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ぴったりの言葉

昨日の記事を書きながら、何かこれではないもう少し別の感覚を書きたいと思っている感じがあった。それが今日、散歩していたらふっと浮かんできた。

私が心に引っかかっていた言葉は、親バカじゃなくて、子煩悩だ。まあ似たようなものだと思う人もいるかもしれないが、私の中には異なるイメージがある。子煩悩という言葉には、ニコニコしている父親のイメージがある。

子煩悩な父親は、子どもと過ごしている時に楽しそうなのだ。それは、子どもと過ごしていることが楽しいからだ。
そう。楽しいから、楽しそうなのだ。

覚えている。友達のお父さんが、とても楽しそうに友達の写真を撮っていた。あれは陸上部の最後の試合だった。へえ、お父さんってこんなに子どものやっていることに関心を持って、まるで自分のことみたいに嬉しそうにするんだ。そんな人もいるんだな、と思った。後日、友達と一緒に写った写真を引き伸ばして記念にプレゼントしてくれた。

寂しかったのかもしれない。その時はそうは思わず、不思議な気持ちだった。私の中には、親の気持ちを理解したい、喜ばせたい、一緒に笑いたいって気持ちがあるのに、親がどうやら私に対してそう思ってないみたいって、やっぱり変なのかなぁと。記録なんて聞かれたことない。試合に来たこともない。興味もなさそうだった。
中学も高校も大学も、私が大切にしていたものが何か、どうしてそれを大切にしているのか、知らないだろう。知りたいとも思っていなかった。纏っている空気が交わっていなかったのだから。なんと分厚い壁だったのか。

今、息子を抱っこ紐で一緒に散歩しながら感じるのは、やっぱり変だったよなあ、ということ。こんなにかわいいのにさ。

何を見て、何を聞いて、何を感じているのか。知りたいし、共有したい。大人になっていくのを見守りたい。
黙っていても、彼の中で言葉にならないいろんな感情が生まれては消えていっているのがわかる。
言葉を話せるようになるのが楽しみだよ。

子煩悩ってさ、当たり前じゃないのかよ。こんなにかわいいのにさ。かわいくて仕方ないのに。
信じられない。

かわいいのになあ

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