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近道、最短が最速とは限らない

ここ数年のスピードトレーニングの内容を振り返ってみると、

2017年までは1000m、2018年は2000m、2019年は1600mのインターバル走を中心に組み立てていたように思う。

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2018年に、インターバル走の距離を1000mから2000mに伸ばした理由は、1000mは勢いだけで走れてしまうことや、苦しくなる前に終わってしまうこと、より実戦と同じ状況(ペースや距離等)に近づけることだった。

つまり、1000mよりも2000mの方が効果的なトレーニングと思ったからである。

また、2019年にインターバル走の距離を、2000mから1600mに短くした理由は、トレーニングをする上でのメンタル的な負担軽減と、質の向上だった。

これも、2000mより1600mの方が効果的なトレーニングだと思ったからである。

以上を踏まえると、私にとっては、

1000mよりも2000mよりも、1600mが効果的なトレーニング

ということになる。

結果として見れば、2019年はいろんな種目で自己ベストを更新することができたので、このアプローチは自分にとっては良かったということだと思う。

ただ、この結果だけを聞いて、他の人が1000mや2000mのインターバル走を経験せずに、1600mのインターバル走をやったとしても、うまくいくかは分からない。

それは、1600mという距離が「合う/合わない」という問題ではなく、

「1000mや2000mのインターバル走」よりもさらに効果的なトレーニングというのは、「1000mや2000mのインターバル走」を積み重ねてきた人にとっての効果的なトレーニングであって、「1000mや2000mのインターバル走」をやらずに済まそうとしてる人には、たいした効果をもたらさないからだ。

「近道」「最短」が、「最速」「効率」に繋がるとは限らないのだ。

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例えば、より強い力を出すときに、勢いをつけるために「反動をつける」ことがある。

「反動」を使うときの軌道というのは、違う方向に遠回りすることで勢いをつけているので、最短距離ではない。

ボールを投げるときも、ランナーの腕振りも、最短の軌道が最速を生み出すとは思えない。

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シューズにしても、いろんなシューズを履いてみて試行錯誤した上で選んだシューズで走るランナーと、そのランナーが選んだ結果を基にして、同じシューズを選んで走るランナーとでは、そのシューズの使いこなし方も違ってくるだろう。

「最短距離」「すぐに」を求めても、「最速」は得られるとは限らない。

「ちょっと抑える」ことで、「速く」そして「早く」なることもある。

集団の中から「前」に行きたければ、「後」を使う。

スピードを「上げる」ために、「減速」する。

「直線」よりも「曲線」を使う。

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「直球」では勝てない相手には、「変化球」でかわしていく。

あらゆるシチュエーションにおいて、「回り道」「曲線」を使うことは、可能性を広げてくれると思う。

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最後に、イタリアのエンジニア、Giorgio Campiottiも「2つの点の最速ルートは直線とは限らない」と言っている。

大事なことは、加速すること。
遠回りが、最速となる1つの例である。

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