EPARKの運営する「マチしる埼玉」 狙いは自サイトへの送り込み? ランディングページならぬランディングサイトを目指しているのではないだろうか

今日「マチしる埼玉」というサイトを知った。

知ったきっかけはGoogle アラートである。埼玉に関するキーワードで引っかかってなんだろうこのページはと開いてみてたどり着いたのだ。 

さてさてこのサイト。いったいどんなサイトなんだろう。気になったので探検してみることにした。わたしが最初にたどり着いたページはサイト内の1コンテンツ、個別ページだったので、まずはトップページへ。

さてどう探検しようか。正しい順路は上から順番に…が妥当だと思うが気になることがあったのでまずはそれを確かめることにしてみた。

フッターまでバビュンと飛んで「運営会社」をクリックしてみた。運営主はEPARKであった。

なるほどね〜。

飲食業界で働いていたことがあるのでEPARKさんにはいろんな意味でお世話になったものだ。

さて自分の思い出を振り返る意味も込めてEPARKさんのHPから主要関連会社を確認してみた。

・株式会社EPARKグルメ
・株式会社フリービットEPARKヘルスケア
・株式会社EPARKメディアパートナーズ
・株式会社EPARKリラク&エステ
・エンパワーヘルスケア株式会社

わたしがお世話になったのは「EPARKグルメ」である。飲食業界でしたから。でも改めて見て思い出しましたわ。グルメ以外にもいくつか他業種の関連会社があったことを。

食べログに店舗ページつくりませんか?充実させませんか?プロカメラマンが代わりに写真撮りましょうか?Googleストリートビューの応用で店内を自由に見られる映像を撮って差し上げましょうか?

といった感じで営業を受けた。受けた提案にはイニシャルコストのみならずランニングコストの掛かる案件もあったので、なにをお願いするかはけっこう時間をかけて吟味した。それからしばらくして社内の予算の都合もあってランニングコストの掛かるものはいずれも終了させた(遠い目)

経験はしていないものの、美容系のEPARKリラク&エステもEPARKグルメと同じ構造なのではないかと推察する。

EPARKにとってのお客さんは街の店舗なのだ(がすべてといい切っては乱暴かもしれないが、そうだろうということにしておく)

ここまで理解した上で冒頭のサイトを眺めていたらふとつぶやいてしまった

謎はすべて解けた…!

わたしの街の百科事典 みんなの口コミをチェックして埼玉をもっと住みよく楽しもう

とマチしる埼玉のトップページには書かれている。

キャッチコピーは「埼玉をすみずみまで住みよく楽しむためのウェブマガジン」とあった。

なんか良さそうなサイトね。と思いそうである。

ところがいろいろと知ってしまったので見方が変わってくる。

グローバルナビメニューは

・グルメ
・美容・健康
・歯医者・病院
・おでかけ
・生活

と、グルメ・美容・病院なんてEPARK運営関連会社の構造がそのままハマりそうではないか(残りの部分もこれからこの構造に当てはめていこうという思惑があるのかも知れない)

トップページヘッダー画像直下のナビゲーションには

・地域を選ぶ
・市区郡を選ぶ
・駅を選ぶ
・カテゴリを選ぶ
・ジャンルを選ぶ

とあった。

複合条件で記事を探せるようだ。試しに「駅に大宮」「ジャンルでスイーツ」と条件を設定して検索してみた。

残念ながらこの条件では記事がヒットしなかった(0件)が、注目すべきはべつにある。

検索結果を得るために生成されたURLは次のとおりであった。

https://saitama.machishiru.jp/article/dist/chuo/stat/omiya-st/cate/gourmet/junr/sweets/

どこかで見た覚えのある構造だな。と思ったら食べログではないか。あらゆる検索項目の組み合わせを階層立てたURLにしてしまうのは食べログの文化である。

あんまり浅い知識で述べてはいけない領域ではないが。おそらくこうした構造でページを用意することは有益なんだろう。意図したURL設計なんだろうなと思った。

自社別サイト(本丸)への送客

マチしる埼玉の狙いはどこにあるのか。

その謎をあきらかにすべくわたしはサイト奥地へと向かった。

マチしる埼玉にはふたつの扉があった。グルメの扉と病院の扉である。

飲食業界にいた身としてはグルメの道に進みたかったのだが、先に書いたとおりひとつめの扉を開けたところ行き止まり(検索結果が0件で)であった。

手っ取り早く結果を知りたいと思ったわたしはすぐ横っちょの扉(トップページにわかりやすく並んでいた「編集部おすすめ記事:美容系記事」)を開けてみた。

行田市、うちから近いし。なんかの機会に行くかもしれない。

このページにトリックが仕組まれていることはすぐにわかった。

それは「ネット予約はこちら」のボタンを押したときの遷移先URLである。

https://ssl.haisha-yoyaku.jp/s4342977/login/serviceAppoint/index?SITE_CODE=matisiru 

SITE_CODE=matisiru が付与されるようになっていた。これで効果測定するのだろう。

データはほとんど自前で持っている

リード文や微調整の文言追加を除けば、マチしる埼玉の記事はほぼ機械的につくれそうである。

なんたって店舗情報のデータはEPARKが自前で持っているのだ。改めて -このサイトのために- 収集する必要もDBに登録する必要もないのだ。

率直にすごいなと思ったし、データを持っていることの強みを実感した。

宮城版、東京版もあった 横展開フラグ

トップページの下部にはこうも書いてあった。

マチしるってなに?
マチしるは、地元をすみずみまで、住みよく楽しむためのウェブメディア。
その場所に住んでこそわかる美味しいものや便利なお店を取材し、撮影し、とことん詳しく、リアルに伝えていきます。
外出の時の困った時に役立ててください。

埼玉の文字が抜けている。汎用的な感じがしますな・・・?

あれ。

フッターに「その他のエリア」の文字が。

そこにはふたつのリンク先。

 

https://tokyo.machishiru.jp/ 

https://miyagi.machishiru.jp/ 

 

サブドメインで地域を分ける構造になってますわ。

EPARKの営業エリアあるところに、マチしる◯◯あり、これからバンバン横展開していくんでしょうなぁ。

 

・重要な本丸サイトを持っている
・上記サイトのプリミティブな形でデータを持っている

マチしる◯◯は、このサイトへの送客を最大化するための入り口になる。サイト自体はプリミティブなデータとシステマチックなURL設計で半自動的にページを無限に生成可能。マチしる◯◯には広告もなく単体での収益化はしないように見える。でもそれでいいのだ。本丸への送客がされれば。

きっとラウンディングサイトとしての位置づけに違いない。


埼玉、東京、宮城。これからどう展開していくのか。サイト運営者のひとりとして興味を持って追いかけていきたい。

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