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ナオミの手を取り、ハバとマイムで Dance! Dance! Dance!

イスラエルにいい思いではない。といってもイスラエル国家ではなく、イスラエルのエル・アル航空。エル・アル航空が悪いわけではないが、搭乗時のセキュリティチェックが恐ろしく厳しい。

ユダヤ人国家であるイスラエルが周辺のアラブ系国家と対立していることもあり、さらに過去にハイジャックやテロの目標とされたことから予防措置として厳重なセキュリティチェックを必要とし、他の航空会社より早い3~4時間前のチェックインが推奨されている。

これを「面倒」と考えるか、「世界で最も安全な航空会社」ととらえるかは利用者次第。


参考資料 

エル・アル航空426便ハイジャック事件


筆者が初めてエルアル航空を利用したのは1990年代で、当時は爆発物検査(※)といった機械はなく、すべてが口頭&目視チェック。機内持ち込みの手荷物のみならず、スーツケースも開梱を要求されて中身すべてを検査された記憶がある。

※爆発物検査については「隊長、爆発物です!」を参照


まずは第一関門。エルアル航空のカウンターで搭乗手続き。職員からスーツケースを開けるよう要求され、中の品をすべてチェックされる。

「これは何?」
「この箱の中には何が入っているの?」
「このビンの中身は?蓋をあけて手のひらに出してみて」

まるで嫁をいびる姑のような質問攻め。

「友人・知人・他人から預かった荷物はありませんか?」
「荷物は自分で詰めましたか?」
「そのときそばに誰かいませんでしたか?」
「荷物にはカギをかけていましたか?」
「カギは誰が持っていましたか?」
「合鍵はありませんか?」
「空港に到着するまでに荷物から目を離した瞬間はありませんか?」

最後の質問に

「タクシーのドライバーがトランクに荷物を・・・そのときに目を離した」

と正直に言おうものなら小姑(上司?)が登場し、更なる質問攻めにあうことになる。地元の人から事前に注意を受けていたので事なきを得たが、最悪の場合は「搭乗をキャンセルするか、スーツケースを放棄してください」


搭乗手続きが無事終了しても、第二・第三の関門が存在する。セキュリティチェックではスーツケース同様手荷物すべてを開封チェックされ、出国審査では質問攻めの第二ラウンドが始まる。

「イスラエルには何日滞在しました?」
「お友達がいるのですか?」
「チケットは誰が手配を?」
「日本人なのに、どうして最終目的地がアメリカなの?」
「他人から預かった荷物はありませんか?」


もっともこれは30年も前の話。今はここまで厳しくなく、チェックイン時にスーツケースを開ける必要はない。爆発物検査の機器の発展や、TSAロックの登場のおかげであろう。

エルアル航空のヨアフ・ワイス氏も、インタビューで以下のように応えている。

「世界中のすべての空港において、出発の3時間前にはチェックインを済ませるよう求めている。それは、我々がすべてにおいて安全性を最優先しているからであって、世界最高レベルの安全を確保するための取り組みと理解していただきたい。

他社と違う点としては、チェックインの際に専門のセキュリティチームがすべての搭乗客に簡単なインタビューを実施していることが挙げられる。しかしそれ以降のチェックインの手続きについては、他の航空会社と変わりはない。荷物検査に関しても、独自のスクリーニング技術を用いるなど工夫をしているが、搭乗客にとっては通常の荷物検査と変わるところはない」


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前置きが長くなったが今回のテーマはイスラエル。英語で書けばISRAEL。

地中海に面する中東の国で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされている。ゆえにトラブルの元になっているのだが・・・宗教の話はパス。筆者は無神論者です。

イスラエルについては「見所いっぱい」「食べ物がおいしい」という思い出はたくさんあるが、音楽に関しては何の記憶もない。唯一思い浮かべるのは現地での体験ではなく、子供の頃に耳にした「ナオミの夢」。wikipediaによれば


1970年開催の世界47ヶ国の代表が出場した第1回東京国際歌謡音楽祭(後の世界歌謡祭)でグランプリを受賞し、イスラエルと日本において有名になった。東京国際歌謡音楽祭でグランプリに輝いたため急遽レコード会社が発売を決め、帰国直前の2人を引き止めほとんど意味を教えずに日本語の歌詞を覚えさせて1週間そこそこで日本語版をレコーディングした


という、恐ろしい生い立ちを持つ曲である。



ナオミの夢 (日本語版)



ANI HOLEM AL NAOMI (ヘブライ語版)


言うまでもないが「NAOMI」は尚美でも直美でもなく、聖書に登場する女性の名。英語圏ではよくある名前である。

その他に馴染みがある曲といえばこれ。日本人で知らない人はいないはず。


個人的には「マイム・マイム」よりも「ハバナギラ(Hava Nagila)」で踊りたい。ウクライナとルーマニアにまたがるブコビナ地方の民謡を元にしたイスラエル舞曲で、ユダヤ教徒の結婚式や成人式などで演奏される。


Hava Nagila でダンスもいいけど、歌としても聞くのもオススメ。ボブ・ディラン版の Hava Nagila もあるけど、ハリー・ベラフォンテ版がベストだと思っている。筆者とHava Ngilaの出会いもアメリカで聞いたこの一曲だった。


Hava Nagila (Live) · Harry Belafonte


ヘブライ語「Hava Nagila」の意味は、「喜ぼう」。歌詞を訳せば「喜ぼう、歌って幸せになろう、幸せと共に目覚めよう」といった感じらしい。

簡単な歌詞の繰り返しなのでカラオケで是非歌って欲しい。異性に大モテ・・・とはいかないだろうが、注目を浴びることは保障する。


Hava nagila, hava nagila
Hava nagila ve-nis'mecha

Hava neranena, hava neranena
Hava neranena venis'mecha

Uru, uru achim
Uru achim belev same'ach


この3つの繰り返し。簡単です。

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