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忘病記 第六章 ボストンバッグに入る芸人と進む道

ボストンバックの中にスッポリと入ってしまう芸の半裸の芸人。
市民病院の診察室で対峙した神経内科の先生の第一印象。
先生は、本来はH大学に所属をしているのだが、週一回通いで市民病院で診察をしているらしい。

「とりあえず、脳と肺のMRI、それと胸のレントゲン撮ろうか。」
黒テカリしてる七三に分けた髪を掻きながら先生が言った。

「結果は来週の水曜日やね。」
即日に結果が出るとは思っていなかったが、まさか1週間後とは。
週一通いの先生だから仕方ない。

とにかく、脳腫瘍にしても、重症筋無力症にしても、目的地がわからなければ、進むことができない。
たとえ道の先が崖であったとしても、じっと停車してるよりも発進したい。

相変わらず左眼は眼瞼下垂のまま、、
俺は悶々としながら出勤して、左眼を指で持ち上げながらパソコン画面に向かっていた。

長かった1週間。
満を持して、再び半裸芸人、、いや通いの神経内科の先生と対峙した。

どや?
俺の道は見えたか?

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