新年の誓い

もう残りの人生で、誰も呪わないって言ったの、あれうそだから。
今でも毎日、めいいっぱい呪っているから。
嫌いな人のことを考えて時間を無駄にするのやめよう、って言われても、やめられないから。いつかどこかで、失敗したり苦労したりどん底になればいいのにっていつも呪っているから。

もう一緒の将来考えるのやめようって言って、こっぴどく遠ざけておきながらいけしゃあしゃあとまた近づいてきて、ご飯作ってくれて、海も一緒に行って、一緒に仕事して一緒に寝たくせに、おずおずと「子供産まれたからしばらく職場行かない」ってメールしてきたの、なんなのあれ。
先週たしか一緒に寝たよねえ。
でも今日子供産まれたって、なんなのあれ。

事業を立て直すのにあなたの力が要るのって熱く語ってきて、客観的な目線が必要で、それをあなたはもってて、絶対いい管理者になれるからってじょうずに騙して、会社に囲い込んで、自分のものになった瞬間に小間使いみたいにあれこれいいつけ始めて、「客観的目線で」改善点を指摘したのに、会社のことを知りもしないであれこれ言わないでって、なんなのそれ。
だめな現場にそまらないでほしいって言ったよねえ。
でもだめな現場で慣習に従えって、なんなのそれ。

呪いの言葉はいくらでも出てくる。

家庭が崩壊すればいいのに。
会社が傾けばいいのに。

ほんとうに、いくらでも出てくる。呪いの言葉。
奥さんが妊娠してた間、なんかいも裏切ってたのがばれるといいのに。健康を崩せばいいのに。仕事で失敗すればいいのに。
労働基準監督署から監査が入ればいいのに。
従業員に告発されればいいのに。
わたしが味わった悔しさや苦しみを、おなじだけかそれ以上味わえばいいのに。

でももしその呪いが叶ったとして、私がそれを知る術がないし、私に大金が転がり込むわけでもないからやっぱり呪いの言葉をずっと考えているのは無駄な時間だ。

呪いのことを考え出したら、100円どこかに寄付しよう。
1日のうち、1回でも呪いの言葉を頭に浮かべたら、いくばくかの現金を手放すことにしよう。呪うのをやめられないうちは、手元からお金がどんどん減っていくことにしよう。

それを、新年の誓いにしよう。

ありがとうございますはげみになります 生活の足しに・・