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文アル神戸須磨スタンプラリーに参加しましたという話3

 ということで文アル神戸須磨スタンプラリーレポ第3回。
 第3回。
 およそ半日のスタンプラリー行程の紹介とは思えない長文。
 ちょっと長すぎるんではないかと自分でもひきかけているので今回でおしまいにしたいという算段のもとにがんばります。
 どうぞ応援よろしくお願い申し上げます。

 さて、前回はチェックポイントふたつを有する須磨寺門前まで100メートルというところで雷雨に遭遇し30分間ネパールの祈念場に足止めされた模様をお伝えしました。
 おさらいとして、ネパールの祈念場とチェックポイントの距離感は下記のとおりです。



 あとすこしくらいおまけしてくれてもよかったんやで
 という熱意も残念ながらGPSには伝わらず、雨あがりを待って須磨寺に参りました。
 須磨寺まで距離にして100メートル、時間にして30分。
 頭上でどっかんどっかん雷が落ちまくる30分。
 見知らぬ土地でのオルウェイズノンストップ雷雨。
 ゆっくり雨宿りできる軒先があったことがほんとうに救い、とはいえつまるところ要するに須磨寺にたどりついたわたしは精神的にかなり疲弊していました。 
 するやろ。するよな。とだれかれともなく同意を求めたくなるノンストップ雷雨30分コース。
 ということでわりと思考回路が直列つなぎになっていたわたし。
 せっかく須磨寺まできたんだから青葉の笛や安徳天皇ゆかりの品にお目もじつかまつろう、皆川博子『瀧夜叉』、赤江瀑『草薙剣は沈んだ』、宇月原晴明『安徳天王漂海記』などなど平家物語よりうまれた名作のよすがを辿りたい
 なんてことはつゆとも思わずただもう機械的にアプリを起動しチェックポイントをクリアしてそのまま本堂にも参らずに駅に向かいました。
 具体的にいうと本堂に続く階段のまえにある騎馬武者像二体をふーんとながめて子規の碑と山本周五郎の碑とあとだれだっけ去来? の碑をながめて帰りました。
 もうHPもMPも完全に底をついていた。
 むりだった。
 平家御一門ゆかりの地でどっかんてかん雷浴びるの、まあまあ怖かった。
 なんかわたしわるいことした? 心あたりないけど木曽義仲レベルのなんかした? そんな大物レベルのやらかしまったく心あたりないけど! わたくし箸にも棒にも引っかからない小物ですけど! ていういかにも日本むかしばなしに情緒を育てられたひとにありがちな謎のスピリチュアル的発想がはたらきました。
 どうぞ笑ってやってください。わたしも書きながらあらためていまさらこのひとちょっとかわいそうだなって思う。でも当時はわりと本気だった。しょうがない、しょうがないですよね、雷雨はひとを疲弊させる…。

 ということで本堂に続く階段のまえをまわれ右して須磨寺前商店街をてくてくくだり山陽本線須磨寺駅へ。
 構内に入った瞬間、三宮行きの電車がやってくる。
 高校生たちが「これ逃したらあと20分くらい待たなあかんねんで!」と叫びながら駆けてくるのと一緒に電車に乗りこむことに。
 商店街から改札、ホームとあがり車内まで一歩も立ち止まることのないスムーズな乗車。
 わたしほんまにここからはよ出てけって言われてる? なんかわからんけど大いなる力みたいなものにはよよそ行けやって言われてる?
 ふだんならノンストップで電車乗れたらラッキーイェーイって喜ぶはずなのに、若干のスピリチュアルネガティブをひきずりつつ、さておつぎは高速神戸駅へ。

 こちらの周辺で名高きは湊川神社。
 あと文学好きのかたには「メトロ神戸古書の街」もぜひ。地下街に突如あらわれる古書店街と卓球場。
 とはいえ高速神戸駅に到着したあたりで時刻は15時をまわっており、あちこち観光している余裕はないわねとてくてく歩いてチェックポイント「横溝正史生誕の碑」へ。
 ところで文アルやってない身でよくわかってないのですが文アルに横溝正史はいるのでしょうか。
 TLでお見かけした記憶はないな…なぜ…? 乱歩はいるんだっけ…? とぼんやり歩きつつ碑に到着。
 ちょうど碑のまえで70代くらいのたぶんタクシーの運転手さんらしい男性が一服されており、よ、横溝正史っぽーい……とちょっとおもいました。
 ところでわたしはいかにもおどろおどろしい村の因習系横溝正史より都会のハイカラ横溝正史が好きなほうです。すきな横溝正史の作品は「夜光虫」、好きなキャラクターは多門修くんです。どうぞお見知りおきを。
 それはさておき。
 なんとはなし碑のまえで男性とみつめあうことしばし。
 煙草をふかしながらすっとその場を去っていく黒スーツの背中も風情がある…とぼんやりながめていましたが客観的に描写するとわたしが「オッチャンどいてんか」て圧をかけたみたいだな…ていま気づきました。ごめん。
 ひとさまの貴重なシガータイムを邪魔しつつアプリを起動し第五のチェックポイントクリア。

 お次は元町にある漱石ゆかりの亀井堂へ。
 近畿に住まうものとしては亀井堂の瓦せんべいはかねがね存じあげておりますものの、漱石によしみがあるとは寡聞にして知りませんでした。きっとどこかに典拠があるのだろうとおもいつつ特にググってはおりません。おいしいよね、瓦せんべい。
 ハーバーランドを横目に見つつ元町商店街へと歩くこと15分ほど。
 商店街のわりと入り口付近にある亀井堂前でアプリを起動しポイントをチェック。
 これで6つのチェックポイントを制覇したのでミッションクリアと相成りました。

 ほんとは三宮の内田百閒ポイントものぞいてみたかったのだけども、6つポイントクリアした時点で自動的に「クリア!」となったので、7つめの入る余地があるかはわかりませんでした。
 スタンプラリーは10月までやっているそうですし、まああと3ヶ月のあいだには三宮にいくこともあるだろうということで今回は保留。あともうひとつ幸田露伴の谷上駅もまあ機会がありましたなら。
 谷上駅、他のポイントにくらべてちょっとひとつだけ離れてるね…。ファンの愛が試されるってことかな…どうかな…。せっかくなのでこちらも10月までには行ってみたい。

 ちなみに行程は下記のとおりです。ご参考までに。



 見どころは3と4の時間差でしょうか。たぶんここ普通は一括でふたつチェックできると思う。

 さて、本来ならばミッションをクリアしたあとは神戸文学館に行って景品をもらうのが筋なのでしょうが、文アル門外漢がいただくのもな、ということで今回はここにておしまい。

 ちなみに亀井堂から神戸文学館までは電車で20分くらいです。
 門外漢ながら前回の文アルの展示にはフォロワーさんとご一緒しました。
 今回の展示もまた機会があれば見に行きたいな。

 ということで無事スタンプラリーを終えた身、あとは元町近辺をぶらぶらするぞということで、行ったところおよびどうぞぜひというところを下記に箇条書きに。

・亀井堂総本店
 チェックポイントのひとつ。瓦せんべいが有名。漱石は瓦せんべいを食べたのでしょうか。やっぱりちょっと典拠が気になってきた。
 わたしはこちらで瓦まんじゅうと神戸元町バターサンドを買いました。フレーバーはいちごや瀬戸内レモンなど。オリーブおいしかったです。

・放香堂珈琲
「日本最古の珈琲」を出すお店として有名ですね。
 明治より石臼で挽く珈琲、たぶん文豪のどなたかは飲んでるんじゃないかなということで。

・うみねこ堂書林
 ミステリ好きなら絶対におすすめ。
 店主の方は横溝正史生誕の地の碑建立に関わられたとのことですし、チェックポイントとのご縁も。
 お話がとてもおもしろいので、一見さんでもきっとついつい話しこんでしまうかもしれません。楽しい。

・パンやきどころRIKI
 うみねこさんのすぐ近く。
 好き。
 人気なのでたいていお店の入っているビルの角をぐるっと曲がるくらいには列ができている。
 今回行ったときには天候のせいか平日のせいかお客さんがわたしひとりで夕方なのにパンも結構あって、そんなボーナストラックある?て爆買いしてしまいました。
 おいしかったです。

・古書ノーボ
 お店の雰囲気や棚の並びやつくりや、なにより佇まいがとてもすきです。

・清泉堂書店
 いろいろなジャンルの棚があります。お二階の文学コーナーは文アルに登場する文豪の単行本なども。

・本の栞
・古書荒野
 オシャレな雰囲気の古本屋さん。

・神戸古書倶楽部
・神戸元町みなと古書店
 複数の古書店が集まっているお店。宝探しみたいで楽しい。

 ざっと羅列してみました。

 もちろんこちらにあげきらないくらいたくさん素敵なお店がある元町・神戸。
 ほんとは鞄や靴も買いたかったものの、さすがにそこまで時間も気力も余裕はなかった。
 次回はぜひ。

 ということで「文アル神戸須磨スタンプラリーに参加したレポ」をお送りしました。
 お役に立てるかな。どうかな。
 分かりませんがとりあえずこんな感じで。

 ちなみにわたし、この1日の歩数は20000歩を超えておりました。
 ほぼ電車と徒歩で行こうとするとこうなりますという例。
 確か文アルコラボの一日周遊券があるんだよな…ということは途中で思いだしましたが結局バスにも地下鉄にも乗らなかったしルートもよくわからないままです。
 みなさん一日周遊券使われるならこのレポ一切役に立たないな…?ということに気づきつつ、それではこのあたりで。
 お読みくださりありがとうございました。
 どうぞみなさま良い旅を。

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