「トー横」「路上売春」(「立ちんぼ」)で警察が前に出て解決になるか?

「路上売春」「立ちんぼ」は非対称的に女性を焦点化し、スティグマ化、蔑視するものなので留保なしに使うことは問題。だから引用的に使う必要がある時はカギ括弧をつけている。

危険もあるので警察の関与は必要だし(取り囲むのは守る意味もあるだろう)、保護的な意味でなされているのは確かだが、補導の形になる。担当警察官がみな十分な認識、理解を持っている訳でもない。他機関やNPOが前に出て警察がサポートに回る形などやり方は工夫が必要。

記事中に「行方不明者届が出されていた少女もいた」とあるが、だからといって家庭に戻すのが安全とは限らないケースもある。その辺りが適切に判断されるのかということも警察主導の大きな懸念。

これもそう。摘発には保護的側面もあるけど懲罰的対応には変わりないし、警察から適切な先につながるかも担当警察官次第。
「14日から15日にかけ、客引き行為の疑いで男女3人を摘発し、売春の客待ち、いわゆる“立ちんぼ”行為の容疑で女6人を摘発」

やっと本質に迫る記事が出た。ホスト、推し活といった動機の語りに隠れているものは何か。そこを捉えずに「自己責任」論にしたり道徳的に非難したりは有害だ。

支援につなぐ方便と思っている警察官もいるだろうし、危険が伴うから警察の関与は必要だが、支援を受けるべき女性が処罰される矛盾。逮捕の衝撃の直後に、しかも自分の抱える問題を認識していない/否認している女性が警察署に連れていかれて心の内を明かすことは極めて困難。

処分は罰金か不起訴(起訴猶予)になるだろうが大したことないとは言えない。そして、警察から適切な先につなげるのか。取調べに表面的に答え支援の必要性を否定する女性もいよう。つないだ先がニーズに合わない、相性が悪い等で切れても警察がフォローすることはなかろう。


案の定、無知・無理解に基づくすり替えが出てきた。記事中の女性が言ってるのは行政窓口に《自ら出向いて》支援を受けることだし漠然とした先入観。警察が女性の心の内を聞き出し背景を的確に把握し適切な先につなぐことも難しい。

警察が支援につなぐ視点を持ち取り組むことは無意味ではないが、懲罰が先に立つことの限界が厳としてある。危険も伴うので警察の関与は必要だが、むしろ民間団体の後方支援の役割であるべき。

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