自転車小屋の色に関するアレコレ

些細なことで議論が長引くことを「bikeshed(自転車小屋)」と呼ぶことがある。FreeBSDの1999年ごろのメーリングリストでも議論になったようで、このようなページがある。

Why should I care what color the bikeshed is? The really, really short answer is that you should not. The somewhat longer answer is that just because you are capable of building a bikeshed does not mean you should stop others from building one just because you do not like the color they plan to paint it.

自転車置き場の色が気に入らないからと言って、中止することはない。いきなり自転車置き場の話が出てきて、なんのことやらとなるが、メーリングリストで交わされた議論が引用されている。

Parkinson shows how you can go into the board of directors and get approval for building a multi-million or even billion dollar atomic power plant, but if you want to build a bike shed you will be tangled up in endless discussions.

パーキンソンは英国政府を観察し「仕事の量は、与えられた時間をすべて満たすまで増える」などの法則を発見した人だが、そのパーキンソンが「原子力発電所のことは誰もわからないから議論にならないが、その原子力発電所の自転車置場のことだったら議論できるから、永遠に議論してしまうよね」という話を紹介しており、FreeBSDの中でも、まさにそれが起きていたようだ。

The thing which have triggered me this time is the "sleep(1) should do fractional seconds" thread, which have pestered our lives for many days now, it's probably already a couple of weeks, I can't even be bothered to check.

このメールの全文を紹介した、その名もbikeshed.comというサイトがあり、きっかけとなったのはsleepについてだった。これに非整数を渡したときの動きについて何週間もかかったという。

ところで、このメールの締めは意外なところに落ち着く。とにかくbikeshedに議論には疲れるから、メールソフトに「このメールを読むのに何人もの人が時間を割くけど、それでも送信する?」といったポップアップを実装しようというものだ。

個人的には「会議に出席したら何か発言しないといけない」と刷り込まれ、自分の存在感を示すためだけに、自分が理解できる些細なところを発言する参加メンバーに対し、無理して存在感を示さなくていいんだよと教えてあげることだろうか。


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