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NAHAマラソン2023
2023年12月3日にNAHAマラソンを走ってきた。
今年最後のマラソンが終わったので、ここで振り返りをしておきたいと思う。
故障について
6月に左足裏を故障してから6か月弱。
ここまで痛みを引きずることになるとは思ってもいなかった。
北海道マラソンも金沢マラソンもファンランとなってしまったため、せめてNAHAマラソンは万全の状態で走りたかったが、走りながら治すというのは難しいもので、なかなか思うようにはいかなかった。
それでも、時間の経過とともに良くなっていく実感はあり、それはハーフマラソンやフルマラソンを走った後でも同じだった。
ただ、蹴ることができないため、上り坂に対しての不安は大きかった。
NAHAマラソンのコースは特にアップダウンが多いと聞いていたので、それによってどれだけのロスが出るのかが不安要素だった。
飛行機トラブル
今回苦労したのは、故障だけではなかった。
大会前日の土曜日に羽田空港から那覇空港へ飛ぶ際に、朝イチの飛行機に乗る予定だったのだが、空港でのトラブルにより予定していた飛行機に乗ることができなかった。
朝イチで沖縄に飛ぶはずだったのに、保安検査をパスできず羽田空港で足止め。前途多難過ぎる。#NAHAマラソン
— 牛山純一 / USHIYAMA Junichi (@jun1ushiyama) December 1, 2023
別の便に振替となったわけだが、午後もしくは夕方発になるということで、スケジュールに差し支えるため、振替便をキャンセルして新規で航空券を取り直して那覇へ向かうことにした。
当日の航空券はびっくりするほど高かったが、お金はこんなときの不幸を回避するために使うものだ。
さて、約1時間遅れで羽田空港を出発したわけだが、那覇空港に到着すると同時に機内放送で呼ばれることになる。
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何かあったのかと思えば、今度は預けた手荷物が到着していないとのこと。
那覇空港に到着。
— 牛山純一 / USHIYAMA Junichi (@jun1ushiyama) December 2, 2023
今度は手荷物が羽田空港で足止め。
いよいよダメかもしれん。
喉が渇いてきた。 pic.twitter.com/eYBtk5mFjS
マラソンのときはいつも、シューズとユニフォーム、ナンバーカード引換券だけは機内に持ち込むようにしているのだが、よりによって今回は預けてしまっていた。
手荷物の輸送は早くても翌日、もしくは翌々日になるということで、NAHAマラソンはファンランになることを覚悟した。
「覚悟」とは、聞こえの良い「諦め」である。
いろいろとトラブル続きで交感神経が活発になっていたのか、この日は頭痛と腹痛がひどかった。
寒冷地から温暖なところに来たというのもあるのかもしれない。喉が渇いて水分をいつも以上に摂っていたし、食欲も一体どうしたのだろうかというくらい無かった。
不安が相当大きかったのだと思う。
しかし、航空会社さんとのやり取りの中で、なんとか夕方の便で手荷物を輸送していただけることになった。
一生のうちに一度あるかないかの事故だったけれど、なんとか今日のうちに手荷物を回収することができた。本当にありがたい。#ロストバゲージ pic.twitter.com/0Z7G2du0xU
— 牛山純一 / USHIYAMA Junichi (@jun1ushiyama) December 2, 2023
荷物が那覇空港に届いて、受け取りに行ったのが午後5時半頃だった。
今回のトラブルでたくさんの方々にご心配をおかけしたと思う。SNSでも、多くの人にいろいろ気遣っていただいて本当にありがたかった。
私は、いつもなら目標を宣言することはほとんどないのだが、今回は一緒に行ったメンバーに夕食後のミーティングのときに「優勝を目指す」と宣言した。
これは、優勝して今回の不幸を全てをチャラにして、笑い話にでもしてやろうと思ったからだ。
前日の準備のこと
那覇に向かう飛行機の中で、スペシャルドリンクが置けることを知った。
なんとこの大会、大規模レースにも関わらず当日受付で誰でもスペシャルドリンクを置くことができるのだ。
NAHAマラソンは気温が高くなることが想定されるため、スペシャルドリンクがあると心強い。
今回、準備をしてこなかったことや、日中バタバタしていたこともあり、たまたま身近にあったもので間に合わせた。
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ボトルはペットボトルにガムテープを巻いただけだが、意外と悪くない。
中身は阿蘇の天然水、シンプルイズベストだ。
なお、南アルプスの天然水は沖縄では手に入らないそうだ。
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そして、今回のビブナンバーは17。
自分より速い人が16人くらいいるのかもしれないと思うとゾッとした。
17は好きな番号の1つで、それは大谷翔平の背番号というのもあるけれど、都道府県対抗駅伝の長野県のナンバーだからだ。
あと、素数というのも粋だと思う。
レース序盤(12kmくらいまで)
作戦というほどではないけれど、今回はハーフを過ぎるくらいまでは集団の後方で走ろうと思っていた。
自分自身の状態がイマイチ掴めていなかったからだ。
そのためスタートの整列も一番前というわけではなく、やや後方からだった。
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NAHAマラソンのスタートは9時。
スタートというとピストルの音を思い浮かべるが、NAHAマラソンのそれは予想外のものだった。
第37回那覇マラソン
— 【公式】沖縄ツーリスト OTS (@ots_okinawa) December 3, 2023
万国津梁之鐘の音で
スタートしました。
みなさん〜頑張って〜🤩#那覇マラソン#那覇マラソン2023#万国津梁之鐘 pic.twitter.com/hYhe9Jjcit
「ボーーーン!」という鐘の音によって、マラソンがスタートするのだった。
万国津梁之鐘というそうだが、あまりにも意外過ぎて驚きのあまり何が起きたのかよく分からなかった。
スタートすると600mくらいで、先頭集団に追いついた。
そこでおとなしくしていればいいものを、勢いよく追い上げてきたこともあってか、そのまま先頭に出てしまった。
思っていたよりも走りが軽かったというのもあるが、沿道にたくさんの応援が出ていたこともあって、気持ちが上がったのだと思う。
気付いたら、先頭を走っていた。
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序盤は先頭集団が2,3人くらいだったと思うが、気が付いたときには2人になっていた。
レース序盤はアップダウンがあったが、それは思っていたものよりも緩やかなものだったため、それほど苦しむことはなかった。
途中、沖縄県が誇るマラソンランナーの濱崎達規さんらしき人を沿道で見つけた。応援に反応するほどの時間的余裕は無かったけれど、とても嬉しかった。
レース中盤(12kmから30kmくらいまで)
12kmを過ぎたあたりで、ギアがハマってきたのか少しペースが上がってきた。
それと同時に先頭は1人になり、ここからは一人旅となった。
日頃から1人でトレーニングをすることが多いからなのか、単独走になったときに力を発揮できるようになっているのかもしれない。
暑さも思っていたよりも気にならなかった。例年より涼しく、走りやすかったようだ。
スペシャルドリンクは、数ある中からちゃんと見つけられるか心配だったが、ボランティアスタッフさんがナンバーを見て、手渡ししてくれたため、全て回収することができた。
ハーフの通過タイムが1時間9分20秒くらいだったので、後半下りが多いことも踏まえると2時間20分くらいで走れるかなと思った。
レース終盤(30kmからFINISHまで)
30kmまでは順調だった。
脚の違和感こそあったが、うまくごまかしながら走ってきた。
ただ、後ろとどのぐらい差があるのかが全く分からず、実はすぐ後ろにいたなんてことがあったらどうしようとヒヤヒヤしながら走っていた。
30kmあたりで沿道のおじいさんが「後ろと400mだぞ」と言うのが聞こえた。
その情報がどれだけ信憑性があるのかはさておき、400mしかないのかというのが本音だった。
30kmを過ぎると流石にペースが落ちてきた。今回長い距離を走るトレーニングをほとんどやっていなかったというのが大きい。
脚の違和感を庇ってきたからなのか、反対側の脚の疲れも出てきていた。
相変わらず後ろとの差が気になるが、振り向いても運営の車がいて見えない。
35kmくらいで沿道のおじいさんが「30秒以上はあいてるぞ」と教えてくれたが、これがもし30秒だったらかなり危うい。
レース終盤はずっとヒヤヒヤしながら、気が抜けない状態だった。
40kmくらいまできて、ようやく後ろがいないことを確信したが、それだけ余裕も無かった。
最後に、奥武山公園に入ってくると、嬉しい気持ちが込み上げてきた。
久しぶりにトップでフィニッシュすることができた。
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タイムは、2時間22分11秒。
その後、すぐにインタビューとなった。大きな紙コップを持ちながら何を話したのかはあまり覚えていない。
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また、優勝者に渡された花冠がすごくキレイで、那覇らしさを感じた。
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完走メダルとトロフィーは琉球ガラス。
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そんなところも、那覇らしさが伝わってきた。
BTRCのこと
今回、BTRCというチームの方にとてもお世話になった。
BTRCは、Break Through Running Clubの略称で、弁慶さんという方が主宰する沖縄のランニングクラブである。
今回、荷物を置かせていただいたり、慰労会にも参加させていただくなど、いろんな場面でお世話になった。
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そんなわけで、ランシャツにBTRCのワッペンを付けて走ったのだが、もう少し上に付ければ良かったなと後悔している。
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それにしても、もう少しキリっとした顔はできないのかと言いたい。
走った後のこと
花冠をかぶって歩いていると、たくさんの人に声をかけられた。
NAHAマラソンを優勝するとこんなにすごいのかと思うほどで、まるでアイドルになったかのようにいろんな人と写真を撮った。
もちろん、ギャルも寄ってきた。
沖縄の人はイケメンや美女が多く、ボランティアの高校球児たちもみんなイケメンだった。
ただ、そんな彼らはこけしのような顔をした人が好みだと言っていた。
無いものねだりということだ。
他にも、歩いているとビールや焼きそばをもらった。
「え、いいの?」と、思うほどだった。
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表彰式は、こんな感じで写真撮影。
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ボーダーのシャツは、たまにパジャマと間違えられる。
この際言っておくが、これはランニングウェアである。
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右のキャラクターは完走メダルのデザインにもなっていて、NAHAマラソンマスコットキャラクター「なはっぴー」というそうだ。
左の犬みたいなのは、とりあえず来ましたというような顔をしているけど、どういうキャラクターなのかは分からない。誰か知っていたら教えて欲しい。
最後に
今回、泊まったホテルはロワジールホテル那覇というところで、とても綺麗なところだった。
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青いLEDの光がリゾートの雰囲気を醸し出している。
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噴水とライトアップが非日常を教えてくれている。
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外は曇っていたが、海なし県の長野県民からすると絶景以外の何物でもない。
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ツインルームで2泊だったので、1泊目と2泊目を別々のベッドで寝るという贅沢な使い方ができたのかもしれない。
食べるものも、空気も、景色も、温泉も全てが異世界で、マラソン以外でも楽しめた。
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あいにく大会翌日は大雨だったので、朝ランや散策はできなかったのだが、国際通りで買い物をしたり、空港でステーキを食べたり、それはそれで満喫することができた。
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那覇空港ではアイスを食べていないことに気付き、ブルーシールアイスを食べることにした。
ブルーシールは羽田空港にも長野県にもあるのだが、やはり沖縄で食べた方が美味しい気がした。
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気のせいであることは言うまでもないが、どんなことでも気持ちが大事である。というわけで気合いのマンゴーを選択。
帰りは遅延こそあったものの、無事に飛行機に乗ることができた。
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空から見る夕暮れが、旅の終わりを告げるようだった。
寒いところに帰るのはツライけれど、茅野のピリッとした澄んだ空気も意外と好きなので、またいろいろと鍛え直したい。
もう一度NAHAマラソンを走る機会があったら、今度は万全な状態でスタート地点に立ちたいし、あわよくば2時間20分を切りたいと思う。
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