サイバー・ドラゴンはどこにいる? ~特殊召喚の処理とモンスターの居場所~

 2021年も終わろうとしている年の瀬、甲虫装機新規を1ヶ月間お預けされて発狂しかけている全世界約1億人のオルフェノク決闘者の皆さんも、ようやく2枚目以降の新規がもらえたけど相変わらず検索性の悪さで発狂しそうな天気ユーザーの皆さんも、いかがお過ごしでしょうか。主はデルフィニア戦記を一気読みしたら2週間経っていてお絵描き予定が完全に崩れました。外伝4巻最高ですシェラかわいい。

 さて、遊戯王にはいくつか複雑というか脳が理解に手間取る処理が存在し、そのため不明だったり意見が食い違う場合には「裁定」という形でKONAMI公式から答えを貰うシステムとなっております。裁定が公式サイトに掲載されるようになった現在でも、その数は不充分と言わざるを得ず、疑問を持つ都度に裁定を問い合わせないといけない状況はあまり変わりません。

 そこで、今回は今年2021年に主がKONAMIから貰った裁定で面白いものを紹介します。といっても確認事項は2つしかありませんが……

 それでは1「特殊召喚に制約がかかっている場合の特殊召喚処理」、2「ルール効果で特殊召喚される場合のチェーン処理」の2編でお送りいたします。

1.特殊召喚に制限がかかっている場合の特殊召喚処理

  遊戯王では、効果処理後に特殊召喚に制約がかかる場合が多々あります。強力な効果には展開に制限を、というわけです。しかしその制約の裏をかいて、あるいはすり抜けて展開をしてやろうというのが決闘者というもの。ならば、すり抜けができる条件にはどんなものがあるのか? というのが疑問の始点でした。
 それが以下のメールでの質問と、回答です。

メール回答

・質問文要約。「電脳堺の特殊召喚効果使うと特殊召喚に制約かかるけど、その後にモンスターを特殊召喚する場合、効果処理中や処理後にレベルが変動する場合はどうなの?」

・回答文要約・翻訳「効果発動前の元々のレベルを参照するよ」

 予想された回答、というか一番当たり前の回答です。効果処理中にレベルが変動する「亡龍の戦慄-デストルドー」と「スポーア」に於いて、元々のレベルが7のデストルドーがレベル1になる場合でも特殊召喚できるのに対し、元々のレベルが1でレベル6として特殊召喚されるスポーアは特殊召喚できません。
 特殊召喚後にレベル2になるたつのこも特殊召喚可能なので、やはり元々のレベルがキーになっているようです。

 似たような例としては、輪廻独断で種族を獣戦士族にされたモンスターを鉄獣の抗戦で蘇生してもリンク召喚処理は行わない、というものがありますね。

 ここから考えると、制約がかかっていても効果発動時のステータスを参照して処理を行えるか判断する、ということになりそうです。

 それではここはサクッと終わらせて主題ともなっている方へ

2.ルール効果で特殊召喚される場合のモンスターの居場所とチェーン処理

 召喚ルール効果という効果分類を聞いたことがあるでしょうか。もしくはルールによる特殊召喚処理、という効果分類はどうでしょう。前者はサイバー・ドラゴンのような、カード効果の発動を伴わずチェーンに乗らない特殊召喚で、後者はシンクロ召喚やリンク召喚のようなルールとして存在するチェーンに乗らない特殊召喚です。

 ですが、さて、この特殊召喚をチェーンブロックに組み込むことが可能な場合もあります。詳しく説明すると「その特殊召喚を無効にする効果をトリガーとしてチェーンを発生させる」行為ですね。大抵はスペルスピード3のカウンター罠ですが、少数スペルスピード2でモンスターの特殊召喚を無効にできる効果を持つカードが存在します。
 しかし、その間、特殊召喚されようとしているモンスターはどこにいるのでしょうか? そこが疑問の始点でした。

 では、メールでの質問と回答です。

メール回答1
メール回答2

・質問文要約「①:サイバー・ドラゴンの特殊召喚を無効にされる時、場が空なら無限泡影を発動できる? ②:あとサイバー・ドラゴンは一滴のコストにできる? ③:ついでにチェーンブロック組まれてるから処理中にモンスター特殊召喚できるけど、サイバー・ドラゴン特殊召喚できる?」

・回答文要約「①:無限泡影は発動できるよ。②:サイバー・ドラゴンは手札にも場にも存在しないから一滴のコストにできないよ。③:特殊召喚処理中に条件が変わってもサイバー・ドラゴンは特殊召喚できるよ」

 ちょっと量が多いので分割します。


 ①:サイバー・ドラゴンの特殊召喚を無効にされる時、場が空なら無限泡影を発動できる?

 チェーンブロックを組まずにモンスターを特殊召喚する際、そのモンスターはフィールドにいるの? という疑問です。それを無限泡影で確認した形ですね。回答はでした。つまりサイバー・ドラゴンはフィールドに存在しないということです。

 これは以前、「サイバー・ドラゴンを特殊召喚する際に、その特殊召喚をライオウで無効にされそうでも無限泡影は発動できない。特殊召喚する予定のモンスターゾーンを使用しているから」という呟きを見たというのもあります。
 まあそんなことは無く、無限泡影は発動できるし特殊召喚する予定のモンスターはフィールドにいませんでした。


 ②:あとサイバー・ドラゴンは一滴のコストにできる?
 

 それでは次の疑問。じゃあ手札にいるの? ってことで、手札と場からコストにできる禁じられた一滴で確認です。こちらの回答はでした。

 まあ当たり前というかなんというか。
 ですが重要なのは回答の1文、「特殊召喚しようとしている「サイバー・ドラゴン」は、手札に存在しておらず、特殊召喚にも成功する前ですのでフィールドにも存在していません。」です。

 つまり、公式から着地前空間の存在がはっきりと示唆されたっていうことです。

 追加で墓地からの特殊召喚ですが、これも着地前空間が存在するようです。

墓地の着地前空間1
墓地の着地前空間2

 これに対して魔法・罠カードの発動の場合は、発動を無効にされようとしているカードを禁じられた一滴のコストにできるように、発動しようとした時点でフィールドに存在する扱いです。

 よって①と②より、特殊召喚しようとしている最中のモンスターは手札にもフィールドにも存在せず、墓地からの場合は墓地にもフィールドにも存在しない扱いです。
 非公式的には着地前空間と呼ばれてるやつです。公式的には「フィールドに置かれているがフィールドには存在しない扱い」みたいです。ライオウ云々の話もここがごっちゃになったことから出てきたものかもしれませんね。

 

③:特殊召喚処理中に条件が変わってもサイバー・ドラゴンは特殊召喚できるよ

 上記の①と②を踏まえて、チェーンブロックを組まない処理の最中に特殊召喚の条件と異なった状況になったとしても特殊召喚は可能か? です。回答はでした。

 これはチェーンブロックを組む特殊召喚の場合でも同じで、状況が変わっても処理を続行するのと似ています。チェーンブロックを組まない処理なので、干渉ができない場合が多くて考慮に入れることもほとんど無かったことですが、こうして比較ができると分かりやすいですね。

 あと、先に理由を考察して「こういう理由だから〇〇という処理ができる/できないのですか」と質問するとそれに沿った理由を回答として載せてくれる可能性が上がるような気がします。


3.あとがき

 今回はルールと裁定の話でした。公式から裁定がもらえるっていいですね。でもポールポジションみたいなクソ裁定の塊を出すと「話し合ってきめるかジャッジ呼んでね」みたいな回答になるので注意しましょう。

 あと、裁定のメールは以下のアドレスから出すことができます。適宜活用して来年も快適な遊戯王ライフを送りましょう。デスフェニと勇者と指名者が減った環境でデュエル! え、勇者まだいるの? 快適って何?

https://ja-support1.konami.com/hc/ja/requests/new?ticket_form_id=900000143666


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