもアンダーパーでは回れなくなってくる。

それも有りかもしれないが、観ている方がつまらない。プロが四苦八苦し、イライラしながらプレーする姿に感動など覚えない。

となると現代ゴルフでは圧倒的に飛距離が有利になる。

世界ランク50以内には方向安定性の選手もいるが、それでも300y近くは飛ばせる。280y位で勝てる選手もいるが、相当ゴルフが上手い。ゴルフが上手いとは欠点がない事だ。どんな選手でも苦手分野が存在する。苦手が無く全ての分野に於いてレベルが高く飛距離をカバーできる。しかしこの様な選手はほとんどいない。

安定してフェアウェーをキープ出来たとしたら、セカンドショットは多少楽にはなるが、どんどんコースが伸びていく中でセカンドの距離も長くなる、ロングアイアンやユーティリティを振らされるので流石に精度は悪くなる。

なので飛距離に特化した選手が有利になる。

さらに重要な事がある。

それはパワーだ。

実は飛距離とパワーほ比例しない。

細くて華奢な選手でも飛距離のでる選手は存在するし、その逆もいる。

中学生や高校生の様にパワーが無くても、スピードが有りゴルフクラブを早く振れる人はいる。

飛距離が出てもラフに入った時にパワーが無いと飛ばせない。女子プロで距離の出る選手はいてもラフが深いと飛ばせない。

現代ゴルフはスピードや技術で飛距離が出てもまだ足りない。

パワーで飛距離を出さないといけない。

PGAトーナメントプレーヤー                        石塚 義将

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