希死念慮と生きていく

【2021年4月の書き溜め】

入社式を終えた4月1日、帰りの電車の中で理由も判らず泣いた。

それから毎日社員証をピッてして出社して、目まぐるしく動く職場の人と数字とプリンターに気が狂いそうになりながら退社の瞬間まではなんとか笑顔でいて、夏の暑さにやられたり秋の寒暖差に体調を崩したり冬になってありえないくらい雪が降ったりして、気づけば私というデッキの”新卒”という名のカードの有効期限は切れていた。


そうやって2度目の春が来て、2年目になって、それでも新人の名札は消えてくれなかった。

どう考えても見落とす筈がない書類の不備を直してもらうために往復2時間掛けて客先に向かったり、電話でしどろもどろになりながら顔も見た事のない人に挨拶をして、どんどんか弱くなっていく語気と電話の向こうのイライラに耐えられなくなって急いで電話を切る。朝から晩まで携帯は鳴る。

通知が鳴る度、心臓がキュッてなる日々ばかり。

それでも相変わらず、気が狂いそうになりながら働いている。同期は半分辞めた。

「死にたい」と漠然と思うようになったのはいつからだっただろうか。



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