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うさぎの数え方が「〜羽」なのはなぜ?その意外


「あっ、うさぎが4羽もいる!」というように、

うさぎの数え方といえば「羽(わ)」ですよね。

でも、小さい動物の数え方はふつう「匹(ひき)」。

どうしてうさぎは「羽(わ)」という数え方をするのでしょうか?

そんな誰しもが一度は考えたことのある素朴な疑問について調べてみると、

意外にも日本の古い歴史に辿り着きました!

 

・うさぎを「〜羽」と呼ぶのは、どうしてもお肉を食べたかったから!?

 

うさぎの数え方が「〜羽」になった由来は諸説あるのですが、

もっとも有力なのはこの説です。

 

時を遡って江戸時代の日本では、牛や馬などの家畜は「四つ足」と呼んで

食べないようにする風習がありました。

これは仏教由来の「穢れ」という共有の概念があったためで、

四つ足は穢れているので口にしてはいけないとかたく信じられていたのです。

(一説には、人間も手足二本ずつの「四つ足」なので、四つ足を食べると人間を食べているように思えたため、穢れていることにされたというものもあります)

 

しかし、そうは言っても食料が尽きれば食べられるものを食べなければいけません。

そういった切羽詰まった理由でなくとも、どうしてもお肉が食べたかったという人もいたでしょうが、とにかく人々には「四つ足」を食べる必要のある時がありました。

 

ですが、穢れたものを食べたことが知られると村八分的な扱いを受けるかもしれません。

考えに考えた結果、目をつけられたのがうさぎでした。

 

うさぎももちろん手足を二つずつ持つ「四つ足」なのですが、

誰かがその長い耳を見て「あいつは鳥だ。あの耳は耳にしては長すぎるから、きっと羽なんだ」と言い始めたのです。

また、別の誰かも「確かにそうだ。捕まえるときも、うさぎは網で捕まえる。これは鳥を捕まえる時と一緒なんだから、うさぎは鳥だ」と言い出し、「うさぎは鳥」という説を唱えはじめました。

そして、「うさぎは鳥なんだから、鳥と同じ一羽・二羽と数えよう」ということになり、人々はうさぎを鳥とみなして、飢えを凌いできました。

その数え方が現在まで残っている、という説です。

 

現在存在するさまざまな「由来」の説は、ほとんどがこのバリエーションといって良いでしょう。たとえば、

「質素な精進料理に飽きたお坊さんが、たまたまお寺の中にいたうさぎを焼いて食べてしまった。満足満足と思っていたら弟子にその様子を見られており、

「お師匠様、どうしてうさぎを食べているんですか?四つ足は穢れているから食べちゃいけないんじゃないですか?」と聞かれてしまう。

お坊さんは咄嗟に「うさぎは名前に「鵜(う)」、「鷺(さぎ)」と入っているから鳥なのです」と答え、

その弟子が「うさぎは鳥だ」という説を江戸中に広めた」という話があったり、

「うさぎは飛ぶように走るから鳥なんだ!」と言われたのが広まったともされています。

 

いずれにせよ根底には「うさぎを鳥とみなして食べた」という一点が共通していますが、

それじゃあそもそもその話はどこから発生したのかというと、明確な起源はまだ見つかっていないようです。

 

そのため俗説である、由来として不明瞭であると解釈する向きもあるようですが、

食べ物のためにトンチを働かせる江戸時代らしいユーモラスなお話ですから、

実際にあったことなのでは?とついつい考えてしまいますね。

 

・江戸時代とうさぎ

 

「鳥獣戯画」に代表されるように、江戸時代の人々も現代のわたしたちと同じようにうさぎが大好きでした。

それは単にかわいいという理由もありつつも、こうして言い換えることで、当時はかなり貴重だったお肉を食べることが出来たので、たいへんお世話になった生き物という意識もあったのかもしれません。

 

うさぎを「〜羽」と数えるのには、江戸時代から脈々と続く、

日本人のうさぎへの親愛の心が秘められていたんですね♡

 

みなさんも、うさぎを「〜羽」と数える時には、

この豆知識を思い出してみてはいかがでしょうか?

 

講師:岸本

幼少期に訪れた動物園で白い毛のロップイヤーラビットを見て「天使みたいな生き物がいる!」と電撃が走って以来うさぎに夢中。

今では自他共に認めるうさぎ好きで、「うさぎの魅力を語っていたら聞いていた相手もうさぎ好きに」「プレゼントをもらう機会があると何も言わずとも皆うさぎグッズを買ってくる」「友人がうさぎ柄のグッズを見て「あっ、岸本さんだ」と言い出す」などのエピソードを持つ。趣味はうさぎのぬいぐるみ集め。

 

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