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パンクしたから車を捨てる?

読売新聞オンラインより
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210807-OYT1T50230/
東京都世田谷区を走行中の小田急線の電車内で、乗客が刃物で切られるなどして重軽傷を負った事件で、警視庁は7日、川崎市多摩区西生田、職業不詳、対馬悠介容疑者(36)を殺人未遂容疑で逮捕した。けが人は20~50歳代の乗客の男女10人。対馬容疑者は調べに容疑を認め、「誰でもよかった」と供述している。

この記事を見て真っ先に思ったこと。もしwebmasterがこの場に居合わせたら即座に110番し、

「刃物を持った男が暴れています。ケガ人多数あり。手元にある傘をつかってこの犯人をボコッてもいいですか?剣道の達人ではありませんが、犯人が使用しているのは小型の刃物なのでワンチャン犯人をノックダウンできます」

警察からOKが出れば間違いなくやっていたと思う。警察の許可を求める理由は以前書いたこれだが、実際には110番することなくボコッていたと思う。バッティグスタイルでフルスイングでもいいし、フェンシングスタイルで突くことも出来る。

もちろん「手元に傘など、刃物に対抗しうる武器がある」「相手との体格差から、こちらが有利である」という条件が整っていれば話だが・・・

「走って逃げ切れる」ならまだしも、「黙って刺される」という選択肢はwebmasterには存在しない。出来る・出来ないは別として、「自分の身は自分で守る」という心構えは誰しも持つべき。どんなに非力な人であっても、我が子が暴漢に襲われていれば身を挺して守るでしょ?それと同じです。

「男なら暴漢を見たら逃げずに戦え!」といっているのではない。まず自分の安全を第一に考え、その次に何が出来るかを考え、選択して「行動しろ」と言っている。その「選択・行動」がwebmsterの場合はたまたま「戦う」だっただけのこと。


よく見ると、この記事には続報があった。


読売新聞オンラインより
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210807-OYT1T50238/
小田急線の車内で乗客10人が刃物で切られるなどして重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳の対馬悠介容疑者(36)(川崎市多摩区西生田)が、車両内にサラダ油をまき、ライターで火をつけていたことが警視庁幹部への取材でわかった。燃え広がらなかったが、警視庁は無差別殺傷を狙った疑いがあるとみている。

この記事を見てふと思った。

「この容疑者、サラダ油をまいて火を点ければ電車内が地獄絵図と化すと思っていたのか?乙4を持っていなくても、常識的にわかりそうなものだが・・・」

ちなみに乙4とは正式には「乙種第4類危険物取扱資格」のことだが、ここでは甲種・乙種すべての危険物取り扱資格の意味で使っている。

消防法で定められる各種危険物の引火点は以下の通り。ちなみに引火点とは「物質が揮発して空気と可燃性の混合物を作ることができる最低温度」のことで、この温度以下では点火源(裸火、火花など)があっても引火しない。

ガソリン             -40℃
灯油                   40℃
メタノール(燃料・工業用アルコール) 11℃
エタノール(酒・消毒液などの主成分) 13℃
食用油            種類にもよるが、250℃以上

注)エタノールの引火点は13℃だが、これは純度100%のエタノールの場合。飲料用アルコールの度数は5%(一般的なビール)~45%(ウイスキー等)なので、常温ではまず引火しない。ウォッカなどの度数が高いアルコールならば常温でも火がつくことがあるが、あくまでも「燃える」であってガソリンのように爆発的な燃焼はしない。


乙4を持っていなくても普段から料理をする人であれば、「常温のサラダ油は燃えない」ことぐらい経験上知っている。おそらくこの容疑者、料理をしたことがないのだろう。サラダ油がガソリンのように燃えると思っている人が、フライパンで目玉焼きを作れるとは思えない。

料理をしたことがない。包丁を使ったことがない。刃物を使ったことがない。のこぎりを使ったことがない。家にドライバーがない。金槌(トンカチ)や釘がない。ヘンチにニッパー、プライヤー?何それ?

平成世代の若者には当たり前かもしれないが、昭和世代のwebmasterからすれば不思議でならない。今は小中学校の授業で教えないのだろうか。刃物の扱い方よりも、PC操作やプログラミングの方が優先されている?それで生きていけるのか?


包丁?カット野菜を使うからいりません。
なべ?スーパーやコンビニでお惣菜を買うから必要ありません。
炊飯器?パックご飯とレンジがあるから不要です。
やかん?電気ポットがあります。
家具が壊れた?新しいのを買います。
自転車のタイヤが磨り減った。前後輪交換すると工賃含めて6千円?だったらホームセンターで新品のママチャリを買ったほうがお徳です。


確かにそうかもしれない。そのほうがお手軽で無駄がなく、便利なのかもしれない。モヤモヤするのはwebmasterが貧乏性だからだろう。アラブの石油王でなくても、そこそこのお金さえあれば「石油王並の便利な生活」ができる。それが現代のニッポンといえる。


Time is money. お金で買えるサービスを利用して何が悪い。経済はそうやって回っている。確かにその通り。でも、それでいいのか?


最近の新車はほとんどスペアタイヤを搭載していない。パンクに対しては応急修理セットや、JAFなどのロードサービス使用が前提になっている。これがさらに進化し、

「パンクしたから廃車にした」

という時代が来るのかもしれない。笑い話ではない。EV化が進み、タイヤの耐久性も上がれば車だってテレビやエアコン・冷蔵庫のような「完全メンテナンスフリー」「壊れたら買い換える」耐久消費財になってもおかしくない。




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