仕事では言わないほうが良いことがある
部下の一言
以前ドラッグストアで店長をしていたときに部下からこのようなことを言われたことがある。
「販売コンクールの目標が達成できたので、次回のコンクール目標が高くならないようにあとは抑えます♪」
確かにコンクールの目標は際限なく上がる。実際に上限はあるのだが、一度異常値を出すとほぼ同じ金額水準が次回のコンクール目標になる。そして、次回のコンクールはたとえ周りの店より販売していても、目標進捗が良くないとマネージャーあたりから叱咤されることになる。このようなことが起こるから、社員の中には目標がなるべく上がらないように、コンクール目標をギリギリ達成するくらいにとどめておきたいのである。
この時は彼女の性格もわかっていたので
「現場のスタッフが前向きに販売に取り組めるように目標の設定の仕方を考えてくれたらいいのにね」
とだけ答えました。
彼女には伝えませんでしたが、仕事では言わないほうが良いことがあります。
そして今回の彼女の発言は「言わないほうが良い」方に分類されます。
確かにコンクール目標は達成する度にどんどん上がって行きます。頑張れば頑張るほど次が辛くなります。
それは私もわかります。
この場合、彼女は「あとは抑えます」と言うよりも、「目標達成できました!引き続き頑張ります」と言うか、何も言わないほうが良かったでしょう。
人の考えは他人にはわかりません。彼女はネガティブな発言をすることで、自分で自分の評価を下げるきっかけを作ってしまったのです。
仕事では言わないほうが良いことがある
この発言の何が問題か
組織の意向に関係なく自分で勝手にボーダーラインを決めている
上司などの意向を汲まずに勝手に「もう取り組まない」とボーダーラインを決めてしまうとで、上司には身勝手な印象を与えてしまいます。
もしかしたら上司はもう少し成果を出したいと考えているかもしれません。
このような発言をすることで、彼女は「自分は会社の都合よりも自分の都合を優先する人である」ことを相手に印象付けてしまう可能性があるのです。
これは上司からの評価にはマイナスに働くことはあってもプラスに働くことはありません。
彼女は「あとは抑えます」と言う前に、上司に「目標達成しましたので、残りの期間は無理に商品をおすすめしなくても大丈夫でしょうか」などと一言聞くべきでした。
そうすることで上司から「エリアの進捗がいまいちで、当店で実績を牽引したいからもう少しがんばってくれないか」や「そうだね、もう充分がんばってもらえたからあとは普通に取り組んでもらえれば良いです」など、何かしらの返答をもらえたことでしょう。
その返答に対して「かしこまりました」と快く返事をすれば、上司の顔を立てることもでき、彼女に対しての印象が悪くなることはなかったでしょう。
例えその後のアクションが全く同じだったとしてもです。
手綱を緩めるとしてもその緩め方が大事です。
それなりに実力のある彼女も、今後社内で今のポディションよりも上がることはないでしょう。
実力以前に、コミュニケーションの取り方で損をしている方は多いのではないか。
そんなことを考えるきっかけになったひとときでした。
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