ドミニオンプレ予選レポート

6/15日にゲームスペース柏木にてドミニオン日本選手権を想定した大会を開催しました。ユーザー大会にも関わらず24名の方に参加していただき、非常に盛り上がった大会になりました。そこで運営側の方でも簡単なレポートをまとめたいと思います。

今回は
・サプライ
・私の事前のゲーム予想
・実際の初手
・ゲーム後の考察
の順で書きたいと思います。

1回戦

サプライ(制作:ハルキ)
追跡者、ゴーストタウン、悪魔の工房、悪魔祓い、偶像
商人、家臣、鍛冶屋、研究所、市場

初期想定
十分構築が可能なサプライに見える。ただし、ゴーストタウンが村としての性能が低い上に、それしかアクションを増やす手段もなく、構築難易度は高いだろう。安直に鍛冶屋ステロを回すことも可能だが、偶像による呪い撒きが入った場合にどれぐらい耐えられるかは疑問だろう。

実際のゲーム

考察

最も人気があったのは銀貨、鍛冶屋で24人中8人が選択した。そして平均順位も2.0と比較的高水準だった。一番優れた戦績を出したのは追跡者、偶像の1.67であった。(悪魔祓い、ゴーストタウンは一人が強かっただけなので除外)。単純に金量を伸ばす戦略が強く、呪いも巻ける偶像が初手から入るのは強力だったのだろう。

一方、悪魔祓いや悪魔の工房スタートは苦戦を強いられた。0.5アクションしか増やさないゴーストタウンしかない上に、鍛冶屋ステロ側もゴーストタウンを入れ得るので枚数が厳しく、安定した構築を行う事が難しかったと思われる。

実際会場の話を聞いてみると呪いが撒かれる場合、撒かれない場合ともにブン回った鍛冶屋ステロが勝ち残るケースが多かったようだ。コンボが勝った卓もないわけではないが、同時に4位も取りやすく、平均順位にすると悪い結果になってしまったのだろう。

ただとある卓の反省を聞いているとどうやら追跡者、悪魔の工房が速いとのこと。回してみた一例がこんな感じ。

1悪魔の工房

2追跡者

3ゴーストタウン、悪魔祓い(デッキトップ)

4鍛冶屋、屋敷→ウィスプ

5鍛冶屋

6ゴーストタウン、屋敷→ウィスプ、インプ

7研究所(トップ)、ウィスプ(トップ)

8銀貨(Boon)、ゴーストタウン、商人、インプ(トップ)

9ゴーストタウン、属州、インプ(トップ)

以下属州


ウィスプとインプのがあるのでデッキが高速で回る上に、インプが実質研究所なのでアクションにも余裕がある。今回はゴーストタウン4枚(しかも1枚は8T)で回しているが、適宜キャントリップを増やすことで十分引ききることは可能だ。事実2枚入れている鍛冶屋だが1ターンに2枚打つことはほとんどなかった。

追跡者によって1ターン早く使用できる効果と、悪魔の工房によるインプも含んだパーツ集めは想像以上に早かったようだ。大会中この初手を選んだプレイヤーはいなかったので実際のインタラクション込みでどの程度、この速度を維持できるかは不明だ。しかし、12T属4は十分早い戦略であり、1位を取れる確率は決して低くないだろう   


2回戦

サプライ(作成:ハルキ)
ピクシー、取替え子、愚者、レプラコーン、暗躍者、呪われた村
堀、庭園、玉座の間、魔女

初期想定

幸運のコイン庭園VSヤギコンボ。庭園側に木こりのようなカードはないが、愚者による継続的なアドバンテージや、暗躍者の+購入と金貨、幸運のコインなど強力なサポートが数多く存在する。一方コンボ側は取替後により銀貨を必要なパーツに置き換えることができるのが強み。ただし魔女による呪い撒きが入るとコンボの成立は難しくなりそうだ。

実際のゲーム

考察

最も人気だったのは愚者、暗躍者で6人が選択した。暗躍者を取替子にしたのも含めると11人が選択し、金貨+愚者という選択肢が最も人気だったことがうかがえる。時点で人気なのが堀、暗躍者(取替子)スタートで勝率も悪くはない。暗躍者を取った中で見てみると暗躍者ではなく取替子にしたほうが勝率は高かった。
最終的な1位のルートを見ると庭園2属州4となっており、属州側が優勢だったようだ。注目すべきはこの場で勝利した属州側は金貨多めのステロを選択していることだ。ヤギー取替子ー幸運のコインのラインを一番うまく使えるのが属州ルートのステロだということだろう。属州側が属州6枚等の高得点を取る中、庭園側は大きく点数を伸ばすことができず、負けてしまったケースが多いようだ。

3回戦

サプライ(製作者:みなと)
ゴーストタウン、愚者、悪魔祓い、吸血鬼、聖なる木立
商人、工房、玉座の間、鍛冶屋、研究所

初期想定

吸血鬼が強いのは大前提としてそこから構築するのかしないのかが課題。構築パーツはかなり多いので構築は容易だが、その場合に吸血鬼を何枚入れるのかが焦点になってくる。また幸運のコインの存在も引ききりを目指したいのならば邪魔になる可能性があるだろう。またサプライを通して鍛冶屋のカードパワーは高く、幸運のコインを絡めた鍛冶屋ステロの可能性も十分にあるだろう。

実際のゲーム


考察

まず吸血鬼パスの高い勝率が目に付く。2卓で1位を取っており5-2なら迷わずこの手を取るのがよいのだろう。時点で人気なのが鍛冶屋、銀。これも様子を見てみると純粋な鍛冶屋ステロではなく、吸血鬼を足したステロとコンボの2つに派生しており、2週目の吸血鬼獲得を優先している手だと予測できる。また鍛冶屋と吸血鬼の相性の良さもうかがえる。吸血鬼自体は出力を生まない&コウモリで廃棄するなら手札が多いほうがよいので吸血鬼とコウモリがそもそも相性が良いように思える。事実初手吸血鬼スタートで最初の獲得は鍛冶屋であるケースも多く見られたようだ。


初手悪魔祓いは鍛冶屋より勝率が悪かった。もちろん悪魔祓い自体は強力なカードであるのだが、2週目に吸血鬼が入る確率は大きく下がっており、その分勝率が下がってしまったように思える。また補足として悪魔祓い、ゴーストタウンは絶対に悪魔祓いが沈まない手であり、沈むことが致命的な悪魔祓いの弱点を補っている。


4回戦

サプライ(制作:うりはり)
追跡者、取替え子、羊飼い、呪われた村、偶像、カブラー
家臣、金貸し、改築、祝祭

初期想定
このサプライは私が制作したので、まずサプライの意図を説明したい。

ベースになったのは木ドミでのサプライである。その時は追跡者と取替え子がなくて、聖なる木立と役人が入っていた。ゲーム終了後同卓したretletさんと羊飼いルートがよいか呪われた村ルートがよいか、議論したがわからなかったので、大会に投げた形である。

基本構造はカブラー羊飼いVS呪われた村家臣で追跡者、金貸し、祝祭が両者の戦略を緩く補強している。そこに羊飼い、呪われた村とともに相性が悪いが強力な呪い撒きである偶像を足した形になっている。

金貸しはほぼ必須として呪われた村に行くのかカブラーに行くのか。羊飼いと勝利点の枚数はどの程度が適正か。屋敷は買うべきか属州を早めに行くべきか。呪いは巻くのか巻かれるのか。あたりが争点になると考えていた。

実際のゲーム


考察

初手の最も人気だったのは金貸し、銀。だが勝率自体を見るとあまりいい初手とは言えないのかもしれない。時点で人気だったのが金貸し、家臣と金貸し、追跡者だった。羊飼いに行くにせよ呪われた村を中心に回すにせよより高いバリューを求めた初手だが、金貸しの相棒としてこの2種は銀貨よりは良かったようだ。

実際ゲームを見てみると、羊飼いを中心にデッキを構築している人が多かったように思える。これは牧草地による屋敷点数を無視できないと判断したプレイヤーが多かったということだろう。実際羊飼いデッキはうまく噛み合いさえすれば多少の勝利点は許容できるので、"うまく回った羊飼いが良い戦績を残した"ということは十分に考えられる。一方、一番卓では綺麗な呪われた村デッキが勝利を納めていたので呪われた村と家臣で回すデッキが勝てない訳ではないだろう。

またこのサプライでは何人かにゲーム終了時のデッキを見せてもらった。見た感じ羊飼いルートの屋敷はおおよそ6枚、金貸しを入れていなかったり、呪われた村ベースのデッキでは4枚程度が多く見られた。逆に屋敷を多く(8枚~)買っていたプレイヤーは属州の枚数が少なく、最終点数は低いように思われた。

あとがき

以上4回戦でした。優勝は19点獲得のチャーシューさん。おめでとうございます。他ボーダー13点獲得した6名の皆様もおめでとうございます。なお大会得点を含むデータはここからみることができます。

今後も機会があればこういった大会を開催できればと考えているので、その際はぜひご参加ください。今回は本当に皆様の参加、ご協力に感謝します。ありがとうございました。

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