新型コロナウィルスについて考えたこと #1 影響・メカニズム・対策

まず新型コロナウィルスについて、たぶんこういう事だろう、と思っていることをまとめておく。

対策しないと被害は甚大

北大の西浦先生が、何も対策をとらなかった場合、最大で40万人もの方が亡くなると試算している。

素人が、単純に計算しても、集団免疫を獲得するまでに60%=6000万人の感染が必要で、そのうち2割=1200万人が発症し、致死率を2パーセントだとすると、24万人が僅かな期間の間に亡くなる事になる。一部に、死者数で比べたらインフルエンザと大差ないとか、経済的な影響による死者と比較衡量すべきという議論があるようだが、これは、とても耐えられない。

クラスター連鎖が感染拡大の主要ルート

新型コロナウィルスに感染しても、多くの場合は人に感染させない。しかし、ときたま1人が多数の人に感染させてしまうイベントが発生する。クラスターからクラスターへ連鎖的に広がることで、爆発的な感染拡大が生じる。1人が多数の人に感染させてしまう典型的な状況が、いわゆる「3密」である。当初の対策は、クラスターが発生した時に、そこに居合わせた人たちを徹底的に追跡し、次のクラスターを生じさせないことと、そもそもクラスターが発生しづらいように「3密」状況を避けるよう人々に要請することであった。

クラスターを追いきれないので「大きな網」に

しかし、感染が拡大してクラスターを追跡することが困難になったため、「3密」だけではなく、人と人との「接触そのもの」を減少させるように要請することになった。

「大きな網」をかける事によって、感染拡大の勢いをいったん封じられたら、人と人との接触の低減をある程度維持しながら、クラスターの追跡を継続するとともに、早期に感染者を発見し、軽症者用の施設に隔離されてもらうなどの対応をとっていく必要がある。

減らすべき接触とは何か

「接触」の定義がよく分からない所があるが、西浦教授のインタビュー記事によると、すれ違う程度のことは含まれず、一定の時間、対面して話す、といった状況を指すようである。

屋外のオープンエアのところを歩くのはいいのですよとか、友達同士でジョギングするのはいいけれども、帰りに一緒にビールを飲みにいってはいけませんよ
いっぱい歩き回って、でも立ち止まって30分以上人とは話さないでほしい。

また、「専門家有志」の note によると、定義ははっきりと決まっていない(!)ものの、暫定的に「1メートル以内で」「2~3往復の会話」OR「握手などの身体接触」を考えているようだ。

少しでも用心した方がいい、過剰なくらいにやってちょうどいい、という考えも分からなくはないが、対策の中には、いささか過剰なのではないかと思われるものもある(公園の遊具禁止とか)。

商店街がいささか混雑しても、「レジ袋お願いします」「あ、Suicaで」くらいしか話していなければ、接触にはあたらないような気もするので、今後は、警戒を緩和するにつれて、具体的、詳細に、どのような接触を避けたらよいのかが明らかになると良いと思う。


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