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ぼくたちのアイデアすごいでしょ!【ホトケノザ】

こんにちは、うりぼうです。

今年の冬は寒いですね…。出不精に拍車がかかってしまってすっかり運動不足です^^;

さて今回は、その寒空の下でも可憐に花を咲かせている「ホトケノザ」をご紹介したいと思います。

「ホトケノザ」は「春」が花期とされているお花ですが、日当たりの良いところでは真夏以外咲いていることが多い野草です。

そんな冬にも咲いちゃう「ホトケノザ」について紹介していきます。

どんな野草?

「ホトケノザ」はシソ科オドリコソウ属の野草です。

比較的どこにでもいるので、見たことのある人も多いのではないでしょうか。

こちらです!

春のホトケノザ

「見たことある!」「あ、これか!」と思われましたか?

この写真のように、葉っぱを段々につけるので「三階草(さんがいぐさ)」なんていう別名もあるようです。

この葉っぱ、一枚の葉っぱの真ん中を茎が突き抜けているように見えますが、実は一枚ではなく二枚なんです。

葉っぱを裏から撮った写真です。二枚に分かれているのがわかりますか?

「ホトケノザ」の葉っぱは二枚で対になっています

花は赤紫で、茎から立ち上がったような形で咲きます。

「ホトケノザ」はまとまって咲くことが多いので、春には紫色の絨毯のようにも見え、とても綺麗です。

名前の由来は、葉っぱの形が仏様が座している蓮華座というものに似ているから。

改めて見てみると、お花が手を合わせて拝んでいる仏様のようにも見えてきます^^

春の七草ではない

春の七草にも【ホトケノザ】がありますが、それは今回紹介している「ホトケノザ」のことではありません。

「オニタビラコ」の記事でも書きましたが、春の七草の【ホトケノザ】は「コオニタビラコ」というキク科ヤブタビラコ属に属している野草だといわれています。

まったく別の植物ですので、食べないように気を付けてくださいね!

「ヒメオドリコソウ」との違い

同じような時期に同じような色の花を咲かせる「ヒメオドリコソウ」。

どうやら「ホトケノザ」と「ヒメオドリコソウ」の見分けがつかない、という方も多いようなので、ここで簡単に説明しますね。

そもそもヒメオドリコソウはどんな植物なのか写真を見てみましょう。

ヒメオドリコソウ

ちょっと立派な「ヒメオドリコソウ」なので「ホトケノザ」と全く違う雰囲気なのですが、葉っぱの間隔が開いていると花が似ている分間違いやすいかもしれません。

一番の違いは花のつき方と葉っぱの形かな、と思います。

・「ホトケノザ」
 ⇒葉っぱの上に目立つ形で花がつく
 ⇒丸みを帯びた葉っぱ

・「ヒメオドリコソウ」
 ⇒葉っぱの間から花を伸ばして咲く
 ⇒先が尖ったスペードのような形の葉っぱ

私のイメージで申し訳ないのですが、二つの野草のイメージイラストを描いてみました。
(描きたかっただけ、とも言う💦)

あくまで私の脳内イメージです^^;

みなさんの見分けのお役に立てば幸いです

「ホトケノザ」の工夫

最後は「ホトケノザ」がこんな工夫をしているんだよ、というお話です。

「ホトケノザ」が日当たり良い場所では秋や冬にも花を咲かせているお話をしましたが、実は春と秋・冬では様子が違います。

だいたい同じ地域で撮った春(3月)と最近(12月)の写真です。

(上)春  (下)冬

圧倒的に春の方が花の数が多いですね。

それもそのはず、「ホトケノザ」は虫に受粉をしてもらうのですが、冬はあまり虫がいませんので受粉してもらえないわけです。

それでも小春日和の陽気に誘われて花を付けてしまう性質が強いのですね。

実は私が今回注目したいのは、咲いていないお花の方です。

「ホトケノザ」は秋・冬の寒い時期にも種を作るための工夫として「閉鎖花」という「咲かないつぼみ」をつけます。

⚠️「閉鎖花」は秋・冬限定のつぼみではありませんのでご注意くださいね!
春や夏前などでも見られると思います。
今回は「ホトケノザ」の秋・冬の工夫の一つとして紹介しています^^

実際にどんなものか見てみましょう!

咲くつぼみと混じっているので自信がないのですが、閉鎖花の特徴は

先だけ赤紫であとは白色
開放花(咲く花)のつぼみより小さい

とありましたので多分これかな?

黄色: 咲くつぼみ
青色: 咲かないつぼみ

黄色:開放花のつぼみ 青色:閉鎖花

ほとんど日陰にいる「ホトケノザ」はわかりやすいです。

先以外白っぽい

ではなぜ「咲かないつぼみ」をつけるのでしょうか?

それには「ホトケノザ」が子孫を残すための工夫があります。それは…

「受粉してくれる虫がいないなら、自分で種つくろー!!」

です!

自分で自分の子孫を残そうとするのですね。
これを「自家受粉」と言います。

しかしその種は、『遺伝子的に自分と全く同じ』。
そんな存在が一か所でまとまって成長すると、なにか環境の変化があった時、一気に全滅してしまいます。

そこで「ホトケノザ」は考えました。

「そうだ、アリさんに遠くまで運んでもらおう!」

というわけで「ホトケノザ」の種にはアリの好きな成分『エライオソーム』を種にくっつけています。

非常に小さいかったのでピントが合わず微妙な写真で申し訳ないですが、先端についてる白っぽいものが「エライオソーム」です。

膝の上にのせて撮ったのですが、
ジーンズの目までくっきりです^^;
五円玉が巨大です!!

植物は子孫を残すために様々な工夫をしているのですね。

自家受粉をしている植物は他にもたくさんありますし、エライオソームを種子につけている植物もたくさんあります。

またいつか紹介できるかもしれません^^

さいごに

今回は「ホトケノザ」を紹介しました。

春の「ホトケノザ」は葉っぱの色も濃いですね

その辺に生えている身近な植物なのであまり書くことないなぁ、と思っていたのですが、調べてみると書きたいことがたくさん…!!

長文になってしまいました^^;
本当にここまで読んで頂いてありがとうございます。

これから暖かくなって「ホトケノザ」のお花もどんどん増えてくると、とても綺麗なお花畑になります。

春が待ち遠しいですね^^

身近な植物ですので、ぜひ観察してみてくださいね!

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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