おっさん斬れ

目の前のオッサンを斬り捨てろ!!

入社一年目のぼくへ。

きみにどうしても伝えたいことがある。

結論からいうと、目の前のオッサンをとにかく斬り捨てろということだ。

何を言ってるか分からないかもしれないが、とりあえず聞いてほしい。

これからきみは、とある工場に入社する。

工業高校3年間、必死に勉強して、やっと手に入れた内定。

クラス内でも給与面・福利厚生の面で、かなり有利な条件だったはずだ。

おまけに、高校在学中に車の免許もとり、今まさにウハウハで幸せの絶頂期なことだろう。

しかし、入社してからのきみは、とある一つの問題にぶちあたる。

それは、オッサンという人種に侵食されてしまうことだ。

まず気をつけるべきなのが、直属の上司として付き合うことになるイシイちゃんだ。

やつは価値観の押しつけがひどいだけでなく、とにかく息が臭い。

缶コーヒーの飲み過ぎが原因なのか、カップ麺の食べ過ぎなのか。原因はわからないけど、とにかく吐く息が下水道の匂いがする。

なので、できることなら常にマスクをしておくことだ。花粉症キャラ、病弱キャラを演じてでも、マスク着用をオススメする。

次に、飲み会というクソみたいなイベントが毎月1回必ずある。

大きなやつだと、お花見、社員旅行、納会、新年会などがある。

きみはお酒に弱く、飲むとすぐに吐く。

なので、極力飲まないようにしてほしい。

まぁ、飲まないようにしても飲まされると思うので、応急処置として次の策を授けよう。

まず、気分が悪いふりをして、ちょくちょくトイレに行け。

そして、指を喉の奥のほうに突っ込み、吐け。あますことなく、吐け。

吐けば余計に頭が痛くなって、顔も青ざめていく。全身プルプル震えるし、演技でなく「体調不良」になれる。

この強制体調不良を武器にして、1次会が終わったらそそくさと店をあとにしろ。お金がかかってもいいので、タクシーに乗り込んで自宅を目指せ。

そして、ケータイの電源は切っておけ。電源を切っておけばオッサン共から呼び戻されることはないので、安全だ。

翌日、もし「ケータイの電源入れとけよ」とオッサンから言われたら、とりあえず上辺だけ謝っておけば大丈夫だ。問題ない。

最後に。

君は「石の上にも3年」という思い込みを大事にして、入社して3年間我慢してオッサンどもと付き合うことだろう。

そして、退職しようとするきみを、オッサンどもは必死で止めに来る。

しかし、そんなオッサンどもの言葉に耳を貸すな。無視しろ。

オッサンどもが口にする「辞めるのはいつでもできる。辞めたら後悔するぞ」という脅しは、全部ハッタリだ。

会社を辞めたことない人間が、なぜ会社を辞めたあとの後悔を語ることができるのか。冷静に考えれば分かることだ。

身に降りかかるオッサンどもの言葉は、全て焼き払え。

入社一年目のぼくへ。

時代遅れのオッサンどもは、全て斬り捨てろ。

そして、オッサンどもの屍を越えていけ。

きみの未来は、オッサンどもを捨てた瞬間から始まるのだから。

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