夜の時間

だいぶ前にかいた記事が出てきました
2023年10月のものです


「夜の時間って大事じゃないですか」

最近出会った男の子の言葉。
最近そんなこと考えたことなかったな。

子どもの頃、夜が苦手だった。
私は暗いところが怖い。
今も真っ暗が苦手で、少しだけ明かりをつけて眠っている。

子どもの頃、眠くないのに布団に入らないといけないのは苦痛だった。

眠りにつくまで退屈でたまらない日もあれば、泥棒や宇宙人やチュパカブラが怖くて眠れない日もあった。

3歳上の兄には、心霊番組やUMAや宇宙人のテレビ番組を散々見せられた。

兄は人一倍怖がる私を面白がっていたが、兄もまた私以上に怖がりなので、小学校高学年になっても1人で眠れず、我が兄ながらバカだなと思っていた。

死後の世界を想像して怯える夜もあった。
夜になると、幼稚園でしてしまった悪いことを猛省した。

大好きな祖父母が亡くなって、私たち家族が取り残される未来を想像して涙する日もあった。

尤も、あれから25年ほど経過したが、祖父母はまだピンピンして生きているのだが。

今でも私は相変わらず、お化けとか宇宙人とか、怖いけど、遭遇したことがない経験から、今はそれらに怯えて眠れないということはなくなった。

大人になると、夜は別の怖さを持つようになる。

淡い記憶だが、hideがテレビのインタビューか何かで「寝る前に布団に入って鬱々とする時間が嫌いだから、充電が切れて倒れるように寝たい。」と言っていた。

私もそんな時がある。

今作ってるアルバムがちゃんとできるのかなとか、今後の人生で大切なものや人は見つかるのかなとか。もしかしたら、誰にも協力してもらえないかもしれない、もしかしたら才能がないのかもしれない、もしかしたら、もしかしたら...

その不安は誰にも埋められない。
やるしかない。
努力でしか払拭できない。
努力したとて確実に払拭できるわけではないけど、しないよりはマシなのだ。というかしないとただただ時間が過ぎて行って死を迎えるだけだから、同じ結末になるにしても、なんだか何かしていたい。自分の何かで人を幸せにできたらいいな、例えそれが出来なくても、そうしようとしている自分でいたい日が来た時に、後悔したくないのだ。

こんな風に思ったのは、4年前にEPを作った時ぶり。何かに真剣に向き合うと、悩むし、落ち込む。

何かに打ち込むと、孤独を感じるように出来てるのかもしれない。何かに打ち込めない人は、「それが本当に好きじゃないから」とは別に、「のめり込んだ時の孤独に耐えられない」からなのかもしれない。

私は推し活もないし、なんらかのコミュニティに所属しているわけでもないし、好きなアーティストは流行りのアーティストの人たちみたいにテレビなどで頻繁にお目にかかれないし、心酔しているミュージシャンたちは若くして亡くなっている。

なぜかわからないけど、私が敬愛するソングライターやスターたちは若くして亡くなっている。

私もそうなりたいと思っていた時期もあったし、今でもそうなりたいと思う、でも今そうなったところで、何にもならないから、生きて作るしかない。

学生時代は、日中の反動で、1人で過ごす夜の時間がかけがえがなく大好きだった。

昔から大人数が苦手だ。私が何を発言するわけでもなし、マイペースを崩したいわけでもない。

ただ人がたくさん同じ空間に留まっている場所は気が疲れてしまう。1人1人の心の声みたいなのがなぜか聞こえてきて、「あの子はそうじゃないのに」とか「それをそうしたら嫌がる人がいるのに」とか気になってしまう。

そんな昼間のごちゃごちゃを浄化するかのように月が昇って沈むのをただ眺める夜もあった。
そうすると夜を長く感じられた。

あの頃は、朝が来ないでほしいと思っていた。
でも、容赦なく朝は来た。
朝が来ると心はブルーになった。
でもまた、夜は必ずやってきた。

朝が来て、昼が来て、夜が来て
毎日毎日、毎日毎日
今もその繰り返し

ときどき途方もなくなるし
だいたいは愛しくなってきた
大人になったんだと思う

心は浮いたり沈んだりを繰り返す
上昇と下降を繰り返しながら
長い目で見ると
想像もしていなかったところに到達していたりする

気づいたらアルバムの完成がもう一歩のところまで来てしまいました

ときどき憂鬱になっても
信じたものを信じられる自分でいたい

アルバムを作っている今この時期も私のブルーモーメントなのです

おわり

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