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希望的自己中心的思考

1人で眠る冷たさに耐え切れなくて目が覚めた。
あの穏やかなぬくもりはどこに行ってしまったのだろう。
安心感は関係性に名前がついてこそ保証されるものだったのだ。
曖昧な関係を一体いつまで続けるつもりだったのかと思うと自分でもぞっとした。

やり直せるならいつに戻ればいいのだろうか。
満開のヒマワリ畑の中か、
打ち上げ花火の下か、
思いのたけをぶちまけてみた5月か、
いっそのこと1年前の農道か。
ターニングポイントはいくらでもあった。
でも過去には戻れない。
私の犯した言葉の暴力も消えない。

どれだけ反省の言葉を述べても、改善案を提示しても、もう届かない。
たとえ聞こえたとしても、上滑りしているだけだろう。

賢く真面目な彼が苦しみ熟考した上で出した決断なのだ。
覆るはずがない。

でも、
でもだ。

これまで、どこかのタイミングで勢い付き合ったとして、私は傲慢なままだったろうし、彼も自分ばかり…と不満が溜まったのではなかろうか?と思う。
つまり、今のこの現状は、お互いにとって必要な過程だとも考えられる。
尊重し合える新しい関係を作るためにも。
都合よく解釈しすぎだろうか?

失恋直後の今の私より、彼は長らくずっと辛い思いをしていたのだ。
もうきれいさっぱりすっかり断捨離されてしまっただろう。

過去は変えられない。
誤ちも消えない。

でも未来は分からないのだ。
未だ来てないんだから。
それはお互いに。
明日になったら、もしかして、私だって「運命の人に出会った!きゃっほー」って言ってるかもしれない。

人は間違える。失敗もする。
しかし、再び挑戦できる。許せる。

結局、未来で待ってるのがあなただったらいいなっていう希望的願望で終わる。

#エッセイ #失恋 #前向きな未練

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