防府読売マラソン2019

今回、防府読売マラソンを走るため、山口県防府市まで出かけてきた。 

茅野市(長野県)から防府市(山口県)は遠い。

空路(羽田空港→山口宇部空港)で行っても、陸路(特急しなの→東海道・山陽新幹線)で行っても、移動時間はどちらも7時間くらい。 

ならば、コスト的に有利な陸路を選択するのがセオリーである。 

というわけで、今回久しぶりに新幹線に乗ることになった。 

名古屋駅に来るのは、1年ぶりだったが、新幹線に乗るのは、実に15年ぶり。 

2004年の出雲駅伝のとき以来である。
(そのときは、台風の影響で飛行機が飛ばなかったため) 

今回マラソンを走るのと同じくらい、新幹線に乗るのが楽しみだったというのは秘密にしておきたいと思う。 

新幹線に乗ると、とにかく速い。 

風の谷のナウシカで、物語の終盤にナウシカが、酸の湖へ向かうときに、ミトが操縦する分解寸前の全速力のガンシップと同じような音がしていた。 

京都、大阪があっという間に過ぎてしまうものだから、余裕をかましていたのだが、岡山から先が長かった。 

恐るべし、トンネルだらけの中国地方・・・ 

防府駅に到着したのは、14時半過ぎだった。 

「防府」と書いて、公式の読みは「ほうふ」であるが、防府駅に着くと「ぼーふー、ぼーふー」と言っていた。 

どうやら、現地の人は「ぼうふ」と言うそうだ、なんて紛らわしいんだろう。 

防府駅では、途中から合流したお友達とカフェでコーヒーを飲んで解散した。 

受付(ナンバーカードの引換え)に行く前に、今夜の宿泊先である旅館行くことにした。 

防府駅から徒歩5分、そんなに遠くはなかったので、すぐに到着した。 

しかし、ここは営業しているのだろうかという不穏な空気に包まれていた。 

まるで、おばあちゃんの家である。 

どうして、この旅館を選んだかというと、 

この日の防府市内のビジネスホテルの宿泊費は高騰しており(1泊16,000円くらい)、少し離れている山口市内に泊まることも考えたが、やはり不便だと思い、防府旅館組合に登録されている旅館に片っ端から電話して問い合わせたところ、この旅館が空いていたというわけだ。 

宿泊費は、4,320円(素泊まり)と格安で、口コミは「アットホームな旅館」と書かれていた。 

アットホーム過ぎて何も言えない。 

客室は無駄に広くて、畳と見せかけてゴザが敷かれていた。 

この日のお客さんはどうやら3人のようで、全てマラソンランナーだと言う。 

意外のこういうのは嫌いではないので、楽しめそうだった。 

旅館に荷物を置いて、受付会場のソルトアリーナへ。 

無事に受付を完了。 

長距離移動の疲れなのか、頭痛がひどかった。 

一旦旅館に戻って仮眠を取ろうと思ったが、なかなか寝れない。 

布団に入って休んでいると、おばあさんがやってきて、粗品のボールペンをくれた。

とにかく、おばあさんの出没率が高い。 

夕飯は、ペースメーカーの桃澤選手と合流して吉野家へ行くことにした。

山口県まで来て、吉野家かと思いつつも、信頼と実績の吉野家は外せなかった。 

なぜか、牛すき鍋膳が出てくるまでに、20分くらいかかるというハプニング、おそらくネギを収穫に行っていたのだろう。 

旅館に戻って、お風呂に入ろうと試みたが、お湯が出なかったため断念。 

そのため、旅館内を探検することにした。 

とにかく旅館のインパクトが強すぎた。 

ただ、幸いにもアットホームという表現が適切なのかは分からないが、よく眠れたと思う。 

さて、レース当日。 

今回、ここまで来たのは、やはり自己ベスト(2:19:21)の更新、そして、願わくば2時間17分台くらいで走りたいと言う気持ちが強かった。 

ただ、その割にレースプランは未定で、出たとこ勝負でいこうと思っていた。 

少しくらいハイペースでも、松本マラソンよりは走りやすいコースだろうし、コンディションもいいだろうと。 

しかし、思ったよりも、集団のペースは速かった。 

5kmを15分17秒で通過して、7km過ぎたあたりから集団から離されていく。
ついていけないわけではないのだが、このままだと破綻すると言う感覚が先行した。 

ここで、少しペースを落としたこともあって、走りを立て直すことができた。
ちょうど同じくらいのタイミングで、集団から離れたランナーがいたので、一緒に走らせてもらった。 

13kmくらいまで一緒に走らせてもらったが、少しずつペースは落ちていた。 

そこに、後方から集団がやってきたので、その集団についていくことにした。 

しばらくは、その集団の中で走っていたのだが、中間点を通過したあたりから苦しくなってきた。 

中間点の通過は66分54秒、私の中でもこれは速い方だ。 

集団に堪えてついていくこともできたのかもしれないが、ここで無理をしても破綻しそうだった。 

ここからは単独走、ペースをコントロールすると言うよりは、失速をなるべく最小限に抑えるような走りだった。 

余裕はもちろん無かった。 

30kmの手前で折返しポイントがあり、そこからはたくさんのランナーとすれ違った。 

私の名前を呼んでくれるランナーがたくさんいた。 

正直その声が力になったと思う。 

レースは終盤、そこまで大きなペースダウンはなく走っていたのだが、いよいよラスト3kmくらいから、身体が動かなくなってきた。 

身体が重くて動かない。 

もう少しでゴール、あと10分くらい頑張ればいいだけなのに、現状のペースを維持できない。 

撃墜されて煙を出しながら飛んでいる飛行機みたいだった。 

最後、競技場に入っても走りは切り替わらず、そのままゴールへ。 

タイムは2時間19分11秒。 

辛うじて、自己ベストは更新したものの、わずか10秒。

目指していたところよりも遥かに遅いタイムだった。 

それでも、これが今の自分の実力。
次に繋がらないわけではないので、しっかり受け止めたいと思う。 

思っていたよりも暑かったのか、ゴール後にもらったスポーツドリンクは一瞬で飲み干してしまった。 

それだけでなく、1リットルくらいのドリンクを飲んだと思う。 

引換券でもらったうどんも食べて、それでもまだまだ身体は乾いていたので、よっぽど水分を失っていたのだと思う。 

さて、走った後は急いで着替えて、防府駅へ。 

15時58分発の電車に乗らなければ、その日のうちに茅野市(自宅)に帰ることができないのだ。 

お家に帰るまでがマラソンである。 

ただ、大急ぎで準備をした甲斐もあって、防府駅には15時半頃に到着。 

身体が熱かったので、防府駅でアイスコーヒー(ラージ)を飲んで電車に乗り込んだのだが、やはり一瞬で飲み干してしまった。 

その後、新幹線に乗り換える徳山駅でも、セブンコーヒー(ラージ)を飲んだ。 

とにかく、身体が水分を求めていた。 

あまりにも、身体が火照っていたので、徳山駅内のセブンでアイシングを試みたが、まさかのアイスクリームを取り扱っていないという痛恨。 

しかし、最後まで望みは捨ててはいけない。 

新幹線の車内販売でアイシングをすることに成功した。 

さすがは、700系のぞみ号!! 

あとは、名古屋駅で特急しなのに乗り換えて、長野県へ。 

塩尻駅での最後の乗り換えで50分待ち&10分遅れというハプニングもあったが、23時過ぎには無事に茅野駅に帰ってくることができた。

ほとんど観光も無く、マラソンを走るだけになってしまったが、無事に防府まで行ってくることができて良かったと思っている。

そして今回いまひとつだったタイムは、次回への課題として、この冬のトレーニングのモチベーションにしたいと思う。


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