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【ぷにるはかわいいスライム】好きと嫌いは表裏一体【レビュー】

今回レビューする作品はコロコロオンラインで連載中の「ぷにるはかわいいスライム」について語ろうと思う。


スナック菓子のようにさっくりと読めるスライムが主人公のドタバタラブコメ

河合井コタロー(かわいい こたろー)はどこにでもいる普通の中学生。しかし彼は自分が小学生の時に作ったスライムに命が宿し、ぷにると言うスライムと一緒に生活していた。コタローの生活はぷにるに振り回されてばかりで散々なことになっていた。コタローが中学生になり、しかも最近は人間の少女の姿になったということもあり、思春期真っ盛りのコタローは多くなったぷにるに戸惑っている。

昔の姿のぷにる。コタローの小学生時代ではペンギンのような姿だった。


ちゃんとギャグ漫画としても面白い

ぷにるはタイトルのようにスライムなのでどんな姿にでも変身出来るのだがそのスライムだからなせるギャグシーンがキレッキレで絵柄のデフォルメ加減や可愛さがコロコロ感が出ていてとても良い。例えばコタローのクラスメイトが憧れのアイドルに変身するようぷにるに頼んだのだがその巨乳にクラスメイトがざわつく。そしてクラスメイトは「おっぱい揉ませてもらいませんかね」と不純なお願いにぷにるは平手で自分の胸をスパーン!!と切り落とし、ただのスライムの塊に戻った胸部分を差し出すのだ。

なんと言ってもこの漫画の毎回の楽しみが「ぷにるの変身シーン」だ。話によってはぷにるが変身しない回も存在するが毎回何らかの展開でぷにるが色んな姿に変身するのがお約束になっている。基本は一般的なスライム作りと同様、洗濯ノリとホウ砂水を混ぜる事で変身するがそれに他の材料を追加する事で変身する姿も変わってくるようだ。ある時は人気アイドルに。またある時はギャルに。またある時は小学生にと姿を変える。どんな姿になっても変身時にぷにるは必ず「かわいい〇〇なぼくです!!」と言うのだ。

ラブコメ要素もしっかりある

コタローがクラスメイトの御金賀アリス(おかねが ありす)と手を取り合うところを見て7年間ずっと一緒に暮らしていたのに自分が知らないコタローを目にしたぷにる。自分が一番コタローの事を分かっていたつもりだったのに、何も見ていなかったかもしれないと落ち込み、アリスの家を後にするその後ろ姿がなんとも寂しい……

心がざわつくぷにる。

変わった事と変わらない気持ち

28話のクリスマス回。コタローはクリスマスの時期になるといつも幼稚園の頃のトラウマが思い出す。幼稚園でサンタさんは「さぁ、みんな好きなプレゼントをとっておゆき。」と言う。幼いコタローが目を輝かせていたのはキューティーちゃんのぬいぐるみだった。それを手にしたコタローに同じ組の女の子達から「あー コタロー。いけないんだー。それ女の子用のプレゼントだよー。」と指を指されながら言われてしまう……それにコタローは「え…だって、好きなのもらっていいって……。」と言うが「そうさ!かわいいプレゼントはアタシら虎組族の女の子だけのもんさ!」と少し妄想も盛られつつもあの時の記憶が蘇ってしまう。男の子はかっこいいプレゼント、女の子はかわいいプレゼントという認識も女の子達の発言も幼さ故に突き抜けた言葉で自分が正しいというのも子供ならではの言動だ。

小学生になり自分の作ったスライムに命が宿り、ぷにると出会ったコタロー。ぷにる(スライム)からしたらこの世の“かわいい”は全て同じ“かわいい”できっとぷにるが考えるように“かわいい”は差や意味は皆無なのかもしれない。

小学生になったコタローはぷにると帰ろうとしている時に女の子に「あー またコタローが女の子のモノもっているー。それもよこしなさいよ!」と茶化されてしまうがコタローはそれに「コイツはスライムだからかわくねーもん! だからオレが一緒にいてもおかしくなし!」と反抗する。これはコタローはぷにるとずっと一緒にいたいから敢えていくらかわいい姿になったぷにるに決してかわいいと言わないし、かわいく思わない事でぷにると自分が一緒にいていいんだというコタロー自身に対しての想いなのである。

コタローはあの時自分が言った言葉を今でも思い出し、クリスマスでもぷにるの横にいるのが最高に尊いと思った。

嫌いだけど好き。

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