結局、SEALDsは何がしたかったの?

デモ参加者が老人ばかりだったことは、知ってるから別に良いんだけど。

この記事を読んでも、結局SEALDsは何をしたかったのかがサッパリ見えてこないんですよね。

SEALDsの目的の一丁目一番地は、たしか安保法案を阻止することだったはず。

でも、記事を読んでも、そんなこと全然出てこない。

記事内を「安保」で検索してみても

「解散後は、自分たちの生活圏で運動を切りひらいていくことが求められると考えるようになり、2017年春に学内で『社会科学研究会』を立ち上げました。安保法案以外の、たとえば地元の課題なども扱う必要があると感じていたからです。立ち上げ当時は10人くらいで学習会やシンポジウムを開いていました」
「今は、埼玉県の学校で国語科の教諭をしています。安保法案の一件を通して、とことん本を読むくせがつきました。安保法案の問題は、自衛権だけではなく、憲法や教育にもつながります。教育のあり方や理念などを土台に据え、考えながら学校という場で働くのは楽しいです」

これだけしかない。しかもいきなり1つ目で「安保法案以外」の話をしちゃってる。まるで安保法案なんぞどうでもよかったかのようだ。

2つ目は「安保法案の一件を通して」と言ってるだけで、相変わらず安保法案の中身に対する言及がない。3つ目でようやく「安保法案の問題は」と来て、やっと私が聞きたかったことが読めると思いきや「憲法や教育にもつながります」と、これまた肩透かし。いや、安保法案の問題について語ってほしいのですが。

私にはどうも、彼らが安保法案について語りたくないか、あるいは語れるだけの知識がないように思えて仕方ないのです。1960年代の安保闘争でも、日米安保条約の中身を知らずに暴れていた学生が大勢いたそうですし。

実は、安保法案に触れている箇所がもう1か所あります。それは冒頭のこの部分。

「当時は大学3回生。ゼミが始まり、戦時の障害者の待遇などについて学んでいました。そこに安全保障関連法の話が出てきて、1人でデモに行くようになりました。7月の衆院での強行採決に問題意識を持ち、『ここで何もしなくていいのか』と思いました」

ここでは「安全保障関連法」とフォーマルな呼び方をしていたので「安保」では検索にひっかかりませんでした。しかし、ここでも「安保法案が出てきて、1人でデモに行くようになった」「強行採決に問題意識を持った」と語っているだけで、相変わらず安保法案の中身に対する言及はありません。

結局、彼らは安保法案の何に対して問題意識を持ったのか、は、ついぞ分からず終い。まあ、どうせ「徴兵制になる」「アメリカの戦争に参加させられる」みたいな、赤い大人がどっかで騒いでた与太話を真に受けただけでしょうから、わざわざ聞くまでもないって言ったらそれまでなんですが、それにしても、これほどまでに安保法案の中身に言及しないのは、ただひたすら違和感しかありません。

このような、若者の生活とは何の関係もなく、若者が考えるべき政治イシューからはもっとも遠いところにある安保法案について「緊急行動」を起こそうとも、若者が付いてくるはずがないというのは、ちょっと考えればわかりそうなことですが、それを「学生は時間的にも金銭的にも余裕がないのは大きいと思います」と、まるで自分達には原因がないかのように語るのはダメでしょう。もちろん、学生が時間的にも金銭的にも余裕がないというのは事実でしょうけど、それだけが理由なはずがないです。安保法案なんて、半世紀前に若者だった人たち以外は喜ばなさそうなイシューを掲げたこと自体がそもそもの間違いだった、と私は思います。

私は、こういう目的や解決策を語らず、ひたすら「若者が」とか「声を挙げる」とか、お気持ちばかり強調する話法が大嫌いです。まるで、何ら解決策を示さないまま「話し合おう」「仲よくしよう」と猫なで声ですり寄ってくるどっかの国の大統領みたいで気持ち悪い。お気持ちアピールは要らないんだよ。キモい。



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