日本の米作りの未来：過去から学び、今を見つめる

1. 黄金時代の新潟県魚沼産米

日本一と称された新潟県魚沼産米。その背後には、1反あたり4万円の肥料投入が可能だった時代の背景がある。この時代、1俵の米が6万円で取引され、品質と収量の両面で最高水準を誇っていた。

2. 政府買い上げ制度と米農家の繁栄

かつて政府買い上げ制度により、1俵あたり2.5〜3万円の安定した価格が保証されていた。その結果、2〜3町を耕作する専門農家は、安定した生活を送ることができた。

3. 米価の急落と農家の苦境

米価が1俵2.5〜3万円から1.2〜1.4万円に下落する中、25年間で農家の経営環境は大きく変わった。補助金なしでは経営が困難となり、多くの農家が経済的に厳しい状況に追い込まれた。

4. 集約化の進展と経営の変遷

集約化が進む中、1農家あたりの耕作面積は10町から100町へと拡大した。しかし、大規模化にもかかわらず、補助金に依存しなければ経営を維持できない状況が続いている。

5. 肥料投資の減少と米の品質低下

米価の低下に伴い、肥料への投資が難しくなり、収量と品質も低下している。かつての美味しいお米を再び手に入れるためには、肥料への適切な投資が不可欠である。

6. インフレ時代の農業への影響

インフレが進行する現代において、肥料や資材の価格も上昇し、さらに投資が難しくなっている。この状況は、米農家の経営にさらなる圧力をかけている。

7. 米農家の生き残り戦略：米価向上への道

米農家が生き残るためには、米価を上げる努力が不可欠である。品質向上やブランド化、販路の多様化など、多岐にわたる戦略が求められている。

このような視点から、日本の米作りの現状と未来を見つめ、持続可能な農業の実現に向けた道筋を探ることが重要である。