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韓国のトイレットペーパー、活躍の場はそこだけではない。

 最初の記事から尾籠な話で申し訳ない。人間は老若男女問わず排泄をする。排泄が済むと、お尻をふく。トイレットペーパーの出番である。

 韓国のトイレットペーパーは、日本のそれに比べると、幅がわずかに狭いものが多いような。だが幅は狭いが、その活躍の場は広いのである。どう広いのか。書いてみたい。

 日本の家でトイレットペーパーが存在するところといえば、名前の通りトイレだけだろう。ほかの部屋にトイレットペーパーがおいてあるだろうか。しかし、韓国は違う。キッチン、リビング、食卓の上などなど、家の数か所に置かれていたりすることが珍しくない。それは活躍の場が広い証拠である。

 台所で料理する時、食事する時、リビングでくつろいでいる時など、布巾やタオル、ナプキン、ティッシュペーパーの代わりに使うからである。鼻や痰の始末も、トイレットペーパーで対応する。

 もちろん韓国にもティッシュペーパーはある。だが庶民の家庭や大衆食堂などでは、トイレットペーパーが幅を利かせている。今は変わってしまったかもしれないが、🐇谷が暮らしていたコロナ前は、トイレットペーパーの一人舞台であった。

 また大衆食堂では、トイレットペーパーのほうがナプキンよりも便利であるような場合があるのだ。それはキムチチゲやテンジャチゲといった「熱い」そして「辛い」料理を食べると、汗が出ることは避けられない。それも滝のような汗が噴き出すことがほとんどである。

 そんな時、ナプキンでは役不足である。1枚や2枚はおろか、5,6枚であっても、すぐ汗でぐしょぐしょになってしまう。トイレットペーパーなら、グルグルとたっぷり巻いてとって使うと、ぐしょぐしょにならず、汗を拭きとることができる。実に頼もしい存在なのだ。食事が済むと、今度は赤く染まった口を拭くために、再度の登場を願う。

 その広い活躍の場のせいか、日本のイオンのような大手量販店で販売されているトイレットペーパーの多くは、24ロール入りが一般的だ。トイレットペーパーの入った袋が、うず高く積み上げられた光景は、日本ではあまりみることができないような気がする。日本のそれが8ロールや12ロール入りであることを考えると対照的だろう。

 韓国に住み始めた頃、1袋にどうして24ロールも入っているのかと思ったことがあった。だが暮らしてみると日本のトイレットペーパーよりも活躍の場が広いので、それだけの数があっても一人暮らしの場合はともかく、数人の家族生活を営んでいる家庭では、思ったほど多くはないのだろう。住んでみないと分からないことはたくさんあるのだ。


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