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ポケモン金銀とかいう謎の名作について語る

ポケモン赤緑(青、ピカチュウ)に続き、シリーズ2作目となった金銀。
詳細なことを書いていくと字数が相当なことになりそうなので、
端折りながらサクサクと書いていきます。

発売も楽しみにしていたし、実際買ってもらってプレイしていたときも本当に楽しかったソフト。友達と一緒に交換したりバトルしたり、攻略スピードを競ったり、楽しみ尽くしました。

で、ふと振り返るとこのゲーム、謎が多くて。

【新シリーズなのに、新ポケモンの存在感が薄い】
これなんですよ。

パッケージが伝説のホウオウそしてルギア、
最初にもらえるチコリータ、ヒノアラシ、ワニノコ
ここだけ見てると新作って感じしますよね。

でも、ジムリーダーの使用ポケモンは…
①ポッポ、ピジョン
②トランセル、コクーン、ストライク
③ピッピ、★ミルタンク
④ゴース、ゴースト×2、ゲンガー
⑤オコリザル、ニョロボン
⑥コイル×2、★ハガネール
⑦パウワウ、ジュゴン、★イノムー
⑧ハクリュー×3、★キングドラ

★が金銀で初登場したポケモンです。
少ないですよね。
その分、みんなのトラウマでもある「アカネのミルタンク」などは
金銀を象徴する思い出になっている部分もあるかとは思いますが。

ポケモンの他のシリーズを色々プレイすると、新ポケモンを
ジムリーダーや一般トレーナーが出してきて、
「なんだこのポケモン!?どこでゲットできるの?」という
出会いを楽しむ要素って結構多いと思うんですが、
金銀においては、「新ポケモンを頑張って探し出して、無理やり使う」
という「努力や工夫」がトレーナーに求められていた気がします。
普通に意識せず進めていくと、「最初のパートナーの進化系+初代ポケモン」みたいなパーティで冒険が進んでいくわけですね。

気になった方は、金銀(ジョウト)ポケモンの一覧を見てみてください。
ポケモンGOのプレイヤーは図鑑からすぐに見られます。
個性的というか、尖ったポケモンが多い印象ですよね、9世代になった今も進化しない金銀ポケモン結構いますし。

あくまで、シナリオをクリアするという点での使いやすさという条件ですが、
いわゆる「旅パ」の中で、使えそうな新ポケモンといえば

(御三家)、クロバット、ランターン、デンリュウ、エーフィ、ブラッキー、ハガネール、ヘラクロス、イノムー、※ヘルガー、キングドラ、※バンギラス
※は四天王クリア後しかゲット不可

ぐらいですよね。
いや、上に載ってないポケモンを好きだから使ってたっていう方もいらっしゃるかとは思います。そこを否定する意図もありません。
が、やっぱり少ないし、入手手段が凝ったポケモンが多いなという印象です。
初代からの新進化ポケモンは、「レベルアップでの進化にしてしまうと前作との整合性が取れない」という制約もありますが、「なつき度(クロバット、エーフィ、ブラッキー、ハピナス)」「アイテム持たせて交換(ニョロトノ、ヤドキング、ハガネール、ハッサム、キングドラ、ポリゴン2)」「新アイテム(たいようのいし:キレイハナ)」という、裏を返せば「初見で普通にプレイしていると進化できない」ということでもあります。

実際に、当時プレイしていた小学生の僕は、エーフィの存在は知っていて(相手トレーナーが使っていたし)、進化させたいなと思って「あっ新しく『たいようのいし』ってアイテムがあるぞ、これを使うんだろうな!あれ?使えない?持たせて交換?あれあれ?」みたいなことを繰り返した結果、進化できずにイーブイレベル58とかになっていた記憶があります。

今は、発売日から攻略サイトが整備されて、ネタバレが気にならないタイプであれば気になることは無料でその場で調べられるんですけど、当時は攻略本を買えなければ友達との情報交換の中でしかそういった情報を手に入れられなかったんですよね。

今振り返ると
「新ポケモン、使いたい人は頑張って使えばいい」
「基本的には初代ポケモン+御三家+αで冒険してね」
というような作りに見えてきます。

もっと言えば、目玉であるはずの新タイプ「あく」「はがね」についても、意図的に隠してたんじゃないか、ぐらいの影の薄さです。
いや、一時期対戦ガチ勢だった時期あるので、金銀でガチパを組めばフォレトスやエアームドたちが環境に入ってくることは知っていますが、ジョウト地方を冒険する上では、あくはがねタイプのポケモン、新ポケモンの入る余地はほとんどない気がします。

僕が強調しておきたいのは
「だからダメ、駄作」
ということではなく、全く逆で
「新ポケ実質いないという要素がありながらも、名作」
って本当にすごいなって思うんですよ。

思い出してください。
ジョウト地方、新ポケモンの舞台!って言いながらも
「マダツボミの塔」だし「ヤドンの井戸」ですよ。
「つながりの洞窟」で金曜日だけ聞こえる謎の声、の正体はラプラス。
ひかるポケモン(いわゆる色違い)はギャラドス。
チャンピオンのワタルの切り札はカイリュー。

徹底して、赤緑の世界観じゃないですか。
極めつけは裏ボスのレッド。エーフィ以外はピカチュウ、カビゴン、フシギバナ、リザードン、カメックス。

金銀の四天王を倒した後のカントー地方の冒険は、初代からプレイしていたトレーナーには懐かしいサプライズで、美しいアレンジBGMを聴きながら思い出の地を巡り、強くなったジムリーダーと戦い、そしてデルビルやヤミカラスなどをゲットし、本当にワクワクする時間でした。

ここまで書いていて感じたこととしては、
ポケモン金銀は、形式的には新シリーズでありながらも、基本路線としては「続編を待っていてくれた初代トレーナーへのお礼であり、ご褒美」なんじゃないか、ということです。

だから「舞台はジョウト地方だけど、自分が使うのも対戦する相手も初代ポケモンが多い」というバランスに、意図して持って行ったのではないかという仮説です。じゃないと、商業的なことを考えるならばもっと新ポケモンにスポットライトを当てた方が良いに決まってます(グッズの売れ行きとかも含めて)。

実際、ルビー・サファイア以降の新シリーズにおいては、ジムリーダーや野生出現など、かなり新登場のポケモンに比重を置いて作られていることがプレイしているとわかります。

金銀なんて、序盤で簡単に野生で手に入る(そして終盤まである程度戦力になる)新ポケモンなんて御三家を除けばデンリュウくらいじゃないですか?
当時のコロコロコミックなどでフィーチャーされていた新ポケモンはデンリュウの他にはマリルやブルー(当初名前と絵が逆に紐づけられていて混乱した)、トゲピーやピチュー、ヤドキングなどだったように記憶していますが、いずれも「異常に出現率が低い(通常プレイしている中ではまず出会わない)」「卵を孵化させる必要がある」「特殊進化(前述)」など、入手が難しいというか、メインターゲットのひとつであった一般小中学生向けじゃないんですよね、どう考えても。

大人になった僕が「よし、今度のプレイでは完全新ポケモン縛りでやるか」って一大決心して、でも交換で別データから持ってくるのとかは邪道なので、ひたすら1本1本ずつきを繰り返して「当たり」の木を探し当ててヘラクロスをゲットし、釣り竿でチョンチーを釣って、アイテムめちゃくちゃ使ってバトルで瀕死になったらリセットしてなつき度を何とか上げてエーフィに進化させて、それでも同じタイミングで一緒にプレイしている友達がいなければ(大抵いない)キングドラもハガネールも使えない、そんなゲームなんです。
「シリーズの新ポケだけ使って冒険する」難易度がおそらくポケモンシリーズの中で最も高いゲームだと個人的には思います。
でも好き。

完全に余談ですが、金銀のゲームソフトが入っていた箱の裏、皆さん覚えてますか?


今思えば問題ありありだ

謎その①
新しいシナリオ・マップで「新しいポケモンが続々登場!!」
↑ここまで読んでくださった方は、ん?って思うはずです。
新しいポケモン、続々登場しているか?まぁオタチやホーホー、イトマルレディバなど確かに出てきてはいますね(彼らが重要なポジションを占めているかは置いといて)

謎その②
右上の戦闘画面を見てください。
細かい数字が見えづらいですが

相手 マリル :レベル4
自分 ピチュー:レベル3

こんなの見たら、序盤から新ポケモン同士のバトルできるように見えるじゃないですか。
でも、実際はピチュー(孵化のみで入手可能)の最低ゲットレベルは5で、マリルもレベル15前後の普通にプレイしているだけでは近づかない洞窟の奥で、しかも低出現率です。

つまり、パッケージといういわば「商品の顔」に、実際のプレイではありえないシーンの画像が堂々と掲載されているわけです。

いわゆる「優良誤認表示」としてアウトなのでは??って思うんですけど、おおらかな時代だったのでしょう。

繰り返しになりますが、僕は金銀を批判しているつもりは全くありません。
むしろ、他シリーズと比較したときのダークな世界観(ライバルが完全な悪党、というか窃盗したり主人公を開始5分で数コマ蹴り飛ばしたりする犯罪者である)や、ロケット団が暗躍したり残党がいたりする世界が本当に大好きです。
このリメイクであるハートゴールド・ソウルシルバーも金銀の良さをそのまま残しその上に良い部分を積み上げた名作だと思います。

時折、最初のジム前後のくさむらでレベル4のマリルをゲットしたり、ロケット団幹部のヘルガーを倒した後の道路で野生デルビルをゲットして次のジムに向かって育成したり…などの妄想をすることはありますが、それはそれ。

あの仕様だったからこそ
「レッドを倒してもまだ進化できない僕のイーブイ」や学校で「昨日俺『ムウマ』っていうポケモン見つけたぜ!」と大興奮しながら語っていた友人(確かにクラスの誰もがその時点でまだ知らないポケモンだった)があったわけで、誰が何と言おうと間違いなくポケモン金銀は名作だったわけです。

個人的には、金銀ポケモンの中ではキングドラが一番好きでしたね。
かっこいいし強いし弱点少ないし、何より入手するのが難しい。
大げさですが、キングドラこそ金銀を象徴するポケモンなんじゃないかなぁと思って、筆を置きます。
お付き合いいただきありがとうございました。
ではまた。

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