「加害者アウトリーチ」の提案

暇空問題など現在進行中の加害への即効性はないが、このような問題が起きる土壌に対して基盤的な仕組みを作っていかないとますます状況は悪化する。そこで「加害者アウトリーチ」のプロジェクトを提案したい。各分野の専門家と企業とできないかなあ。

加害者臨床/加害者プログラムを充実させ広げていかなければならないと思うし、まずは性犯罪者とDV・虐待加害者が制度的に受けられるようにしていかなければならないのだが、昨今の状況を見ていると「加害者アウトリーチ」とも言うべきものが必要ではと強く思う。特にオンライン上で。

加害者性の自覚がない者にアウトリーチをかけることは消耗的で、全てを人がやることは現実的ではない。AIを活用して加害者臨床/プログラムあるいは代替的な簡易プログラムにつないだり、加害性の背景にある問題に係る医師、カウンセラー、自助グループなどを紹介したりできないか。

例えば、AIにアウトリーチ対象候補のアカを拾わせ分析レポートを作成させる。レポートに基づき専門スタッフが対象を特定する。そのアカに対し、スタッフがスーパーバイズするAIが働きかける。進展がなければ相談機関リストや啓発リソースなどを紹介して終わる。関心が示されたらスタッフが引き継ぐ。

具体的には、専用アカから対象アカにAIでリプを飛ばす。関心がある者はチャットに誘導され、スタッフのスーパーバイズの下でAIがやり取りをする。一定の進展があったところでスタッフが引き継ぎ、可能であればプログラムや専門機関につなぐ。紹介に至らずとも「気づきのきっかけ」を提供し得るのでは。

ポスト削除やアカ凍結等の強制的な措置ではそうそう発信者の認知や行動の変容のきっかけにはならないし、広範すぎる適用になれば弊害も大きくなる。レスバのような形で働きかけても消耗が大きすぎる。AIを活用した、相手の気づきと任意性に働きかけるアウトリーチは一つの方法にならないか。

なお、現状、被害者は民事訴訟を起こすか、警察に被害届を出すか程度しかなく、加害をすぐにやめさせ速やかな救済を受ける手段がほぼない。そこはプラットフォーマーの誹謗中傷対策の強化だけでも足りない。論点が拡散しずらされで頓挫したままの国内人権機関の議論、検討が今こそ必要。ネット上の誹謗中傷ならば、プラットフォーマー等による速やかな削除と開示とADR等の活用で加害の継続・拡大の抑止と被害者救済を図る形。

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