お天気フェアリー ゲート・オブ・ウェザー

 遊戯王には天気という検索がしち面倒くさいカテゴリがあります。知らない人は覚えていってください。永続魔法・永続罠がモンスターに効果を付与するという独自路線のカテゴリです。これが、最近情報が公開されたアニメ遊☆戯☆王ZEXALのドン・サウザンドが使ったカテゴリ「ヌメロン」と相性がいいのです。

 この記事ではゲート・オブ・ヌメロンと混交の構築を紹介しつつ天気というカテゴリの紹介を簡単にしていきます。天気に関しては他にも記事を書いているので、気になった方はそちらもご覧ください。

 とはいえ天気というカテゴリそのものを知らない人も多いでしょう。なので、まず天気の紹介をして、それからヌメロンとの混交を見ていくことにします。

天気とは

 最初に天気の特性を紹介します。まず基本的な事柄から。

 天気モンスター(以下固有名詞)と天気永続魔法・罠(以下○○模様)を並べて展開・後続確保・除去をこなすデッキです。往年の除去ガジェット(えっもう10年以上前?!)に近い雰囲気もありますが、展開と後続確保に重点を置いて除去力が若干弱くなった感じです。ただし、除去はカテゴリ内で確保できるため、誘発や除去等の妨害手段を外から持ってくることも可能です。
 また、近年に珍しく墓地利用をほとんど行いません。加えて3軸における針リンクロスやオルフェゴールのアナコンダドラグーン、ドラグマ召喚獣(with 恐竜 and シャドール)のようにカテゴリ外から展開カードを持ってきたり別カテゴリと混ぜたりは基本的に行いません。やるとしても3~5枚程度です。これは、デッキギミックの枠が多く誘発や汎用カードを入れるとデッキがほぼ埋まってしまうこともありますが、展開が低速で混ぜ物を行う余裕が無いためです。
 このように、遅いわ枠を取るわで現代遊戯王に慣れてしまった人には物足りなく感じるかもしれません。ですが、毎ターンアドを失わずに同じ動きができたりいつの間にか相手が疲弊していたりと面白い要素もちゃんとあります。一度に100%の力は出せなくても継続的に60%の力は出せます。
 あと可愛い。

デッキと各カードの採用理由

天気(ヌメロン)

 ごく基本的な天気にヌメロンを搭載した形です。以下採用理由等説明をしていきます。最初に天気カード、次に汎用、ヌメロン、最後にその他のカードの順です。

天気
●雷天気ターメル
 下級最高打点と、永続札を天気模様に張り替えられる小回りの利くモンスター。初動の安定のためにも3積み必須。自力でスキドレを解除できるのも大きいです。ただし張り替えは墓地送りがコストなのでマクロコスモス下だと使えません。

●曇天気スレット
 表側表示の天気が墓地に送られると、墓地の天気模様を2枚まで場に出せるモンスター。ターメルと共に使うと天気模様が増える。天気モンスターと天気模様が揃わないと動けないので3枚。強金等のドローソースがあれば2枚でもいいでしょう。

●雪天気シエル
 天気最強の初動なので3積み必須。デッキから天気模様を直接出せるので罠の天気模様も即座に効果を使えます。うららに引っかからないのも高ポイント。守備力もサイドラライン(もう死語か?)を越えているので雷の天気模様(後述)と合わせて戦闘破壊も難しいです。

●極天気ランブラ
 天気模様に破壊耐性と対象耐性を与えるモンスター。ダメステでも安全(スレットはダメステ不可能)だし対象を取って無効にする系統にも強いです。仮想敵はコズミック・サイクロン。天気モンスターの中で最高打点なので詰めに使いやすい。ただし上級なので1枚。通常召喚時に天気模様を出せる効果があるらしい(使うことはほぼ無い)。

●雪の天気模様
 天気模様の最強カード。何があっても3積み。天気モンスターに万能の天気サーチを付与する永続魔法。効果適用後にサーチ不可の制約がつくものの、適用前なら同一チェーン上で何度効果を使用してもいいため、天気が除去や対象を取る効果にめっぽう強くなる。あとうららで1度サーチを無効にされてももう1度使えるのが強い。

●雨の天気模様
 相手の魔法・罠バウンスを付与する永続魔法。バウンスなので一時しのぎにしかならないので、同名ターン1効果やエンドサイク的に使うことが基本。初動に関係なく、相手によっては使わないこともあるので1枚。

●雷の天気模様
 戦闘を介するものの、相手モンスターを対象を取らずに手札へとバウンスができるほぼ最強の除去を付与する永続罠。天気のメイン除去なので2枚。メインのモンスターにはほぼ意味が無いがEXから出てくる相手にはかなり強い。さりげなくダメージステップにモンスターの増減を行うので、効果を受けないモンスターや効果を無効にされてもバトルの巻き戻しが行われず戦闘自体を終了できる。

●虹の天気模様
 同名以外の天気モンスターをデッキから特殊召喚を付与する永続罠。罠かつ相手にモンスターを要求するので少し遅いが、あるのと無いのでは展開力は段違いになる。これも雪模様と同じく効果適用後のリクルートを封じるが同一チェーン上で何度も発動できる。罠だったり後半は使わなくなるので2枚。1枚でいいかもしれない。あとうららで(ry

汎用
●原始生命態ニビル
 モンスター5体以上出すと飛んでくる隕石。天気は大量展開に弱いのでメインから入れておきたいです。サイドに複数積みも視野に入れていいかも。

●海亀壊獣ガメシエル
 ガメラ2レギオン襲来、ガメラ3邪神〈イリス〉覚醒が5月末までGYAO!で無料で見られますよ。安定の単体除去だけど雷模様で使い回せるのが強い。単体のシエルを突破できない。

●灰流うらら
 制限解除された春のつよつよ手札誘発妖怪幼女。説明不要とりあえず3積み。EXに余裕があれば灼熱の火霊使いヒータの素材になれるので相手のうららを奪ってリンクを伸ばせる。

●増殖するG
 天気は初動が少ないので3積みたいけど今回は除外系が多いので1。最近だと召喚獣ドラグマ相手にはあまり効果が無いし。

●テラ・フォーミング
 後述のヌメロンを持ってくるためのカード。他にフィールド魔法を採用していたり除外を使うためヌメロン・ウォールよりこちらを優先。防御面を考えるとヌメロン・ウォールの方が優秀なんだけど。

●無限泡影
 ヴェーラーだと除外系に引っかかるため。また、ヌメロンからのホープ・ゼアルが増えるのを警戒して。永続系がフィールドを圧迫するため使い方にはやや注意。

ヌメロン
●ヌメロン・ネットワーク
 ヌメロン・ダイレクト専用に去勢されてしまった可哀想なフィールド魔法。素材を取り除かなくていい効果がヌメロニアス系にどう影響するか。必須枠3。

●ヌメロン・ダイレクト
 ゲート・オブ・ヌメロンを展開する通常魔法。縛りに「Xモンスターしか特殊召喚できない」って文言が抜けていると思う。天気は自分から場を離れるので序盤中盤終盤の全てで使えるので2枚。

その他
●王家の眠る谷-ネクロバレー-
 墓地の利用を制限するフィールド魔法枠。この天気は墓地を使わないので関係ない。テラフォのサーチ先として優秀なので1枚。

●次元の裂け目
 言わずと知れたシステム干渉系永続魔法。モンスターは墓地へ行かず除外される。この天気は墓地を使わないので関係ないし拘束力が高いので3積み。エルドリッチと交換するカード。ヌメロンが除外されるのでたまにカオスシニューニャのダメージがすごいことになる。

●マクロコスモス
 言わずと知れたシステム干渉系永続罠。全てのカードは墓地へ行かず除外される。この天気は墓地を使わないので関係なさそうに見えてターメルの張り替えが封じられるので少しつらい。1枚。

●スキルドレイン
 言わずと知れたシステム干渉系永続罠。表側表示のモンスターは効果が無効化されるが効果解決時にフィールドを離れていれば問題ないし天気の除外はコストなので問題ない。3積み。

エクストラデッキ
●No. 1~4、CNo. 1
 ゲート・オブ・ヌメロンズ。打点に素材に八面六臂の働きをする。コピペ4兄弟と全体除去合体形。2回使えるように4兄弟は2枚ずつ。

●SNo. 0 ホープ・ゼアル
 ゲート・オブ・ヌメロンズの変換先その1。攻守2000の全体効果封じというかショックルーラー詰め合わせ。天気は序盤が脆いので時間稼ぎに丁度いい。

●幻影騎士団ブレイクソード
 ランク3最強の除去モンスター。天気模様を破壊することでスレットの起動も可能。また、自爆することでヌメロン・ダイレクトの条件も満たせる。

●No. 47 ナイトメア・シャーク
 ランク3で盤面無視して2000ダメージを叩き込む鮫。たまに引導火力。

●虹天気アルシエル
 万能無効をリンク先の天気モンスターに付与する女神。リンク3と重すぎるのが玉に瑕だが出せば勝てる(≒出せる状況なら勝てる状況になってる)。天気同士のミラーだと先に出した方が有利を取れる。地味に昇天の黒角笛を内蔵してるので単独でも使い道はある。

●召命の神弓-アポロウーサ
 ゲート・オブ・ヌメロンズの変換先その2。4回までモンスター効果を無効にできる。ヴァレル系列等の火力に変えてもいい枠。

●鎖龍蛇-スカルデット
 ゲート・オブ・ヌメロンズの変換先その3。手札が揃わない時にリセマラできる。ホープ・ゼアルは時間稼ぎだがこちらは未来の先取り。4ターン後までを見ることで裂け目やスキドレ、足りない天気パーツを引き込む。基本的にこれが一番強い天気の初動かもしれないことに戦慄している。
 地味に天気の攻撃力が上がるのが強い。

不採用カード
●曇りの天気模様
 直接攻撃してる暇は無いし防御には雷模様があるし。フリチェで打点を下げられるとして、下げたところでモンスターは残る。ライトニングくらいしか使いたい相手がいない。

●オーロラの天気模様
 入れたいけど枠がキツイ。虹模様と入れ替えてもいいかしら? 召喚魔術みたいな再利用の難しいキーカードや制限カード相手に使うと嫌な顔をされる。

●エルドリッチ関連
 除外系との兼ね合い。サイドには入れよう。

●通告、宣告等の神のカウンター罠
 ヌメロン特攻やスキドレでライフが減るため他のカードでライフを減らしたくないため。止め所をきちんと決めれば強いのだけれど。

●魔鍾洞
 ドラグーンの囮にいいかもだけど自分で除去できないと徐々に自分の首を絞めることになるため。発動したターンで決着をつけられない天気の展開力の低さは侮れない。

●強欲で金満な壺
 ヌメロンがEXを多く使っているので不採用。普段なら3積みです。

●リンク霊使い
 EXがヌメロンで埋まって枠が無いです。サイドになら入れていいかも。

ヌメロンと混ぜるメリット

 ヌメロンと混交するメリットは3つあります。

①:メインが少スロット
 天気はメインデッキを多く使い、そのうち数枚が揃わないと満足に機能しません。これにより、メインの枠を多く使いたくないのです。最少の枚数はネットワーク3とダイレクト2の5枚。エルドリッチ出張が4枚なので同じくらいです。
 また、EXは潤沢に余っているのでここを使うのは問題ありません。

②:ヌメロン後の出力先がいくつかある
 ゲート・オブ・ヌメロンを展開した後、もう1度だけモンスターを出せます。この構築ではヌメロンズの出力先を2種に分けています。
 1つ目は妨害。ホープ・ゼアルかアポロウーサで相手の動きを縛ります。天気だけだと盤面が不安なのでちょうどいいです。
 2つ目は手札増強。天気は雪模様でしか手札を整えられません。なのでスカルデットを使って手札を肥やし必要なカードを引き込みます。この時、複数枚あった天気カードを戻すことでデッキリソースの回復にもなります。

③:火力増強
 天気は火力が低いです。最高攻撃力が2400、除去は戦闘を介して自分のモンスターを使って、です。基本的に、1ターンで与えられるダメージは2000前後くらい? ワンショットキルはほぼ不可能です。しかしヌメロンなら攻撃表示のモンスターがいるだけで最高8000打点が出ます。天気は自分から場を離れられるのでいつでもヌメロンを叩き込めます。

④:フィールド魔法である
 モンスターゾーンや魔法&罠ゾーンを圧迫しないので天気の動きの邪魔をしません。出力先もEXゾーンを使えばいいですし、変換しなくても勝手に除外されます。

ヌメロンと混ぜるデメリット

 一応、デメリットもあります。

①:強欲で金満な壺が使えない
 EXを使わないデッキの強欲な壺こと強金が使えないのは少し痛いです。手札増強はスカルデットがあるとはいえ、モンスターなので妨害も受けやすいですし。

②:スキルドレイン下では効果が使えない
 天気の妨害札と1部相性が良くないです。打点だけを求めるならメガトンゲイルでも入れればいいだけですが……

天気の動き方

 天気の動き方としては、基本的に「雷の天気模様」「雪の天気模様」「虹の天気模様」を並べ、システム系の永続で相手の動きを封じつつ、天気モンスターの面展開を狙います。あとは雷模様で相手のモンスターを場から剥がしながら相手のリソースが尽きるまで同じ繰り返します。

 序盤は戦闘や除去から逃げつつアドを稼ぎ、中盤から終盤はサーチはほどほどにデッキの中のリソース=逃げられる回数を把握しながら段々と相手が動けなくなるのを待ちます。消耗戦です。こちらはサーチとリクルートで往復4枚のアドが稼げるので、動きが遅くなった相手には充分です。逆に言うと序盤で相手が動いてしまうとジリ貧になるのは自分です。

 ただ、相手によってはスキルドレインや次元の裂け目、マクロコスモス、ネクロバレーは大きく刺さります。というよりよほどのことが無い限りほとんどのデッキは動きが大きく制限されます。このようなカードを強く使えるのも天気の強みですね(墓地利用が無く遅いことと引き換えなのは、うん、その通りだけど)。

 ヌメロン・ネットワークからのホープ・ゼアルを含めるとこれらのカードは(裂け目×3+スキルドレイン×3+ネットワーク×3+テラフォ+ネクロバレー+マクロコスモス)12枚。41枚デッキでこれらが初手の5枚の中にある確率は約84.15%。先攻の8割以上でこれらが引けるなら、不利な相手にもそれなりに戦えるでしょう(ヌメロンからスカルデットを出した場合にスキドレや除外系が引ける確率は面倒くさいから求めたくない)。

 また、天気模様の置き方にも工夫が要ります。天気模様は正面と斜め左右の天気モンスターにしか効果を付与しません。なので端に置く天気模様はあまり使わないカードに、真ん中に近づくほど使いたいカードになります。
 基本的に、モンスターを3体除去できるように雷模様は端に置きません。ここを中心として、いつでも逃げられサーチができるように雪模様は3面使いたいです。なので雪模様と雷模様をセットにして中央3列のどこかに配置します(以下の画像参照)。

画像2

 これを中心に、虹の天気模様をどこに配置するかで意見が分かれると思います。

 1つは雪模様と虹模様で雷模様を挟む形です(以下の画像参照)。

画像3

 雷模様を発動できるモンスターが雪模様と虹模様で被っていて、除去も退避も両方こなせそうです。虹模様と雪模様の端側の横が空いているのでどこにいても天気モンスターが逃げられる形です。

 もう1つは雪模様を挟む形です(以下の画像参照)。

画像4

 片側が完全に空いてしまいますし、虹模様も2面しか使えません。ただし、虹模様と雪模様の範囲が被っているのでどちらを先に使うかを選ぶことができます。ついでに雨模様や他の天気模様も3面使えますね。あとは天気モンスターの場所が片側に偏るのでアルシエルを出した時に効果が付与される範囲を被せることもできます。

 天気模様の置き方で考えることは、どれだけ逃げることが必要か、です。虹模様も雪模様もリクルートやサーチを主として考えると、使えるモンスターが多い方がいいでしょう。でも、持ってきた先のモンスターはあまり強くありません。
 対して逃げることを主として考えると選択肢が多い方がいいです。全体除去に対してはサーチで乗り切る、対象を取ればリクルートでモンスターを補充する。その匙加減は相手によるでしょう。ここは難しいところです。

 また、リクルートは場にモンスターが溢れないようにするため最低限しか使わないという考え方もあります。なので虹模様を端にするという考え方もあります。ここら辺は天気を使っている人でも個人差が出る箇所でしょうから、他の人のブログも漁って比較してみてください。正直、基本の部分には1年以上一切の強化が無いのでここで語っていることも1年前に誰かが言っているでしょうし。

終わりに

 天気というカテゴリは弱くない、じゃなくて強い! です。EXゾーンが導入されて位置関係が大きく見直された時代のカテゴリなので手探り感が強いですし癖も強いですが、効果付与という他に類を見ない動きは楽しいですよ。

 あと、天気を使う時はきちんと縦列がはっきり分かれているプレマを使いましょう。いらぬ騒動の元は最初から断ち切っておいた方が身のためです。

 11期では初動の遅さを解消できる新規が来てくれるといいですね……。リンク1で天気模様を場に置けたり、天気をサーチできるフィールド魔法だったり、天気のバウンスを除外に変えたり、天気の効果にチェーンできなくしたり、煩悩は尽きないですよ……魔弾は2枚新規あったじゃろがい。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。ではまたどこかでー

駄文を書くカボチャ。体験を徒然と