ペンシルテストを知らない、アニメーションオタクたち。(私も知らなかった)

突然ですか、ペンシルテストをご存知でしょうか?私も最近読んだAM文庫「長靴をはいた猫」で、重鎮、森やすじさんと大塚康生さんが座談会で言及されて、初めて知ったことです。一部抜粋
森「長編の頃は、原画のペンシルテストがあったんですよ。下手に描くと試写室のどっかからせせら笑いが起きる。だから必死になりますよね。」
大塚「ペンシルテストをやってた時代は、タイミングを直したりできて、すごく良かったですね。で、つぎにラッシュを見て、音がついた状態で見る。このなんべんも見ることが大事。自分の欠点を知る上で。」
ペンシルテストの歴史を知りたくて検索をかけたら、今から90年前、ホイチョイ馬場康夫さんの言う「破壊と毒素に満ちた、輝かしい秀逸な作品を大量に贈り出した」1930年代のウォルトディズニースタジオが発明したようです。
「ただ動かすだけなら、そのキャラクターは魂が抜けた、ただのドローイング」というウォルトの言葉に、大塚康生さんの「キャラクターは演技者であれ」のさらにはるか高みを目指す志を感じました。私がアニメーションを見る動機もこれだ、と思ったわけです。
なるほど、「ロードオブザリング旅の仲間」の馳夫さんのように、セリフを喋らずとも、ヴィゴの肉体の全身の動きで、人となりを表現するのがパーソナリティ(人格)・アニメーション、直訳「命を吹き込む魔法」なのだと。
その視点で見れば、2010年代、2020年代の日本のテレビアニメーションが私が好きなのも納得です。
本当に長生きはするものです。

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