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《気まま和訳⑧》Anything Goes[夜は夜もすがら(1956)]

「何でもあり」に幸あれ!

 𓂃𓊝𓄹𓄺  ‎𓂃𓊝𓄹𓄺  ‎𓂃𓊝𓄹𓄺  ‎

こんばんは🌃

いきなりだが、🇺🇸の作曲家コール・ポーターをご存知だろうか?そして彼の代表曲、「Anything goes」をご存知だろうか?

『アメリカ大陸にピューリタンが上陸して
    目まぐるしく世界は何もかも変わって、
    だから 今はいっそのこと何でもあり』

失われる古き良き秩序を嘆くとともに
今の世の中が手に入れた新しい日々を謳歌するジャズ・ナンバーである。
皮肉を込めつつも、その歌詞はまさにアメリカ人の愛する自由の表現。
レディーガガにカバーされたり、舞台で新しい歌詞を加えて歌われたりと、時代を越えて今なお愛されている。

そして、この曲を原題とするミュージカルもブロードウェイで大ヒットをとばし、1930年代と50年代に2回 映画化もされている。

🎬"MAEOKI"_🍿

今回紹介するのは、1950年代版の映画。

記事タイトルの通り邦題は「夜も夜もすがら」。
(ちなみに'30年代版は「海は桃色」という
題らしい…うーん、謎である🤔)


ビング・クロスビー
ドナルド・オコナー
W主演、そしてミッツィ・ゲイナー
ジジ・ジャンメールのWヒロイン。

オコナー/ゲイナー  💍 ジャンメール/クロスビー


しかし、実はこの映画、元の舞台や'30年代版とはかなり脚本が違うらしく レビューでは「ほぼオリジナル」と称されて、世間的評価はまちまちである。


あるの…だが!!
(ぜひぜひ魅力を語らせて欲しい)



確かに脚本はちょっとばかし雑、だがしかし
ユーモアたっぷりの台詞の言い回しや演出、
キャストの俳優さん女優さんも豪華で、
その魅力を引き出す衣装やダンスも絶妙。
とにかくお洒落な映画なのだ🙌

そして耳に残る素敵なナンバーも多い。
ロマンチックなラブソングから定番ギャグをとばすコミックソング、映画ならではのセットを大きく使って踊るナンバーまで楽しめる。

'40~'50年代🇺🇸ミュージカル好きにはぜひ
おすすめしたい、見応え抜群な作品である。


ドナルド・オコナーが
「Sing You Sinners(1938)」で親子ほど歳の離れた兄弟を演じたクロスビーとは"相棒"に、
「ショウほど素敵な商売はない(1954)」で姉弟を演じたゲイナーとは"恋人"になるという
なんだか面白い再共演の映画でもある💐


 🎬"zatsu na ARASUZI"_🍿

ミュージカル界のベテラン俳優 ビル(クロスビー)と、TV界で人気を博すスターの テッド(オコナー)は、次の舞台で共演することになった。

そして彼らは主演女優を探してヨーロッパへ。ところが 1人の主演女優枠に対し、
ビルは英国でダンサーのパッツィ(ゲイナー)を、テッドは仏国でバレリーナのギャビー(ジャンメール)に、それぞれ舞台の約束をしてしまう。

「役にぴったりの女優が見つかったんだ!」の
台詞を用意しつつ それぞれ得意顔の彼らは、乗り込んだアメリカ行きの船内で、お互いが犯したミスに気づき頭を抱える。
 一方で何も知らない女性陣はそれぞれブロードウェイの舞台を夢見つつ船へ乗り込むのだった。

そして対面したビルはギャビーと、テッドはパッツィと恋に落ちてしまうからまた大変。
 心象が複雑に絡んだ4人を乗せて、船はアメリカへと出発する…



👇以下で紹介するナンバー「Anything goes」は、ビルが訪れたロンドンの劇場でパッツィが歌い踊る一曲。
この舞台をみてビルは彼女に才能を感じ、主演女優にスカウトするのだった。


🎬"SONG"_🍿

Anything Goes(1956 movie ver.)

☝️曲自体は(0:50)から。
ちなみにビルの横の席に腰掛ける紳士は、
実は娘の舞台を応援しにきたパッツィのお父さんである。

💃

In olden days a glimpse of stocking
Was looked on as something shocking
昔は ストッキングをチラ見しただけで
ショックな気分がしたもんなのに

Now heaven knows
Anything goes
それが 今じゃどう? 神様もご存知の通り
何でもありよ

Good authors to
Who once knew better words
Now only use three letter words
Writing prose
Anything goes
かつてはセンス良かった作家さん
それが 今じゃどう? 俗な言葉ばっかり使って
散文なんて書いてるのね
何でもありよ

The world has gone mad today
And good's bad today
And black's white today
And day's night today
世の中はすっかり狂ってくみたい
きのうの良いは悪いに
クロはシロに
昼間は夜中になる
When most guys today
That women prize today
Are just silly gigolos
今や 女に褒められる男はおバカなジゴロばっか

So if romances what you crave though
sits down and hands behaven like Eskimo
Anything goes
だからもし貴方が恋に飢えてるなら
エスキモーみたいに座って手を振ればいいわ
何でもありなんだから

💃

When listeners go to drama classes
To learn how the pleases mass on TV show
Anything goes
ラジオ好きが芝居の勉強をするのは
TVショウで大衆を喜ばせるためですって
何でもありよ


And when look graceful dance spread on
To leave grandpa stage on glamorous talk
Anything goes
お上品なダンスが流行るなら
ド派手な講演舞台におじいちゃんを
置き去りにしてもいいわよね
何でもありよ

Considerable books we've got
The new looks we've got
たくさんの本だって
垢抜けた見た目だって私達のものだし
The pool of bads we've got
The matters we've got
世の中はイカした奴だらけだし
まあそれが問題でもあるんだけど

Crazy games we've got
Ladies and men we've got
Reach hurricane that grows
ゲームははじまってるの
皆様もちろん準備はできてるでしょ?
嵐が吹き荒れるわよ!

💃

Hey oh you
Jew's new jaws
Get you some pop your toes
ねえ ユダヤ教徒もお喋りになるし
貴方もダンサーになれる時代よ

It's a proposal
You know
Anything goes
貴方だって わかってるでしょ?
世の中は何でもありよ!


(※公式歌詞が無いので途中から完全リスニングのみでお届け…怪しいところもあります🙏)

🎬"Anything goes"_🍿

 ゲイナーの華やかなダンスに思わず見とれてしまうワンシーン。
セクシーな衣装も着こなすけどマリリン・モンロー系よりはさっぱりとしていて、パキッと明るく親しみやすい笑顔がまたキュート😍


ちなみに有名な曲らしいのでご存知の方も多いかもしれないが、原曲はこれよりもかなりヤンチャな歌詞(ググれば出てきます)で、1956年当時の映画制作時には検閲が入ったそう。

そんなわけで少し歌詞はマイルドになってるらしいのだが、「four letter word」を「three letter word」に変更していたりと なんだか
基準がよくわからない、検閲との鬼ごっこみたいなアレンジで今から見るとちょっと愛しくも不器用👀



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