ピクミン2は発売日に買ったかどうか覚えていない
今思い返しても、「めちゃくちゃ発売が楽しみだったゲームソフト」はピクミン2だったよなぁ、と。
当時、インターネット環境はTwitterもまとめサイトも無く、情報収集の術はかなり限られていた。手段自体はあったのだろうが、当時小学生の自分はそんな高度な使い道は理解しておらず、Yahoo!で検索ワードを入力し、検索結果をひとつづつ眺めるぐらいしかしていなかった。公式運営のサイトの更新を待つか、個人運営の攻略サイトを巡回するのみだった。
公式サイトの情報はなかなかに潤沢だった。
当時としては珍しかっただろう、実際のゲームプレイ動画が紹介映像として多く見ることが出来たのだ。今はFlash prayer互換性の問題で見る事は叶わないが、操作や仕様、目的の説明が実際のプレイヤー目線で流れるのは非常に刺激的で、幼き自分の想像力や、「実際に手に取ってみたい」「早く遊びたい」「触れてみたい」といった欲求を非常に強く掻き立てられたのだ。
今では公開できる情報量の差はまったく違う。公式の紹介動画は豪華になる一方でありまた、個人目線でのプレイ動画は実況プレイやswitchの撮影機能で当たり前になっており、珍しくもない。
だが、なにより発売後も粛々と更新され続け、最終的にはクリアしたプレイヤーの感想や、敵キャラの人気投票まで行われていたのは、やはり当時はかなり刺激的だったように思う。
他に主な情報源はコロコロコミックであり、月刊発売の雑誌を発売日に買いに走り、カラーページのゲーム情報で心躍らせ、翌月の発売までそのページを飽きる程読み返した。何故かファミ通という大御所雑誌の存在は知らなかった。テレビを観ていてピクミンのCMが流れたら時が止まったように見続けていた。何回でも。公式サイトも何週も巡回し、予習は完璧だった。
正直ここまで書いてて異常なほどの執着だと思う。
もしピクミン2を手に入れられなかったら自分はどうなっていたんだ??
ピクミン1を遊んでいたわけでは無いのに、何故そんなにも発売が楽しみだったのかは今ではよく分からないが、とにかく発売が楽しみだったということだけ覚えている。なにが幼き自分をそうさせていたのかは覚えていない。なんなら発売日に買ったかどうかも覚えていない。
少なくとも買ったその日は大層幸せだったのも記憶にあるが、やはりその日が発売日だったのかは覚えていない。遊ぶ中で、友人らに楽しさを布教し、友達の家で楽しんでいたという思い出は今でも色濃く残っている。
とにかく発売が楽しみだったゲーム、それがピクミン2だったのだ。
さてそんなピクミンだが、シリーズ最新作が発売予定である。
ピクミン4 2023年 7/21発売
明日である。
今作は救助隊としてピクミンの惑星に来訪する。新たな操作キャラ・宇宙犬オッチンと共に、仲間や遭難者を救出しつつ、オタカラ回収を目指す。
いつの間にかピクミンの醍醐味ということになっていた「ダンドリ」を追求したつくりとなっている。
ニンテンドーダイレクトにて宮本さんが開発を発表してから早かったような、長かったような。かなり力をいれて作られているのを強く感じるので非常に期待値が高く、初報からすでに発売が楽しみだった。
さて、そんな今作だが、発売1ヶ月前に体験版が配信された。
最初のエリアをまるまる遊べる、かなり太っ腹な体験版だ。そも操作が少々複雑なゲームであることに加え、初の登場となるオッチンの操作はピクミン好きにも未知の体験となり、予習にもってこいだ。
セーブデータを製品版に引き継げる、つまり最初のチュートリアルを事前にすっ飛ばせることとなり、ゲームに慣れているプレイヤーにこれは非常にありがたい体験版である。
技術の進歩に感動しながらも、操作を覚えて手に馴染ませる。過去作からの仕様の変更を把握しながら、今回のゲームにおける目的を把握、現時点で得られる情報をもとに、製品版ではどんな物語が繰り広げられるのか想像を掻き立てられる…………。
……いや、これ! かつて体験した発売前とまったく同じ刺激なんだが!?
発売前のゲームへの理解を深めさせられながら「早く手に取って遊びたい」という欲求をこれでもかと掻き立てさせられる。刺激される!
いや、実際にはもう軽く手に取ってはいるのだが、どうしても脳は「もっと」や「はやく」と製品版の発売を求めてしまう……!!
任天堂、人の心を弄ぶ方程式を理解し過ぎているだろ。
どうやら任天堂のマインドは20年間変わらずのものらしい。飼い慣らされてきた自分には分かる。手段は変わっている、というか、時代に即した手段をベストチョイスしているのだが、どうしてこうも特攻的にぶっ刺さる手段でもってマーケティングしてくるのだろうか。というか、ただ自分がものすごく単純なだけなのでは???
20年越しに、任天堂に心を掌の上で踊らされている訳だが、この「発売が楽しみ」という感情は昔から変わらない。
流石に昔のように公式サイトをマメに見に行くようなことはしなくなったし、個人運営攻略サイトも検索候補の波に飲まれてどこかへ行ってしまった。定期的に小出しされる情報や、巡回していて「new!!」の文字を見つけて「ラッキー!」と心躍っていた古のインターネット体験はもう得られないかも知れないが、「発売が楽しみ」はたぶん、今後も変わらない。
余談
公式サイト残ってた……。嘘だろ……。
今では敬遠されがちな長文解説も読んでたらなんか落ち着いてくる。
一部を引用する。
このように世界観の説明をしているのか恐怖を煽っているのか分からないが、淡々と述べられる様に楽しんでいたことも事実……。
「あぁ、こーゆーのだよこーゆーの」と、自分の脳内は肯定しているが、一体どういう感情で読んでたんだ幼き自分……。
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