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「マイナス金利解除」で考えたこと(予備校講師として)

3月16日(土)日本経済新聞朝刊のトップは「日銀、マイナス金利解除へ 17年ぶり利上げ」の記事。さらに見出しは「賃上げ率5.28%、環境整う」と続きました。この記事を見て、考えたこと。我ながら染み付いてしまっているなwと、客観的に見ている自分がいました。

大学編入・大学院入試を目指し、経済時事で小論文が書けるようにする授業を担当してきた予備校講師としては、「ああ、これを説明しなくちゃね〜」とまずは思います。どうやってその試験が求めるレベルの理解に近づけられるか。試験だけでなく面接でも聞かれるかもしれませんし。

授業内で利用するよう、話題提供の新聞記事を確認する作業をし続けてきました。私が主に担当する大学編入試験の経済時事で考えてみて、このテーマは(採点しにくいから、もしくは皆書けないから)出ないかもしれないけれど、受験準備をする上では「知らない」「何も書けない」では済まないのだと考えます。今年受験するなら。ですのでこの記事を「どうやって説明しようかな」と思うのでした。

過去問題だけでは心配なのが時事問題対策。経済・社会は動いています。だからこそ学びにくいと受験生は思っているようなので、応えていきたい。理解の程度は人それぞれなので、自分が「何がわかっていて」「何がわからないか」を知ることが大事だと考えています。

「金利」とは何か、さらにそれが「マイナス」であることをまず知る。
それは「解除」することなのか。「解除」したらどうなるのかを知る。
なぜ「マイナス金利」だったのか、これまでの流れをおさえる。
「解除」で狙う効果を理解しつつ、金利には他の要素も入るから、思惑通りではいかないことを理解する。

「マイナス金利解除」の8文字だけでも、これだけ考えていくことになります。大丈夫、4月から始めれば試験まではまだ半年ほどあるのだから、と伝えながら。時間がないならないでやりようはあるけれど、時間を味方にすることができると強いとも思います。

当然ながらアベノミクス、失われた30年、デフレについても基礎知識を入れていくことになります。

結果、これをキッパリ説明できる人(受験生以外でも)はどれだけいるのだろうと思いながら、そしてまともに出題しても受験生が書けないんじゃないかなとも考えたり。「マイナス金利解除について知っていることを書きなさい」という問題だったら、ギリありか、とか。

勉強しておかなければならないけれど、出るとは限らないから、応用が効くように、一つずつ積み上げて勉強しておこうね、が授業のポイントになるかなと思います。わかることを増やしていこうと。

出題側としては、2問出題1問選択のうちの1題をこれにすることもできる。受験生側からすれば選ばなければいいのだから。つまり解いたらハマる(選んではいけない)問題という位置付けにすることもできる。過去問題にこのテーマが残れば、次年以降の受験生は勉強して受験するだろうから、それを狙うなんてことも考えられる。

従来だったら4月の授業開始に向け、新聞の見出しを1つずつ、こんなことを考え巡らしているのがこの3月です。最初の授業の「つかみ」に使う新聞記事はどれにしようと考えている。この作業は、授業担当者になってからは特に続けてきたこと。外部環境の変化とはいえ、4月以降授業を持たないからと言って、これまでやってきたことを突然止めるのはどうなのかと、ここにきて思ったのです。私の生活の一部になっていて、自分がこの一連の作業でできている人間でもあるのだから。

例としてあげるには少しおこがましいけれど、アスリートが引退したその日から筋トレすべてやめて、動かなくなるのと似ているなとも思いました。(大リーグの今話題の元選手の奥様を見た瞬間に思いついたことです)

ということで受験のアスリートwとして自分がやってきた経済時事のトレーニングは継続します。自主トレだけだと続かないから、それを公表しながらかな。今すべきTODOがようやく見えてきました。

このところ何か作品を作りたい思うようになっていました。好きなことはいろいろあるけれど、どのような作品がいいのかと考えた。考えた今のところの結果として、これまでプロとして20年近くやってきたことを作品にするのが一番良い気がしています。

人の中に飛び込むこと、人と話す、人の話を聞くことは大事ですね。後で思い起こせば、きっと数日前のトークショーが転換点ということになるかもしれません。まずは今の道を真っ直ぐ進んでみます。この続きはきっと、別サイトをつくることになります。

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