自作チーズを熟成させよう~ロークフォール編~

自作チーズ作りが上手くできたので記事を書く。
前回の記事はこちら。

ロックフォールチーズは最低でも60日は熟成させるのだが、作者が我慢できなかったのと、ゴールデンウィーク中に食べれば食中毒に当たっても大丈夫という判断で熟成45日程度で食べた。まだチーズは残っているので熟成期間の変化で味がどう変わるかは検証する。

毎日のお世話

朝晩ひっくり返してタッパーに敷いてあるキッチンペーパーを取り替える。ひっくり返すことでチーズ内の水分を均一に抜く。これを怠ると雑菌が繁殖するので、どんなに忙しくてもキッチンペーパーは必ず取り替えていた。

熟成から10日

チーズの横に割りばしでスピアリング(穴を開けること。青カビの繁殖には酸素が欲しいので酸素を送り込むための穴を開ける)を行う。
スピアリングから5日程度でチーズの表面に青カビが生える。10日もすれば目に見える広さで青カビが生える。

青カビが少し生えた

熟成から20日

熟成から20日まではチーズの表面に塩水とPenicillium roquefortiを溶かした水溶液を朝晩毎日吹きかける。熟成から20日以降は青カビの繁殖速度が上がったのでPenicillium roquefortiを溶かした水溶液を振りかけるのをやめた。
食中毒対策で塩も多めに添加して脱水させるようにした。


驚きの青さ


熟成から30日

この辺りから世話が適当になってくる。日によって塩を振りかけたり、振りかけなかったりと世話が雑になる。
チーズの表面を見て「なんか水分が足りないな」と思ったら、塩水を霧吹きでかけていた。フィーリングである。

正直、最初の段階で塩を大量に入れていたので多少手は抜いても大丈夫だという自信があった。

世話が雑になっても、チーズを上下に反転させるのとキッチンペーパーの取り替えだけは欠かさずに行った。

いざ実食

熟成から45日程度。

チーズ表面の凹凸に青カビが生える

チーズを切断する。ロックフォールやゴルゴンゾーラのように内部に青カビが生えていれば成功。

が、しかし……!

内部は普通のチーズ


たいして生えていなかった。表面にうっすらあるかなレベル。

結構力を入れないと切れないくらいの固さだったので、水分を抜き過ぎて内部まで青カビを生やすのができなかったのではと仮説を立てた。
表面に青カビが生えていたのは霧吹きで水分を与えられていたから?
スピアリングした内部の穴は水分がほとんどない状態で青カビが生育できない環境であった。

ゴルゴンゾーラ(イタリアの青カビチーズ。製法はロックフォールとそんなに変わらない)作成動画を調べたが、スピアリングしている場面のチーズは水分が多そうである。

チーズの水分が多すぎても、湿度の高い日本だと雑菌の繁殖リスクの方が怖い。なるべく塩を多めに振った方が安全な気がする。

製法はともかく、実際に食べてみる……!


切り方が汚い

お味は……!

これチーズだ!!!

しっかりとチーズの味がした。市販品によくあるチーズの味。ヨーグルトの乳酸菌を使った時はヨーグルト由来の酸味があったのだが、今回は酸味がない。
やっぱ本物のスターターには敵わんのじゃけぇ。

青カビチーズ特有のピリッとした刺激は青カビを狙って食べると味わえた。あの刺激は青カビの味。チーズの内部(青カビの生えていない部分)には刺激がなかった。

青カビチーズ特有の刺激はいまいち足りないが、これくらいの刺激でも十分な気がする。
市販のゴルゴンゾーラは味が強すぎて単品で食べるのは難しく、ソースにして食べた。自己主張が強すぎる。

自作青カビチーズは単体で食べられる程度の味。
塩を大量に入れた割にはしょっぱすぎず、いくらでも食べられてしまう美味しさであった。

まとめ

思ったよりは青カビチーズの味だった。
スターターから作れる量を考えると、自作チーズのコスパはいい。冷蔵庫の一角を常に占領するデメリットはあるけど。

自作チーズは少しずつ削りながら食べると長く楽しめる。

白カビチーズもその内作る予定。

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