ウソダラケヒミツガール
これまでに書いた小説を纏めました。
茜差す窓辺にて あの頃、私にとって図書館は世界で最も心躍る場所だった。 自動ドアを潜って中に入ると、そこは本の城だ。 本しかない、本を読む為だけの場所。 図書館は私が通う中等学校と同じ通りに在った。学校帰りにそこに寄るのが私の日課だった。 向かって左側に在るカウンターに行くと司書のフリーダさんが暇そうに本を読んでいた。 「今日も暇そうですね」 「毎日飽きずに良く来るねぇ」 フリーダさんは私を一瞥すると、すぐに本に視線を戻した。 「卒業までに此処の本、全部読みた