コーヒー農園ツアーへ行ってきた

チェンマイのコーヒー農園ツアーへ行ってきた。
同行する友人がコーヒー好きで「コーヒー農園の見学は面白そうだ」と考えてのチョイス。

事前に日本からツアーを予約してホテルでピックアップしてもらうタイプの半日ツアー。旅行会社のサイトが生きているかどうか不明だったが(お問い合わせフォームが壊れていた。HTMLがなってない)、メールの返信がすぐに返ってきたので「まあ生きてるでしょ」の感覚でツアー代金を支払った。

ツアー当日。「あ~たらしい~朝が来た~!」とラジオ体操の冒頭を口ずさむくらいテンションが上がっていた。旅行中はテンションがおかしくなる。

車の迎えは8:20に来た。事前に伝えられたのが8:00~8:30なので妥当な時間。チェンマイの市街地から片道1時間程度の道のり。

山道をひたすら進む。道中見かける車が全部日本車で山道も静岡県っぽい。「ここは日本か!?」と錯覚した。山道を進むとバナナが減るので南国要素が少なくなる。

曲がりくねった道をひたすら進むとコーヒー農園があった。
コーヒー農園といってもサイズは個人農家が営む農場くらいのサイズ。小規模農家。ばあちゃんが一人で営めるくらいの規模である。

生のコーヒーチェリーを見てテンションが上がる。
「コーヒーだ!コーヒーだ!うわすっげぇ!」
語彙力とIQが著しく低下した。


コーヒーの広告でよく見る風景

コーヒーチェリーを食べる。コーヒーの収穫期はタイだと12~2月でまだシーズンとしては早い。実の色が赤くなったら収穫する。大半の実はまだ緑色か30%ほどの赤みである。皮を剥いてコーヒーチェリーを口にした。


酸味も甘味もない果実は珍しい

味は酸味も甘味もない。果肉部分はほとんどなく、大半が種子であった。種子の占める面積が大きいのはカカオに近いものがある。品種改良を実感した。

ここで栽培しているのはアラビカ種とイエローブルボン。イエローブルボンはブラジル産が大半であり、タイのイエローブルボンは珍しいとのこと。


ブルボンだからレユニオン島原産?

コーヒー栽培は実が収穫できるようになるのに3年、本格的な収穫ができるのは5年かかる。15年目までは収量が増えるが、それ以降は減少に転じる。30年経過したら木を切るサイクル。
投資した資金の回収ができるのが3年目以降と考えると規模を拡大して単価を下げないと割に合わない。なぜこの小規模で経営できるのか謎。

直射日光を避けるためシェイドツリーの間にコーヒーを植える

ここの農園は100%有機農法でコーヒーパルプも発酵させて堆肥にしているとのこと。農薬代や肥料代を安く抑えられているなら採算が取れるのかなぁ?

橋がインディ・ジョーンズ

コーヒーの花のお茶を飲んだ。味はハーブティーにありそうな味。ものすごい美味しいわけでもなく、マズいわけでもない普通の味。コーヒーの花は収穫期にしか採取できず、鮮度の維持も難しいためタイ国内でも流通していない。コーヒー農家くらいしか飲めない代物。


見た目も味もハーブティー
コーヒーの花

香りのテイスティングを行う。「バニラのような香り」とか「柑橘類のような香り」とかを当てる。「どこかで嗅いだことあるけど思い出せない」。そんな香りが多い。香りの嗅ぎ方がコカインみたいな吸い方だと友人に指摘される。


精油。バイヤーでないと吸う機会がない

昼ごはんを食べる。カボチャの煮物、チキンスープ、ジャスミンライス。厨房で作った料理でタイ現地の味がした。カボチャの煮物は優しい味、チキンスープはレモングラスの香りがして辛かった。
ジャスミンライスは軽いのでバクバク食べられる。


どこか懐かしい味がする
ばあちゃんが作ってくれた

食後のフルーツはバナナとロンガン。ロンガンは美味しすぎて驚いた。タイ現地でもこんなに美味しいロンガンを食べたことがない。畑で取れたものを出しているらしく、鮮度が市場に流通しているものと全然違う。

日本で食べたロンガンは劣化版ライチのような味で美味しいと思えなかったが、今回食べたロンガンはとても美味しかった。
「本当に美味しいロンガンを見せてあげますよ」と美味しんぼのようなセリフを実際に言うとは思わなかった。


ロンガン。市場で売っている物とは色艶が違う


味はライチっぽい

カカオも栽培しており、生のカカオを食べる。
タイ産のカカオポッドは植物検疫で引っかかるようになったため現地でないと食べられない。品種は恐らくフォラステロ種。
農園が標高1,200mの所にあり、収量もそんなにないので市場には出さずに自家消費しているとのこと。
味は劣化版ライチのような味。いつものカカオポッドの味。


木になったカカオ。まだ収穫の時期ではなかった


カカオポッド。いつもの味だった

利きコーヒーを行う。タイ、エチオピア、ホンジュラス、ジャマイカが選択肢でどれがどれかを当てる。一応香りに関するヒントはあるが、中々難しい。目が真剣過ぎて、ガイドに「なんでそんなに深刻そうな顔なの?」と言われるくらい真剣な顔だった。外すと血を抜かれるタイプの利きコーヒー。

粉とお湯を入れた直後では香りが異なる
テイスティングすればするほど選択肢に自信がなくなる

「普段飲んでいるコーヒーと違う味はホンジュラスかジャマイカである」の理屈で選択肢を絞った結果、4問中2問正解。
タイのコーヒーはエチオピアのと味や香りが似ている。グアテマラやジャマイカのコーヒーは苦くて飲みにくいが、タイ産は軽めで飲みやすい。毎日飲める味。

自分で焙煎を行う。コーヒー豆の焙煎は初めて。初めてのコーヒー焙煎がタイのコーヒー農園は中々恵まれた境遇である。

生豆を量る


ぐるぐる回って自動で焙煎してくれる。日本だと見ない機械


焙煎した豆を送風で冷やす

お湯で抽出物を割るアメリカン式で飲む。苦味が少なくて飲みやすい。


飲みやすい味

コーヒーの苗木を植えた。鍬を持って耕す。たとえ旅行中であっても鍬を見たら耕す農奴の鑑。鍬を積極的に取りに行く観光客は珍しいのか、ガイドはゲラゲラ笑っていた。


旅行中でも畑を耕す農奴の鑑

コーヒーの製造工程を一通り見た。パルプを取り除いたら5日間水に漬けて発酵させる。その後は天日干しで乾かす。

パルプを取り除く機械


コーヒーパルプ。ショウジョウバエがたくさんいた


水に5日間浸けて発酵させる


洗濯物を干してあるのが生活感を感じさせる
果肉つきで干すのもある

農園の後はコーヒーショップでカフェラテを飲んだ。その後はホテルにまで送迎される。
半日ツアーで至れり尽くせりであった。

のどかな風景
イカしたテラス

感想

ガイドが付きっきりで解説も丁寧(全部英語。多少英語が拙くてもコーヒーについての知識があればぼんやりわかる)、珍しい体験が色々できて大満足だった。
コーヒーが好き、最近は産地の違いが気になってきたレベルのコーヒー好きなら十分に楽しめるツアー。

旅行会社はこちらから予約した。予約フォームが壊れているのでメールで問い合わせてPayPalで支払えば予約完了。

大人の社会科見学は面白かった。また何か企画したい。

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