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忘病記 第十一章 親子で

親子で珍しい腫瘍、胸腺腫を持ってしまった。
父は2年ほど前に南大阪のとある市民病院で胸腺腫の摘出手術をした。

胸のド真ん中を縦に20センチぐらい、まるで無骨なファスナーがついている様な手術痕。
父は胸腺腫はあったが、重症筋無力症は陰性だった。
俺は胸腺腫が見つかり、多分重症筋無力症陽性。

市民病院の診察室の蛍光灯に通いの先生の七三分けの髪が反射しててらてらとテカっている。

「重症筋無力症は最近珍しくないですよ。」

気休めのつもりだろうか。
笑顔でそう言ったが、10万人あたり23人というのは充分珍しいと思うのだが。

まあ、、年々増加しているらしいから、昔に比べたら珍しく無くなったのだろう。

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